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日常編⑩
第297話、サラマンダーの昇格
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ある日、俺はサラマンダー族の住む区画に呼び出された。
サラマンダー族の家は体温が非常に高くなるときがあり、住居は全て耐火煉瓦で造られている。なので、村の一角の気温は心なしか高い。
サラマンダー区画に入ると、さっそく出迎えがあった。
出迎えてくれたのは、舎弟頭のバオブゥさんと数名のサラマンダーたち。みんな俺を見て中腰になり、両手を膝の上に乗せて頭を下げた……この挨拶、未だに慣れない。
「ご足労いただき感謝しやす。叔父貴」
「い、いえ。それで……なにかあったんですか?」
「ええ。実は、以前親父が帰ってきたとき、新しく親父と盃を交わしたリザード族を迎えたんです。真っ先に叔父貴に挨拶をさせようとおもったんですが……」
「ああ、ビッグバロッグ王国に帰省してたから……」
「へい。叔父貴が戻ってすぐでは休む暇もなかったと思うので、少し間を開けさせて挨拶の場を設けようと思いまして。それと、組の再編成も同時に行われまして……叔父貴には親父の残した再編成の手紙を読み上げていただきたいのです」
「手紙?」
「はい。親父が残していった物で、叔父貴に読み上げてもらうようにと」
そんなものいつの間に……聞いてないぞ。
組の再編成か。というか、リザード族と盃ってなんだよ……?
「叔父貴。こちらへ」
「あ、はい」
ま、いいか。手紙を読み上げるだけなら俺でもできる。
バオブゥさんに案内されたのは、煉瓦造りの砦みたいな建物だった……いつの間にこんな建物が。
「オレらの組事務所ですわ。以前、リザード族の組長に言われやして……サラマンダー族は組事務所も持ってねぇのかと」
「あ、なるほど」
そう言えば、ダークエルフの里にあったリザード族の事務所は、立派な木造りの家だった。
この村には個人の家はあるけど、組事務所なるものはない。サラマンダーたちがコツコツ建築してたらしい。
ずっとエルダードワーフの手伝いをしてたからな。建築技術は学ばなくても身体に刻まれている……と思う。
バオブゥさんと一緒に組事務所の中へ。
「「「「「お疲れ様ですっ!!!!!」」」」」
「うおぉぉっ!?」
広い空間には、この村に住むサラマンダーがほぼ全員。そして新しく盃を交わしたというリザード族が全員……いや、何人いるんだよ。五十人以上いる。が、座っていた。
俺が部屋に入るなり立ち上がり、中腰で挨拶をする。
「叔父貴。あちらの席へ」
「あ、はい」
バオブゥさんに案内されたのは、この部屋の中で少し高い台になっている場所だ。
そこに、たぶんミュディが作ったと思われる炎のように赤い絨毯が敷かれ、ドラゴンの刺繍が施されている座布団に座らされた。
「…………」
いやいや、なんだこれ……まるで俺がサラマンダーたちのボスみたいじゃん。
サラマンダーとリザードたちがどっかり座ると、部屋の入口からグラッドさんが現れる。
手にはお膳を持ち、そこに手紙のようなものを載せて……え、もう始まるの? 心の準備なしかい!!
「叔父貴。よろしくお願いします」
「は、はい」
俺、流されっぱなしだな……まぁいいけど。
手紙をお膳から取ると…………う、なにこの空気。めっちゃ重い。
押し潰されそうな重圧に、手紙を持つ手が震える。
さ、さっさと終わらせよう……この空気、耐えられん。
俺は手紙をバッと広げ、大きく息を吸って中を改める。
「…………」
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
「……そ、それでは発表します」
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
いや、なんか言ってくれよ。
俺は息を吸って吐き、手紙をゆっくり読み上げた。
「え、えー……まず、若頭のグラッドさんを『副組長』に任命する」
「ありがとうございます!!」
「うおっ……」
グラッドさんは立ち上がり、俺の隣に敷いてあった座布団に座る。
「えっと、舎弟頭のバオブゥさんを若頭に、若頭補佐をノゲイラさんに任命する」
「「ありがとうございます!!」」
「は、はい。えっと、舎弟頭をヴァノンさんに、舎弟頭補佐をリザード族のマハドさんに任命……」
俺は書かれている内容を読み上げる。
さっぱり意味はわからなかったが、グラッドさんが組の二番手に、バオブゥさんがグラッドさんの元のポジションになったことはわかった。
リザード族にもポジションをいくつか当て、組の団結を図るそうだ。
「……以上です」
「「「「「「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」」」」」
「うぉぉっ!? は、はい……ありがとうございました」
こうして、驚きっぱなしの組織大編成は終わった。
◇◇◇◇◇◇
グラッドさんやバオブゥさん他、新しい役職となったサラマンダーたちが挨拶を終えると、メスサラマンダーたちが料理を運び始め、この日は宴会となった。
俺もそのまま参加。というか、こういう催しがあるなら言ってくれればいいのに。
「えーっと……ラングさん」
「へい、叔父貴!!」
ラングさんは、サラマンダー族の中でも若いほうで、組の中では若衆の一人だ。
用事のたびに副組長となったグラッドさんを呼びつけるわけにもいかない。なので、近くで酌をしていたラングさんを呼び止める。
「悪いんですけど、酒蔵に行って清酒を五十樽ほど出してもらってください。俺からの贈り物です」
「い、いいんですかい!? 清酒っていやぁ人狼族の酒で」
「いいんです。今日はめでたいんで。俺の名前を出してもらってきてください」
「お、叔父貴……ありがとうございます!!」
ラングさんはダッシュで酒蔵へ。
俺は酒を注ぎに来たグラッドさんに言った。
「今日は飲みましょう」
「へい、叔父貴!!」
宴会は、深夜まで続いた。
清酒が好評で、五十樽全て飲み干し、さすがのサラマンダー族もみんな酔い潰れてしまった。
酔い潰れる前、俺はグラッドさんや他のサラマンダー族の子供たちに挨拶した。
赤ん坊みたいな可愛らしいサラマンダーは、俺を見るとキャッキャと騒いで俺によじ登ろうとしたり、いきなり炎を吐いてガチで俺をビビらせた。子供はやっぱり可愛い……俺も欲しい。
兄さんやルナマリア義姉さんも幸せそうだったし、また夜を頑張ろうかな……ミュディを誘って……ぐふふ。
サラマンダー族の家は体温が非常に高くなるときがあり、住居は全て耐火煉瓦で造られている。なので、村の一角の気温は心なしか高い。
サラマンダー区画に入ると、さっそく出迎えがあった。
出迎えてくれたのは、舎弟頭のバオブゥさんと数名のサラマンダーたち。みんな俺を見て中腰になり、両手を膝の上に乗せて頭を下げた……この挨拶、未だに慣れない。
「ご足労いただき感謝しやす。叔父貴」
「い、いえ。それで……なにかあったんですか?」
「ええ。実は、以前親父が帰ってきたとき、新しく親父と盃を交わしたリザード族を迎えたんです。真っ先に叔父貴に挨拶をさせようとおもったんですが……」
「ああ、ビッグバロッグ王国に帰省してたから……」
「へい。叔父貴が戻ってすぐでは休む暇もなかったと思うので、少し間を開けさせて挨拶の場を設けようと思いまして。それと、組の再編成も同時に行われまして……叔父貴には親父の残した再編成の手紙を読み上げていただきたいのです」
「手紙?」
「はい。親父が残していった物で、叔父貴に読み上げてもらうようにと」
そんなものいつの間に……聞いてないぞ。
組の再編成か。というか、リザード族と盃ってなんだよ……?
「叔父貴。こちらへ」
「あ、はい」
ま、いいか。手紙を読み上げるだけなら俺でもできる。
バオブゥさんに案内されたのは、煉瓦造りの砦みたいな建物だった……いつの間にこんな建物が。
「オレらの組事務所ですわ。以前、リザード族の組長に言われやして……サラマンダー族は組事務所も持ってねぇのかと」
「あ、なるほど」
そう言えば、ダークエルフの里にあったリザード族の事務所は、立派な木造りの家だった。
この村には個人の家はあるけど、組事務所なるものはない。サラマンダーたちがコツコツ建築してたらしい。
ずっとエルダードワーフの手伝いをしてたからな。建築技術は学ばなくても身体に刻まれている……と思う。
バオブゥさんと一緒に組事務所の中へ。
「「「「「お疲れ様ですっ!!!!!」」」」」
「うおぉぉっ!?」
広い空間には、この村に住むサラマンダーがほぼ全員。そして新しく盃を交わしたというリザード族が全員……いや、何人いるんだよ。五十人以上いる。が、座っていた。
俺が部屋に入るなり立ち上がり、中腰で挨拶をする。
「叔父貴。あちらの席へ」
「あ、はい」
バオブゥさんに案内されたのは、この部屋の中で少し高い台になっている場所だ。
そこに、たぶんミュディが作ったと思われる炎のように赤い絨毯が敷かれ、ドラゴンの刺繍が施されている座布団に座らされた。
「…………」
いやいや、なんだこれ……まるで俺がサラマンダーたちのボスみたいじゃん。
サラマンダーとリザードたちがどっかり座ると、部屋の入口からグラッドさんが現れる。
手にはお膳を持ち、そこに手紙のようなものを載せて……え、もう始まるの? 心の準備なしかい!!
「叔父貴。よろしくお願いします」
「は、はい」
俺、流されっぱなしだな……まぁいいけど。
手紙をお膳から取ると…………う、なにこの空気。めっちゃ重い。
押し潰されそうな重圧に、手紙を持つ手が震える。
さ、さっさと終わらせよう……この空気、耐えられん。
俺は手紙をバッと広げ、大きく息を吸って中を改める。
「…………」
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
「……そ、それでは発表します」
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
いや、なんか言ってくれよ。
俺は息を吸って吐き、手紙をゆっくり読み上げた。
「え、えー……まず、若頭のグラッドさんを『副組長』に任命する」
「ありがとうございます!!」
「うおっ……」
グラッドさんは立ち上がり、俺の隣に敷いてあった座布団に座る。
「えっと、舎弟頭のバオブゥさんを若頭に、若頭補佐をノゲイラさんに任命する」
「「ありがとうございます!!」」
「は、はい。えっと、舎弟頭をヴァノンさんに、舎弟頭補佐をリザード族のマハドさんに任命……」
俺は書かれている内容を読み上げる。
さっぱり意味はわからなかったが、グラッドさんが組の二番手に、バオブゥさんがグラッドさんの元のポジションになったことはわかった。
リザード族にもポジションをいくつか当て、組の団結を図るそうだ。
「……以上です」
「「「「「「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」」」」」
「うぉぉっ!? は、はい……ありがとうございました」
こうして、驚きっぱなしの組織大編成は終わった。
◇◇◇◇◇◇
グラッドさんやバオブゥさん他、新しい役職となったサラマンダーたちが挨拶を終えると、メスサラマンダーたちが料理を運び始め、この日は宴会となった。
俺もそのまま参加。というか、こういう催しがあるなら言ってくれればいいのに。
「えーっと……ラングさん」
「へい、叔父貴!!」
ラングさんは、サラマンダー族の中でも若いほうで、組の中では若衆の一人だ。
用事のたびに副組長となったグラッドさんを呼びつけるわけにもいかない。なので、近くで酌をしていたラングさんを呼び止める。
「悪いんですけど、酒蔵に行って清酒を五十樽ほど出してもらってください。俺からの贈り物です」
「い、いいんですかい!? 清酒っていやぁ人狼族の酒で」
「いいんです。今日はめでたいんで。俺の名前を出してもらってきてください」
「お、叔父貴……ありがとうございます!!」
ラングさんはダッシュで酒蔵へ。
俺は酒を注ぎに来たグラッドさんに言った。
「今日は飲みましょう」
「へい、叔父貴!!」
宴会は、深夜まで続いた。
清酒が好評で、五十樽全て飲み干し、さすがのサラマンダー族もみんな酔い潰れてしまった。
酔い潰れる前、俺はグラッドさんや他のサラマンダー族の子供たちに挨拶した。
赤ん坊みたいな可愛らしいサラマンダーは、俺を見るとキャッキャと騒いで俺によじ登ろうとしたり、いきなり炎を吐いてガチで俺をビビらせた。子供はやっぱり可愛い……俺も欲しい。
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