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日常編⑱
第519話、新たな図書館
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図書館・二号棟。
図書館塔の蔵書が百万冊近くになり、新たに建造した建物だ。
ジーグベッグの書いた著書は約百万冊とのことだが、それはジーグベッグが執筆した本の数であり、若かりし頃のジーグベッグが『収集』した本はカウントされていなかった。
その数、本人もわからないほどの量だ。
ハイエルフの里に巨大な倉庫があり、そこに納められていた。ハイエルフたちには『邪魔だ』と言われ続け、処分に困っていたらしい……当然、処分など言語道断。アシュトとローレライが『引き取ります』と即答した。
そこで始まったのが、二つめの図書館である。
当然、ローレライは喜んだ。
アシュトも大いに喜んだ。だが……図書館ができても、そこを管理する人は?
さっそくディアーナに相談。
すると、意外にも天使族から『図書館で働かせてください!』との声が。
従業員は決まった。
さて、大事なのは……そう、司書。責任者。
ローレライは、にっこり笑って言った。
「アイオーンに任せましょう」
アイオーン。
ローレライの親戚で龍人。
最近、ほとんど見ない。家に引きこもってなにやら書いているらしいが、アシュトにはよくわからない。たまーにミュディが様子を見に行ったりしているようだ。
ローレライは言う。
「イベントはもう終わったし、あの子も手が空いているわ。それに、おば様から言われてるの……アイオーンをしっかり働かせてやってくれって」
というわけで、図書館・二号棟の司書はアイオーンに決まった。
◇◇◇◇◇◇
図書館・二号棟が完成。
完成前に、せっかくなので司書服を統一した。ミュディがデザインした司書服は、天使族の従業員たちに大いに喜ばれた。
図書館完成後、さっそく本を運び入れる。
タイトル、ジャンル順に本を入れていく作業は辛いものがある。だが、手伝いに来たローレライはとても楽しそうにやっていた。
もちろん、アイオーンも。
図書館・二号棟は、図書館塔に比べるとやはり規模が小さい。
蔵書は約三十万冊ほど入る。読書スペースがあり、小さいけど個室もある。個室は申請すれば誰でも使用可能で、ここで勉強したり静かに読書ができる。
そして、従業員室。さらに司書長室などもあった。
アイオーンは、司書長室の椅子に座っていた。
「くっくっく……ここは、私の城。うひひひひ」
誰もいない部屋で怪しげな笑みを浮かべるアイオーン。
キョロキョロと周囲を確認し、司書長専用の大きなデスク下の床板をパカッと開いた。
床板の下は階段になっており、ここを降りて行くと……隠し部屋があった。
「私の城!! うっはっはははははは!!」
そこそこ広い部屋だった。
びっしりと本棚が並び、そこに大量の蔵書……全てアイオーンが収集した『趣味』の本が並んでいた。
いちおう、置けない本の保管庫という名目だが……アイオーンの『個人蔵書室』となっていた。
アイオーンはランプを付け、この日のために用意した高級ソファに座り、個人で買った冷蔵庫から果実水を取り出し飲み始めた。
「いやー、うまい!! うふふ、司書なんて面倒なの引き受けたのは全てこのため。私の個人蔵書の保管庫が欲しかったのよねー」
「そういうことだったの……」
「うんうん。いやー、司書の仕事なんて適当にやればいいべぇ? 本テキトーに詰めて、テキトーに掃除して……んで、ここでのんびり読書すればいいべさ。んにゃーっはっはっは」
「ふぅん……?」
「母ちゃんが働け働けうるさいから仕方なく働くけど、司書なんて……ら……く」
ぶわぁー……っと、アイオーンは汗だくになる。
背後に、メラメラと冷たい炎を感じた。
「アイオーン……これ、どういうことかしら」
「ろろろろろろ、ローレライ……えええ、えと、なんで」
「……あなたの初仕事を見に来たの。まさか、こんなサボり部屋を作ってたなんて」
「いやややや、そののののの……え、えへ?」
「…………おば様に報告ね。もしかしたら、村から追放、さらに山奥に連れ戻されるかも」
「えぇぇぇぇっ!? ももも、申し訳ございません!! それだけはご勘弁ヲヲヲヲヲヲヲヲををっ!!」
「…………司書の仕事、適当にとか?」
「そんなことありません!! しっかり働かせて頂きます!!」
「……そうね。その後、久しぶりに運動しましょうか? 『ドラゴンレスリング』……懐かしいわね」
「え、えっと……私、ローレライに勝ったことないんですけど」
「で?」
「やります!! やらせてくださいぃぃぃぃぃっ!!」
アイオーンは、土下座する勢いでローレライに頭を下げた。
◇◇◇◇◇◇
村の開拓はまだまだ続いている。
木を切り倒し、土壌を整備し、道路や建築物を建てていく。
その開拓場に、クリーム色のドラゴンと藍色のドラゴンが取っ組み合いをしていた。
『んっぎゃぁぁぁぁ!? ギブギブ、ローレライギブギブ!!』
『まだまだこんなものじゃないわよ!! ふんっっっ!!』
『いっだぁぁぁ!?』
ギリギリと、ローレライの長い尾がアイオーンの首に絡みつき、締め上げていた。
ドラゴン同士の喧嘩ということで、アシュトが呼ばれる。
「なんだなんだ!? ローレライ、アイオーン!?」
『心配ないわ。ドラゴンレスリング……ただのじゃれ合いよ』
「じゃ、じゃれ合いって……アイオーン、苦しそうだけど」
『ほっげぇぇぇ……』
『大丈夫。アシュト、迷惑はかけないから』
「……まぁ、ローレライが言うなら」
『村長お助けぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!』
アイオーン(ドラゴン態)は、苦しそうにアシュトに助けを求めた……が、ローレライが意味なくこんなことをするとは思えないアシュトは、アイオーンが何かやらかしたと結論づけた。
すると、クララベルがやってきた。
「あーっ!! 姉さまとアイオーン姉さま、楽しそうーっ!!」
『こ、これがどう楽しいのか、教えてほしいべ……っげおぉ』
「わたしも混ざるーっ!!」
『いいわよ。クララベル、三人でドラゴンレスリングしましょうか』
「うん!! へんしーんっ!!」
純白のドラゴンとなったクララベルが、ローレライとアイオーンに突撃……アイオーンはさらに苦しみ、地獄のような体験だったと後に語る。
この日から、アイオーンは別人のように働きだしたという。
「姉さま、またやろうね!!」
「ええ、そうね」
「もういやぁっ!!」
図書館塔の蔵書が百万冊近くになり、新たに建造した建物だ。
ジーグベッグの書いた著書は約百万冊とのことだが、それはジーグベッグが執筆した本の数であり、若かりし頃のジーグベッグが『収集』した本はカウントされていなかった。
その数、本人もわからないほどの量だ。
ハイエルフの里に巨大な倉庫があり、そこに納められていた。ハイエルフたちには『邪魔だ』と言われ続け、処分に困っていたらしい……当然、処分など言語道断。アシュトとローレライが『引き取ります』と即答した。
そこで始まったのが、二つめの図書館である。
当然、ローレライは喜んだ。
アシュトも大いに喜んだ。だが……図書館ができても、そこを管理する人は?
さっそくディアーナに相談。
すると、意外にも天使族から『図書館で働かせてください!』との声が。
従業員は決まった。
さて、大事なのは……そう、司書。責任者。
ローレライは、にっこり笑って言った。
「アイオーンに任せましょう」
アイオーン。
ローレライの親戚で龍人。
最近、ほとんど見ない。家に引きこもってなにやら書いているらしいが、アシュトにはよくわからない。たまーにミュディが様子を見に行ったりしているようだ。
ローレライは言う。
「イベントはもう終わったし、あの子も手が空いているわ。それに、おば様から言われてるの……アイオーンをしっかり働かせてやってくれって」
というわけで、図書館・二号棟の司書はアイオーンに決まった。
◇◇◇◇◇◇
図書館・二号棟が完成。
完成前に、せっかくなので司書服を統一した。ミュディがデザインした司書服は、天使族の従業員たちに大いに喜ばれた。
図書館完成後、さっそく本を運び入れる。
タイトル、ジャンル順に本を入れていく作業は辛いものがある。だが、手伝いに来たローレライはとても楽しそうにやっていた。
もちろん、アイオーンも。
図書館・二号棟は、図書館塔に比べるとやはり規模が小さい。
蔵書は約三十万冊ほど入る。読書スペースがあり、小さいけど個室もある。個室は申請すれば誰でも使用可能で、ここで勉強したり静かに読書ができる。
そして、従業員室。さらに司書長室などもあった。
アイオーンは、司書長室の椅子に座っていた。
「くっくっく……ここは、私の城。うひひひひ」
誰もいない部屋で怪しげな笑みを浮かべるアイオーン。
キョロキョロと周囲を確認し、司書長専用の大きなデスク下の床板をパカッと開いた。
床板の下は階段になっており、ここを降りて行くと……隠し部屋があった。
「私の城!! うっはっはははははは!!」
そこそこ広い部屋だった。
びっしりと本棚が並び、そこに大量の蔵書……全てアイオーンが収集した『趣味』の本が並んでいた。
いちおう、置けない本の保管庫という名目だが……アイオーンの『個人蔵書室』となっていた。
アイオーンはランプを付け、この日のために用意した高級ソファに座り、個人で買った冷蔵庫から果実水を取り出し飲み始めた。
「いやー、うまい!! うふふ、司書なんて面倒なの引き受けたのは全てこのため。私の個人蔵書の保管庫が欲しかったのよねー」
「そういうことだったの……」
「うんうん。いやー、司書の仕事なんて適当にやればいいべぇ? 本テキトーに詰めて、テキトーに掃除して……んで、ここでのんびり読書すればいいべさ。んにゃーっはっはっは」
「ふぅん……?」
「母ちゃんが働け働けうるさいから仕方なく働くけど、司書なんて……ら……く」
ぶわぁー……っと、アイオーンは汗だくになる。
背後に、メラメラと冷たい炎を感じた。
「アイオーン……これ、どういうことかしら」
「ろろろろろろ、ローレライ……えええ、えと、なんで」
「……あなたの初仕事を見に来たの。まさか、こんなサボり部屋を作ってたなんて」
「いやややや、そののののの……え、えへ?」
「…………おば様に報告ね。もしかしたら、村から追放、さらに山奥に連れ戻されるかも」
「えぇぇぇぇっ!? ももも、申し訳ございません!! それだけはご勘弁ヲヲヲヲヲヲヲヲををっ!!」
「…………司書の仕事、適当にとか?」
「そんなことありません!! しっかり働かせて頂きます!!」
「……そうね。その後、久しぶりに運動しましょうか? 『ドラゴンレスリング』……懐かしいわね」
「え、えっと……私、ローレライに勝ったことないんですけど」
「で?」
「やります!! やらせてくださいぃぃぃぃぃっ!!」
アイオーンは、土下座する勢いでローレライに頭を下げた。
◇◇◇◇◇◇
村の開拓はまだまだ続いている。
木を切り倒し、土壌を整備し、道路や建築物を建てていく。
その開拓場に、クリーム色のドラゴンと藍色のドラゴンが取っ組み合いをしていた。
『んっぎゃぁぁぁぁ!? ギブギブ、ローレライギブギブ!!』
『まだまだこんなものじゃないわよ!! ふんっっっ!!』
『いっだぁぁぁ!?』
ギリギリと、ローレライの長い尾がアイオーンの首に絡みつき、締め上げていた。
ドラゴン同士の喧嘩ということで、アシュトが呼ばれる。
「なんだなんだ!? ローレライ、アイオーン!?」
『心配ないわ。ドラゴンレスリング……ただのじゃれ合いよ』
「じゃ、じゃれ合いって……アイオーン、苦しそうだけど」
『ほっげぇぇぇ……』
『大丈夫。アシュト、迷惑はかけないから』
「……まぁ、ローレライが言うなら」
『村長お助けぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!』
アイオーン(ドラゴン態)は、苦しそうにアシュトに助けを求めた……が、ローレライが意味なくこんなことをするとは思えないアシュトは、アイオーンが何かやらかしたと結論づけた。
すると、クララベルがやってきた。
「あーっ!! 姉さまとアイオーン姉さま、楽しそうーっ!!」
『こ、これがどう楽しいのか、教えてほしいべ……っげおぉ』
「わたしも混ざるーっ!!」
『いいわよ。クララベル、三人でドラゴンレスリングしましょうか』
「うん!! へんしーんっ!!」
純白のドラゴンとなったクララベルが、ローレライとアイオーンに突撃……アイオーンはさらに苦しみ、地獄のような体験だったと後に語る。
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「姉さま、またやろうね!!」
「ええ、そうね」
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