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第6章
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クライブ殿下もエルフリーデ先輩も同じだ。
自分で望んだものでもないだろうに、産まれたその日から重い責務を背負い逃げ出さずに立ち向かっている。
それは子供だろうが学生だろうが手放せるものではなくて。小狡く立ち回ることも、自分を優先して逃げることもせずに、自分の人生の一部にしているんだ。
きっと悔しいことも辛いことも沢山あって、側から見るよりも全然華やかでもなくて、幸せじゃないこともあって。それはゲームの登場人物じゃない、生身の生きている人間だから。嬉しかったり悲しかったり、悔しかったり恥ずかしかったり。沢山の感情を持って悩みながら生きている人間だから。
2人のことを考えていると、急にロランさんが焦った声を出した。
「っ!リディアさんっ、どうしました?どこか痛いところが?」
「え?」
「いや、だって涙が、」
「ーーーあ、本当だ」
指摘されて初めて気付いた。私の両頬はぼたぼたと流れる涙ですっかり濡れていたのだ。手で拭った涙を見て驚いていると、大きな音と共に扉が開き、大股で急いでクライブ殿下が現れた。
そして慌てたように私に声を掛けようとして涙に気付くと、くるりと方向転換をした。
「どうして泣いている?何を言った」
それは滅多に聞くことのない怒りを含んだ低い声で。聞いた途端、自分に言われたわけでもないのに私はぶるりと体を震わせてしまうほどに威圧的な声だった。
だが、ロランさんにはあまり効果はなかったらしい。一瞬だけ戸惑うような顔をした後は、大きなため息を吐きながら呆れたように返事をした。
「少しは冷静になったらどうですか。頭の固いどこかのジジイでもあるまいし、私がリディアさんに何を言うと思うんです。それとも倒れたリディアを抱き上げて運んだのがそんなに気に入りませんか?以前にも男の嫉妬は見苦しいと申しあげたはずです」
「なっ……お前!」
「だいたい、もっと前から周到に用意をするべきだと忠告したのをなんやかやと理由をつけて先延ばしにしたのは殿下でしょう?だから今、こんな状態になっているのです。他のことでは優秀なくせに、どうしてこう決断が遅いのでしょうね。そのせいで振り回されるこっちの身にもなって欲しいものです」
この際とばかりに勢いよく繰り出されるお小言の数々にクライブ殿下も最初の迫力はあっという間に無くしてしまって防戦一方だ。
私が忙しかったのだからロランさんだってその比にならないくらい忙しくて、イライラが溜まっていたのかも知れない。まだまだ続きそうなお小言に、殿下が可哀想になった私はそおっと声を上げた。話題を変えるためだ。
自分で望んだものでもないだろうに、産まれたその日から重い責務を背負い逃げ出さずに立ち向かっている。
それは子供だろうが学生だろうが手放せるものではなくて。小狡く立ち回ることも、自分を優先して逃げることもせずに、自分の人生の一部にしているんだ。
きっと悔しいことも辛いことも沢山あって、側から見るよりも全然華やかでもなくて、幸せじゃないこともあって。それはゲームの登場人物じゃない、生身の生きている人間だから。嬉しかったり悲しかったり、悔しかったり恥ずかしかったり。沢山の感情を持って悩みながら生きている人間だから。
2人のことを考えていると、急にロランさんが焦った声を出した。
「っ!リディアさんっ、どうしました?どこか痛いところが?」
「え?」
「いや、だって涙が、」
「ーーーあ、本当だ」
指摘されて初めて気付いた。私の両頬はぼたぼたと流れる涙ですっかり濡れていたのだ。手で拭った涙を見て驚いていると、大きな音と共に扉が開き、大股で急いでクライブ殿下が現れた。
そして慌てたように私に声を掛けようとして涙に気付くと、くるりと方向転換をした。
「どうして泣いている?何を言った」
それは滅多に聞くことのない怒りを含んだ低い声で。聞いた途端、自分に言われたわけでもないのに私はぶるりと体を震わせてしまうほどに威圧的な声だった。
だが、ロランさんにはあまり効果はなかったらしい。一瞬だけ戸惑うような顔をした後は、大きなため息を吐きながら呆れたように返事をした。
「少しは冷静になったらどうですか。頭の固いどこかのジジイでもあるまいし、私がリディアさんに何を言うと思うんです。それとも倒れたリディアを抱き上げて運んだのがそんなに気に入りませんか?以前にも男の嫉妬は見苦しいと申しあげたはずです」
「なっ……お前!」
「だいたい、もっと前から周到に用意をするべきだと忠告したのをなんやかやと理由をつけて先延ばしにしたのは殿下でしょう?だから今、こんな状態になっているのです。他のことでは優秀なくせに、どうしてこう決断が遅いのでしょうね。そのせいで振り回されるこっちの身にもなって欲しいものです」
この際とばかりに勢いよく繰り出されるお小言の数々にクライブ殿下も最初の迫力はあっという間に無くしてしまって防戦一方だ。
私が忙しかったのだからロランさんだってその比にならないくらい忙しくて、イライラが溜まっていたのかも知れない。まだまだ続きそうなお小言に、殿下が可哀想になった私はそおっと声を上げた。話題を変えるためだ。
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