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32】現在進行形で口説いてる
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32】現在進行形で口説いてる
俺ばかり意識して。俺ばかりドキドキして。
(俺、変だ)
変だ、こんな。
それなのに、海野さんは変わらず俺に微笑んで、ちょっと意識するようなことを口にする。ズルイ。無駄に顔が良いから、心の中の俺がまた困っているっていうのに、海野さんは気にしない。ようやく今日来た目的を思い出し、言うぞ! と俺はようやく口を開いた。
「海野さんが」
「うん? 俺がどうしたの」
「海野さんが、俺の事口説いてるんじゃないかって思って……それで……」
ようやく言えたと思ったのに、海野さんも黙って急に静かになる室内。俺は言ったんだ、頼む、何か返事をしてくれ。
『あははっ! 水野さん、そんな風に思ってたの?』とか、なんとか言って、笑ってこの妙な空気を消し去ってくれ。そう思ったのに。
「あの、海野さん?」
本当に何か言ってくれ。こんな沈黙、田中さんが言った通りに、俺が口説かれていたと肯定するみたいじゃないか。違うよな? な? と、黙ったままの海野さんに、返事を促した。ゆっくりと開いた口から、明るい声が漏れる。
「やっと気づいた? うん、口説いてたよ? いや、この場合今もずっと現在進行形で口説いてるって言った方が良いのかな?」
「は……?」
何だそれ? え、口説いて??
ドキドキドキ。
(こんなの、まる海野さんが俺のことを好きみたいじゃないか)
ドキドキドキ。
待て待て、ちょっと、本当に待て!
「ぇ、あ……え??」
上手く言葉がまとまらない。困惑する声しか出ない俺に、海野さんが言葉を続けた。
「うーん、これでも伝わらないかぁ……」
はーっ……と海野さんがひじをついて頭をガシガシとかく。動作一つでも様になるんだから、イケメンって本当にズルイ。それから再び顔を上げ、いつか見た普段と違う眼差しになった。
「水野さん」
「ハイ」
思わずまたカタコトだ。椅子に座りなおした海野さんが、真面目な表情を浮かべる。それでいて、眼差しはどこか甘い。
「俺、水野さんのこと好きなんだ」
「すっ……!?」
(今、好きって言った!?)
つまり、俺って今! 告白されてる!?
誰か教えてくれ! と思ったが、教えてくれるのは、目の前にいる海野さんだけだ。
「うん。一目惚れってやつ。だから、ここ数日お店に来なかった時は、正直不安だったんだ。もしかしたら、俺の作る弁当以外に美味しいお店を見つけたのかな、とか。最初は忙しいんだって言い聞かせてたけど、やっぱり色々考えて。これなら、気持ちだけでも。早く告白しとけば良かったなぁって、思ってたりしたんだよ」
「は? え? す??」
は? え? 好き??(心の声と、たいして言葉が変わらないな?)
口説かれているかもと思ったが、まさか本当に口説かれていたなんて。しかも、告白までされるだなんて。
(こんなの、予想外過ぎてどうしたらいいんだ)
ただ不思議と、嫌ではない自分がいた。
*******
すみません。今日で終わりませんでした!
次、多分短いです
俺ばかり意識して。俺ばかりドキドキして。
(俺、変だ)
変だ、こんな。
それなのに、海野さんは変わらず俺に微笑んで、ちょっと意識するようなことを口にする。ズルイ。無駄に顔が良いから、心の中の俺がまた困っているっていうのに、海野さんは気にしない。ようやく今日来た目的を思い出し、言うぞ! と俺はようやく口を開いた。
「海野さんが」
「うん? 俺がどうしたの」
「海野さんが、俺の事口説いてるんじゃないかって思って……それで……」
ようやく言えたと思ったのに、海野さんも黙って急に静かになる室内。俺は言ったんだ、頼む、何か返事をしてくれ。
『あははっ! 水野さん、そんな風に思ってたの?』とか、なんとか言って、笑ってこの妙な空気を消し去ってくれ。そう思ったのに。
「あの、海野さん?」
本当に何か言ってくれ。こんな沈黙、田中さんが言った通りに、俺が口説かれていたと肯定するみたいじゃないか。違うよな? な? と、黙ったままの海野さんに、返事を促した。ゆっくりと開いた口から、明るい声が漏れる。
「やっと気づいた? うん、口説いてたよ? いや、この場合今もずっと現在進行形で口説いてるって言った方が良いのかな?」
「は……?」
何だそれ? え、口説いて??
ドキドキドキ。
(こんなの、まる海野さんが俺のことを好きみたいじゃないか)
ドキドキドキ。
待て待て、ちょっと、本当に待て!
「ぇ、あ……え??」
上手く言葉がまとまらない。困惑する声しか出ない俺に、海野さんが言葉を続けた。
「うーん、これでも伝わらないかぁ……」
はーっ……と海野さんがひじをついて頭をガシガシとかく。動作一つでも様になるんだから、イケメンって本当にズルイ。それから再び顔を上げ、いつか見た普段と違う眼差しになった。
「水野さん」
「ハイ」
思わずまたカタコトだ。椅子に座りなおした海野さんが、真面目な表情を浮かべる。それでいて、眼差しはどこか甘い。
「俺、水野さんのこと好きなんだ」
「すっ……!?」
(今、好きって言った!?)
つまり、俺って今! 告白されてる!?
誰か教えてくれ! と思ったが、教えてくれるのは、目の前にいる海野さんだけだ。
「うん。一目惚れってやつ。だから、ここ数日お店に来なかった時は、正直不安だったんだ。もしかしたら、俺の作る弁当以外に美味しいお店を見つけたのかな、とか。最初は忙しいんだって言い聞かせてたけど、やっぱり色々考えて。これなら、気持ちだけでも。早く告白しとけば良かったなぁって、思ってたりしたんだよ」
「は? え? す??」
は? え? 好き??(心の声と、たいして言葉が変わらないな?)
口説かれているかもと思ったが、まさか本当に口説かれていたなんて。しかも、告白までされるだなんて。
(こんなの、予想外過ぎてどうしたらいいんだ)
ただ不思議と、嫌ではない自分がいた。
*******
すみません。今日で終わりませんでした!
次、多分短いです
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