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33】胃袋だけじゃなくて【最終話】
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33】【終】胃袋だけじゃなくて
人生で初めて、告白されてる。しかも、イケメンな同性に。
今どうなっているんだ? と、内容を整理しつつ、変わらず分かっていることはコレだ。分からないのは、俺の気持ちと、どう返事をしたら良いのかってこと。人生初の告白に、恋愛経験0の俺は慌てるばかりだ。顔色一つ変えずに、口説いているだの好きだと言う海野さん。
「は? え? す??」
は? え? 好き??(心の声と、たいして言葉が変わらないな?)
口説かれているかもと思ったが、まさか本当に口説かれていたなんて。ただ不思議と、嫌ではない自分がいた。
(好きがイマイチよく分からないって言ってたのに)
ようやく落ち着いてきた俺は、またムッと唇を尖らせる。
「海野さん、俺と同じで好きってイマイチよく分からないって言ってたじゃん」
何で、告白してるんだろうとか。何で、相手が俺なんだろうとか。不思議なことが沢山あった。対して海野さんは、言葉に詰まることなく答える。
「あれ? 俺、匂わせ残した感じだったんだけどな。まぁ確かに……前は、好きってイマイチよく分からなかったよ。でも、水野さんに対しては違ったみたい。俺は、水野さんのことが好きだよ。じゃなきゃ、こんなに不安にならないし……水野さんは、俺の初恋ってこと」
「……俺が海野さんの初恋」
ちょっと嬉しいかも? なんて思ってしまうわけで。(チョロ過ぎるぞ! 俺!)
「っていうか、俺ばっかり慌ててるし」
全部俺ばっかりだ。
俺ばっかりドキドキして。俺ばっかり、慌ててる。
「そんなことないよ。これでも俺、結構心臓バクバクだし。内心焦りまくってる」
「本当?」
「本当」
海野さん、俺に告白して心臓バクバクしてるんだ。意外だ。
「無理にとは言わないけど、付き合って貰えたらいいなとか。この気持ちが実れば良いなって思ってるけど。もし駄目だったとしても友達のままではいて欲しいな、なんて」
ドキドキドキ。
ドキドキドキ。
「友達のまま……」
友達のままなら、変わらずこの関係でいられる。でも、好きだと告白された以上、俺が海野さんの特別になったら? 恋人同士という関係になったら?
「凄く不安だったけど、また来てくれたってことはさ。俺の作戦は成功してたのかな?」
「作戦……?」
「そ。名付けて胃袋掴み作戦。良く言うでしょ? 胃袋を掴めって」
「なっ……!」
「水野さん、俺の作る料理好きでしょ? だから毎日来てくれてたんでしょう?」
「それは……そうだけど……」
ドキドキドキ。
「けど?」
ドキドキドキ。
「弁当もだけど、俺は海野さんにも会いたかったんだと思う……」
「えっ!?」
自分でも何を言っているだと思う。けど、きっと俺も初恋なんだろう。好きだと言われて嬉しいのは変わらない。つい「俺も」と口に出しそうな衝動だってある。
だがそれよりも早く、ガタン! と海野さんが立ち上がりながら驚いたかと思えば、顔が近づいて来て────。
ちゅっ。
頬に触れる柔らかな感触を感じた。それから、両頬を痛くない力で捕まれた。
「それって、水野さんも俺のこと好きってこと?」
「………………うん」
「嬉しい」
そう言った海野さんの顔が再び近づいて来て、俺も海野さんもそっと瞳を閉じて。今度は頬に感じた柔らかな感触を、唇に感じたのだった。
■胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?■
(胃袋だけじゃなくて、きっと心も身体も海野さんに捕まれてたんだと思う)
******
更新しました。久しぶりの健全でしたが、とりあえず完結できてよかったです。
お気に入り、コメントとても嬉しかったです。有難うございました
またお会いできましたら幸いです
人生で初めて、告白されてる。しかも、イケメンな同性に。
今どうなっているんだ? と、内容を整理しつつ、変わらず分かっていることはコレだ。分からないのは、俺の気持ちと、どう返事をしたら良いのかってこと。人生初の告白に、恋愛経験0の俺は慌てるばかりだ。顔色一つ変えずに、口説いているだの好きだと言う海野さん。
「は? え? す??」
は? え? 好き??(心の声と、たいして言葉が変わらないな?)
口説かれているかもと思ったが、まさか本当に口説かれていたなんて。ただ不思議と、嫌ではない自分がいた。
(好きがイマイチよく分からないって言ってたのに)
ようやく落ち着いてきた俺は、またムッと唇を尖らせる。
「海野さん、俺と同じで好きってイマイチよく分からないって言ってたじゃん」
何で、告白してるんだろうとか。何で、相手が俺なんだろうとか。不思議なことが沢山あった。対して海野さんは、言葉に詰まることなく答える。
「あれ? 俺、匂わせ残した感じだったんだけどな。まぁ確かに……前は、好きってイマイチよく分からなかったよ。でも、水野さんに対しては違ったみたい。俺は、水野さんのことが好きだよ。じゃなきゃ、こんなに不安にならないし……水野さんは、俺の初恋ってこと」
「……俺が海野さんの初恋」
ちょっと嬉しいかも? なんて思ってしまうわけで。(チョロ過ぎるぞ! 俺!)
「っていうか、俺ばっかり慌ててるし」
全部俺ばっかりだ。
俺ばっかりドキドキして。俺ばっかり、慌ててる。
「そんなことないよ。これでも俺、結構心臓バクバクだし。内心焦りまくってる」
「本当?」
「本当」
海野さん、俺に告白して心臓バクバクしてるんだ。意外だ。
「無理にとは言わないけど、付き合って貰えたらいいなとか。この気持ちが実れば良いなって思ってるけど。もし駄目だったとしても友達のままではいて欲しいな、なんて」
ドキドキドキ。
ドキドキドキ。
「友達のまま……」
友達のままなら、変わらずこの関係でいられる。でも、好きだと告白された以上、俺が海野さんの特別になったら? 恋人同士という関係になったら?
「凄く不安だったけど、また来てくれたってことはさ。俺の作戦は成功してたのかな?」
「作戦……?」
「そ。名付けて胃袋掴み作戦。良く言うでしょ? 胃袋を掴めって」
「なっ……!」
「水野さん、俺の作る料理好きでしょ? だから毎日来てくれてたんでしょう?」
「それは……そうだけど……」
ドキドキドキ。
「けど?」
ドキドキドキ。
「弁当もだけど、俺は海野さんにも会いたかったんだと思う……」
「えっ!?」
自分でも何を言っているだと思う。けど、きっと俺も初恋なんだろう。好きだと言われて嬉しいのは変わらない。つい「俺も」と口に出しそうな衝動だってある。
だがそれよりも早く、ガタン! と海野さんが立ち上がりながら驚いたかと思えば、顔が近づいて来て────。
ちゅっ。
頬に触れる柔らかな感触を感じた。それから、両頬を痛くない力で捕まれた。
「それって、水野さんも俺のこと好きってこと?」
「………………うん」
「嬉しい」
そう言った海野さんの顔が再び近づいて来て、俺も海野さんもそっと瞳を閉じて。今度は頬に感じた柔らかな感触を、唇に感じたのだった。
■胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?■
(胃袋だけじゃなくて、きっと心も身体も海野さんに捕まれてたんだと思う)
******
更新しました。久しぶりの健全でしたが、とりあえず完結できてよかったです。
お気に入り、コメントとても嬉しかったです。有難うございました
またお会いできましたら幸いです
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初めまして!
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初めまして(^^)
コメント有難うございます。とても嬉しいです(^^)
ほのぼの…!有難うございます。なかなか進展しないなぁと思っていなので、そういって頂けて嬉しいです(^^)