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8】やっぱり距離感が近くないか?
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8】やっぱり距離感が近くないか?
「おはようございます。吹雪のマネージャーの高橋です。本日は宜しくお願い致します」
「おはようございます、吹雪です。宜しくお願いします」
「吹雪様の控室はあちらになります。今回の衣装も準備されているそうですので、確認をお願い致します」
「有難うございます。じゃあ、吹雪は控室へ……」
「夏希さん」
車を出て、二人でまずは受付へ。受付で名前を名乗れば、控室を案内された。受付の女性は、吹雪の方を見て「あ……!」という表情を浮かべたのが分かった。分かる。ラフなのに顔が良くてびっくりしますよね、と言いたくなったがお互いに仕事中なのでそつなくこなす。
「まだ予定より十分お時間がありますので」
「はい」
早くついて、まだ時間には十分余裕がある。吹雪は控え室が準備されていて、衣装の準備もあるだろう。俺はどうしようか……先にスタジオに入って関係者に挨拶しておこうかと思ったが、吹雪が「夏希さん」と声をかけた。
「うん?」
「夏希さんも、俺の控え室にいたらいいじゃないですか」
控え室はあっちだぞ? と小首を傾げる俺に、吹雪が平気でそんなことを言った。
(吹雪と! 二人きり!?)
しかも何だ。また何か俺、変なこと言いました? みたいな顔で言ってくる。本人は真面目な顔だ。俺はマネージャーだから、別に吹雪の控え室に一緒にいるのはおかしな話ではないんだけれど。
「俺が一緒でいいのか? 撮影まで、ゆっくりしたいだろう?」
「俺は、夏希さんと一緒にいたいです」
(ふ……吹雪……!)
やっぱり吹雪の距離感が近くないか? と内心焦る。落ち着け、俺。きっと吹雪は専属のマネージャーが初めてだろうし、距離感が近いだけなんだ。うんうん。
「まぁ……吹雪が良いなら、良いけど……。一人になりたい時は、素直に言うんだぞ?」
「はい。じゃあ、行きましょう?」
「~~っ!」
(本当さぁ! 何なんだよ……!)
顔が良すぎるうえに、何だか可愛いんだが?!?!
「夏希さん?」
「……」
「もしかして、またドキドキしてくれました?」
「大人を揶揄うもんじゃない!」
「俺も大人なんですけど?」
「そうだったな。じゃあ、衣装の確認と今日の簡単な打ち合わせをしよう。俺は少し早くスタジオに入って皆さんに挨拶するつもりだから」
「分かりました」
コクリと頷いた吹雪と一緒に歩き、「吹雪様」と書かれた控え室に俺も入った。準備されている衣装は数着あった。サイズは事前に確認済みらしいから、大丈夫だろう。細身のパンツに、光沢のある衣服から、普段風のカジュアルの物まで。女性誌の特集で、デートするなら! といったテーマらしく、カメラマンと依頼内容の簡単なメモには、好きな人をドキリとさせるような撮影がしたいとあった。(結構な熱量だな)
「吹雪、今日の撮影のテーマは簡単に知っていると思うけどデートをイメージしている。カメラ越しに彼女がいるイメージで撮影したら、気持ちが乗りやすいかもな」
「それなら大丈夫です」
何とも心強い発言だ。これは撮影がスムーズに行くぞと思った。何で? と聞くのはやめておいた。
*******
お気に入り・イイネ有難うございます
「おはようございます。吹雪のマネージャーの高橋です。本日は宜しくお願い致します」
「おはようございます、吹雪です。宜しくお願いします」
「吹雪様の控室はあちらになります。今回の衣装も準備されているそうですので、確認をお願い致します」
「有難うございます。じゃあ、吹雪は控室へ……」
「夏希さん」
車を出て、二人でまずは受付へ。受付で名前を名乗れば、控室を案内された。受付の女性は、吹雪の方を見て「あ……!」という表情を浮かべたのが分かった。分かる。ラフなのに顔が良くてびっくりしますよね、と言いたくなったがお互いに仕事中なのでそつなくこなす。
「まだ予定より十分お時間がありますので」
「はい」
早くついて、まだ時間には十分余裕がある。吹雪は控え室が準備されていて、衣装の準備もあるだろう。俺はどうしようか……先にスタジオに入って関係者に挨拶しておこうかと思ったが、吹雪が「夏希さん」と声をかけた。
「うん?」
「夏希さんも、俺の控え室にいたらいいじゃないですか」
控え室はあっちだぞ? と小首を傾げる俺に、吹雪が平気でそんなことを言った。
(吹雪と! 二人きり!?)
しかも何だ。また何か俺、変なこと言いました? みたいな顔で言ってくる。本人は真面目な顔だ。俺はマネージャーだから、別に吹雪の控え室に一緒にいるのはおかしな話ではないんだけれど。
「俺が一緒でいいのか? 撮影まで、ゆっくりしたいだろう?」
「俺は、夏希さんと一緒にいたいです」
(ふ……吹雪……!)
やっぱり吹雪の距離感が近くないか? と内心焦る。落ち着け、俺。きっと吹雪は専属のマネージャーが初めてだろうし、距離感が近いだけなんだ。うんうん。
「まぁ……吹雪が良いなら、良いけど……。一人になりたい時は、素直に言うんだぞ?」
「はい。じゃあ、行きましょう?」
「~~っ!」
(本当さぁ! 何なんだよ……!)
顔が良すぎるうえに、何だか可愛いんだが?!?!
「夏希さん?」
「……」
「もしかして、またドキドキしてくれました?」
「大人を揶揄うもんじゃない!」
「俺も大人なんですけど?」
「そうだったな。じゃあ、衣装の確認と今日の簡単な打ち合わせをしよう。俺は少し早くスタジオに入って皆さんに挨拶するつもりだから」
「分かりました」
コクリと頷いた吹雪と一緒に歩き、「吹雪様」と書かれた控え室に俺も入った。準備されている衣装は数着あった。サイズは事前に確認済みらしいから、大丈夫だろう。細身のパンツに、光沢のある衣服から、普段風のカジュアルの物まで。女性誌の特集で、デートするなら! といったテーマらしく、カメラマンと依頼内容の簡単なメモには、好きな人をドキリとさせるような撮影がしたいとあった。(結構な熱量だな)
「吹雪、今日の撮影のテーマは簡単に知っていると思うけどデートをイメージしている。カメラ越しに彼女がいるイメージで撮影したら、気持ちが乗りやすいかもな」
「それなら大丈夫です」
何とも心強い発言だ。これは撮影がスムーズに行くぞと思った。何で? と聞くのはやめておいた。
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