【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】

彩華

文字の大きさ
3 / 17

3】今日は良い日

しおりを挟む
3】今日は良い日

朝。太陽の光が段々と明るく頃。平和な街中も、少しずつ賑わい出す。店の並ぶ道を抜け、大きな城の門を抜け。向かったのは、自身の職場。動きやすい服装に、動きやすい靴。それから、健康的な自身の身体。
よし! と意気込み、今日も訓練場に脚を踏み入れた。

「はよーっす」

おはようございます、なんて丁寧な言葉は照れ臭い。それに、この場所には少々似合わない。

「おぅ、トーマ。遅刻しなかったんだな」

ははっ、と笑いながらやって来たのは、昨日俺の隣で飲んでいた親父だ。

「当たり前だろ。俺だって、立派な大人で騎士団員だからな。毎日の訓練をサボったりしないんだよ」

「本当は、アラン様に会いたくて来てるくせに」

「うぐっ!」

「お前の入団希望理由も、アラン様アラン様アラン様。すげぇアラン様連呼だったからなぁ……ああ、今もか」

確かに。俺の入団志望理由の回答は、アラン様のようになりたいだとか、アラン様を連呼した自覚は自分でもある。

「だ~~っ! もう! それは、もう良いだろ! 皆して、そればっかり言い過ぎなんだよ」

「はいはい。悪かったよ。良い情報教えてやるから、機嫌を直せよ。な?」

「何だよ」

少しだけブスッと頬を膨らませながら、もう怒ってはいないが怒っていますよアピール。だが、そんな俺の様子など親父が気にするはずもない。あー、はいはいと言いながら、言った。

「今日、アラン様いらっしゃるぜ」

「ほんとか!」

ついうっかり、城と繋がる入り口を見つめてしまうが、まだ訓練の始まる時間でもない。

「お前、本当にアラン様のことが好きなんだな」

俺の行動の速さに、やれやれと呆れる親父。その横を取った別の連中も、「トーマ。今日アラン様いらっしゃるぞ」と教えてくれる。(優しいのか、揶揄いたいのか。どっちなんだ)

「あ……っ、憧れているからな!!」


今日は一段と気合を入れるぞ思い、腕をブンブンと回していると「アラン様!」と声がした。


「アラン様、おはようございます」
「アラン様、まだ開始まで時間はありますよ」
「おはようございます、アラン様!」


親父たちが、丁寧な言葉で話す。その声掛けに、「ふふっ」と笑う声は柔らかな声。

コツッ……と姿勢良く歩く姿は、アラン様本人。
長い髪を一つに括り、さらりと後ろの髪が揺れる。綺麗な顔が、微笑むと可愛く見えるから不思議だ。身体だって、どちらかといえば細身だというのに誰よりも強い。

「あ……アラン様―!」

ブンブンと手を大きく振って、俺はココです! と主張すれば声に気づいたアラン様が俺の方を向いて笑った。

「おはよう、トーマ。いつも元気だな」

「はい!」

アラン様に会えたら俺、すげぇ元気が出るんでなんて言葉は言えなかった。

(今日は、良い日だぞ!)

******
此方も見切り発車で始めてしまったせいで、既に詰みました(´;ω;`)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。

明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。 新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。 しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…? 冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

無愛想な氷の貴公子は臆病な僕だけを逃さない~十年の片想いが溶かされるまで~

たら昆布
BL
執着ヤンデレ攻め×一途受け

ハッピーライフのために地味で根暗な僕がチャラ男会計になるために

ミカン
BL
地味で根暗な北斗が上手く生きていくために王道学園でチャラ男会計になる話 ※主人公へのいじめ描写ありのため苦手な方は閲覧ご注意下さい。

異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!

めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈ 社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。 もらった能力は“全言語理解”と“回復力”! ……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈ キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん! 出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。 最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈ 攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉ -------------------- ※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

処理中です...