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5】暫く卒業できそうにない
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5】暫く卒業できそうにない
「トーマよぉ。お前、いい加減卒業したらどうだ?」
場所は、いつもの酒場。またむさ苦しい男所帯で、中途半端に酔った親父に囲まれている俺。(ああ、アラン様がこの場所にいてくれたらなぁ……)
何度かアラン様に一緒に飲みましょう! と誘ってはいるが、騎士団長ともなれば忙しいのは当然で。申し訳なさそうに、「また今度誘ってくれ」と、本当に申し訳なさそうな顔をで返事をされる日々。
「あ? 卒業? 俺はまだガキだって言いたいのは分かるけどよ、学校に通う程のガキじぇねぇよ?」
何の「卒業」かなんて、分かっている。分かっているが、ワザとはぐらかすように返事した。理由は簡単だ。もう何度も言われていること。何度もそれを断っているというのに、親父たちときたら俺を心配してか、何度も話しかけて来る。
「その卒業じゃねぇって」
ほらな。また「そっち」の卒業の話だ。もう耳にタコが出来ちまってる。正直、放っておいて欲しい気持ちが強くなりつつある今日この頃。
「あー……。もう、そっちの卒業の話は良いって言ってんだろ~」
ゴクッ、とまた頼んだ酒を飲みながら親父に返事をした。そのまま話を逸らそうと、「今日の訓練はさ」なんて会話を振ってみたが、駄目だったらしい。
「良くねぇよ~。俺なんてさ、もうお前さんよりガキの頃には操業してたんだぜ?」
「なんだぁ? またトーマに、その話をしてんのかよ?」
(頼む~! 連れて行ってくれ~!)
思わず出て来た別の親父に、助け船か? と期待してしまう。だが悲しいかな。別にやって来た親父も、俺の隣にドカンと酒を片手に座り込み。
「そうだぜ、トーマ。童貞を卒業したらどうだ?」
な? と俺に提案するように言った。
「いや、俺は別に……」
「だってよぉ。まだ童貞なんだろう? チェリーなんだろう?」
「うるせぇなぁ。良いだろ。別に」
これだ。
確かに、俺は親父たちがいうように童貞だ。仕方がない。だって俺は、恋だと自覚した初恋は、アラン様が最初。それが現在進行で続いているわけで。
(そりゃあ、女の人の柔らかい身体が嫌いなわけじゃない)
だが、やっぱりそういうことは好きな人としたい。それに、自分に気持ちがないのに、行為に及ぶのは失礼だ。
(それに……正直勃たないんだよなぁ……)
これが、そもそもの大前提。この前朝からアラン様に会えた時は嬉しさと、アラン様の良い匂いに反応し。自身の身体の熱を誤魔化そうと必死だったが、異性に対してはどうだろう? そりゃあ、柔らかな膨らみが嫌いなわけじゃないが、それよりも「アラン様」に反応するようになってしまったんだ。
(正直。自分でする時のオカズも、何年もアラン様だし)
ガクッ、と力なく机に伏した俺に、親父たちは言葉を続ける。だがその声色は、急に気を遣ったようなものへと変わった。
「はっ……! もしかしてトーマ。お前……」
何だか嫌な予感がする。絶対ろくでもない勘違いをしているに違いない。
「お前、もしかして小さいのか?」
「違うわ!」
「じゃあ、不感症なのか?」
「それも違うわ!!」
あ~~~~~~! もう!!
ツッコミを入れるように、伏した頭を一気に上げ。自分の名誉? のために親父たちの心配を否定した。
「じゃあ、トーマ。何でお前は童貞のままなんだ?」
「うるせぇ!」
ずっと片思いしてんだよ! とは言えず。
また酒を片手に持って、一気に。今度こそ、やけ酒をしたのだった。
(あ~~。また暫く卒業できそうにないな)
(……もしかして、一生童貞なのか? 俺)
*******
え~ん。詰みました
また軽率に別の連載始めそうです。もし始めたら見て頂けると幸いです
「トーマよぉ。お前、いい加減卒業したらどうだ?」
場所は、いつもの酒場。またむさ苦しい男所帯で、中途半端に酔った親父に囲まれている俺。(ああ、アラン様がこの場所にいてくれたらなぁ……)
何度かアラン様に一緒に飲みましょう! と誘ってはいるが、騎士団長ともなれば忙しいのは当然で。申し訳なさそうに、「また今度誘ってくれ」と、本当に申し訳なさそうな顔をで返事をされる日々。
「あ? 卒業? 俺はまだガキだって言いたいのは分かるけどよ、学校に通う程のガキじぇねぇよ?」
何の「卒業」かなんて、分かっている。分かっているが、ワザとはぐらかすように返事した。理由は簡単だ。もう何度も言われていること。何度もそれを断っているというのに、親父たちときたら俺を心配してか、何度も話しかけて来る。
「その卒業じゃねぇって」
ほらな。また「そっち」の卒業の話だ。もう耳にタコが出来ちまってる。正直、放っておいて欲しい気持ちが強くなりつつある今日この頃。
「あー……。もう、そっちの卒業の話は良いって言ってんだろ~」
ゴクッ、とまた頼んだ酒を飲みながら親父に返事をした。そのまま話を逸らそうと、「今日の訓練はさ」なんて会話を振ってみたが、駄目だったらしい。
「良くねぇよ~。俺なんてさ、もうお前さんよりガキの頃には操業してたんだぜ?」
「なんだぁ? またトーマに、その話をしてんのかよ?」
(頼む~! 連れて行ってくれ~!)
思わず出て来た別の親父に、助け船か? と期待してしまう。だが悲しいかな。別にやって来た親父も、俺の隣にドカンと酒を片手に座り込み。
「そうだぜ、トーマ。童貞を卒業したらどうだ?」
な? と俺に提案するように言った。
「いや、俺は別に……」
「だってよぉ。まだ童貞なんだろう? チェリーなんだろう?」
「うるせぇなぁ。良いだろ。別に」
これだ。
確かに、俺は親父たちがいうように童貞だ。仕方がない。だって俺は、恋だと自覚した初恋は、アラン様が最初。それが現在進行で続いているわけで。
(そりゃあ、女の人の柔らかい身体が嫌いなわけじゃない)
だが、やっぱりそういうことは好きな人としたい。それに、自分に気持ちがないのに、行為に及ぶのは失礼だ。
(それに……正直勃たないんだよなぁ……)
これが、そもそもの大前提。この前朝からアラン様に会えた時は嬉しさと、アラン様の良い匂いに反応し。自身の身体の熱を誤魔化そうと必死だったが、異性に対してはどうだろう? そりゃあ、柔らかな膨らみが嫌いなわけじゃないが、それよりも「アラン様」に反応するようになってしまったんだ。
(正直。自分でする時のオカズも、何年もアラン様だし)
ガクッ、と力なく机に伏した俺に、親父たちは言葉を続ける。だがその声色は、急に気を遣ったようなものへと変わった。
「はっ……! もしかしてトーマ。お前……」
何だか嫌な予感がする。絶対ろくでもない勘違いをしているに違いない。
「お前、もしかして小さいのか?」
「違うわ!」
「じゃあ、不感症なのか?」
「それも違うわ!!」
あ~~~~~~! もう!!
ツッコミを入れるように、伏した頭を一気に上げ。自分の名誉? のために親父たちの心配を否定した。
「じゃあ、トーマ。何でお前は童貞のままなんだ?」
「うるせぇ!」
ずっと片思いしてんだよ! とは言えず。
また酒を片手に持って、一気に。今度こそ、やけ酒をしたのだった。
(あ~~。また暫く卒業できそうにないな)
(……もしかして、一生童貞なのか? 俺)
*******
え~ん。詰みました
また軽率に別の連載始めそうです。もし始めたら見て頂けると幸いです
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