あとから正ヒロインが現れるタイプのヒーローが夫だけど、今は私を溺愛してるから本当に心変わりするわけがない。

柴田

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7話

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 ディートリヒからゆっくり唇を重ね、舌を絡める。がっついてしまいそうになるのを理性で押しとどめ、優しくやさしく狭い口内を撫でた。
 震えるフィーナを安心させるように、手のひらであちこちに触れていく。頬、肩、腕、腰に触れ、やがてディートリヒの手はフィーナの胸を包み込んだ。
 柔らかな感触に高鳴る胸の音を耳の奥で聞きながら、ディートリヒは優しくフィーナの胸を揉みしだく。

「……んっ、……手、が」
「嫌か?」
「いえ、……あの、手が大きくて、……驚いてしまって」

 そこまで口にして、フィーナはハッとする。アレクセイと比べていると受け取られかねない発言をしたことに気がついたからだ。
 ディートリヒの手は大きくて、騎士のように指が節くれだっている。ただ男らしくて素敵な手にドキドキすると言いたかっただけなのに。

 動きが止まってしまったディートリヒの手を取り、フィーナはその手のひらに唇を寄せる。
 この手が好きだ。いつもフィーナを大切に扱ってくれる。触れたら壊れてしまうとでも思われているのか、ディートリヒはいつもくすぐったいくらいの力加減でフィーナに触ることが多かった。

「ディートリヒ様の手が好きです……」

 大きな手のひらに口づけを数度して、長い指を舐め上げる。もっとこの手に触れてほしい。もっとこの手に乱されたいと、フィーナは指の先を口に含んだ。

「……っ、はぁ、フィーナ……そんなことをして煽らないでくれ」
「もっと、触ってください……」

 欲情して濡れた瞳に請われ、ディートリヒは息を詰める。フィーナがほかでもない自分を求めていることが伝わってきて、腰がズンと重くなった。
 フィーナの唾液に濡れた指で、ネグリジェのリボンを解く。肩紐を落としネグリジェを脱がせ、ディートリヒはフィーナをそっとベッドに押し倒した。

「私の理性を試しているのか?」

 ディートリヒは低く唸りながらフィーナの胸に再び手を伸ばし、薄く色づいた胸の先を指の腹で撫でた。フィーナの反応を確認しながら乳首をさすり、きゅ、とつまむ。途端に漏れる甘い声に、ディートリヒの息も荒くなっていった。

「気持ちいいか?」
「あっ、……きもち、いです」

 恥ずかしそうに答えるフィーナに少し申し訳なくなるが、彼女がどう感じているのかちゃんと確認しないとディートリヒは不安だった。

「こういう行為をするのはとても久しぶりだから……上手くできなかったらすまない」

 皇后と離婚してから、女性はおろかそういう行為からも遠ざかっていたのだと知りフィーナは驚いた。
 火照ったディートリヒの顔を見ていると、先ほどまで感じていたはずの余裕が勘違いだったと気づく。ディートリヒもまた自分と同じく緊張しているのだとわかって、フィーナは安心した。

「大丈夫です……ディートリヒ様に触れられるところ、全部きもちいい……ので」
「……はあ、そなたは本当に……」

 何かを言いかけてやめると、ディートリヒはフィーナの胸に顔を埋めた。指先で愛撫するうちに硬くなった乳首を舐める。もう片方の乳首は指で可愛がられ、フィーナは感じ入った声を上げた。
 上手くできないかもしれないことを不安がっていたくせに、ディートリヒの愛撫は巧みだ。無骨な指なのに絶妙な力加減で乳首をこね、また舐める舌の動きもフィーナを翻弄した。

「ん、ん……っ、あ、……ふ、う」

 胸を愛撫されているうちに、太腿の間がじわりと濡れていく。一日中ずっと期待に疼いていたそこは、早くもディートリヒの寵愛を欲していた。
 反対の乳首を食みながらディートリヒの片手が下へ伸びていくのを見て、フィーナは息を弾ませた。ディートリヒの指が秘裂をなぞったのと同時に、一際高い声がこぼれる。

「あぁっ!」
「すごいな……もうここをこんなに濡らして、触れられるのを待っていたのか?」
「あっ、あっ、くちゅくちゅしないで、くださ……っ、ひう!」

 濡れた秘裂を往復した指が、愛液をまとったまま陰核に触れる。
 しとどに濡れた秘所に、ディートリヒは頭の中が沸騰しそうになるのを感じていた。どうにか気を落ち着けると、硬くなった陰核をにゅりにゅりと撫で回す。

「あ、だめっ……イく……!」

 びくっと全身を跳ねさせて達したフィーナは戸惑っていた。あまりにも早い絶頂に驚いたのだ。まだ身体が快感に震えている。たった今解放したはずの快感が、内側にまだじっとりと燻っているのがわかり恐ろしくなった。

「ディートリヒ様……っ、だ、めぇ」

 乱れるフィーナを見下ろしながら、ディートリヒはゆっくり下方へと移動した。
 フィーナの両脚を開かせて、愛液を溢れさせる秘所に顔を寄せる。絶頂にひくひくと震える陰核にそっと舌を伸ばした。つ、と舌先が触れる。それだけでフィーナが声を漏らしたことに興奮を隠しきれないまま、ディートリヒは彼女を見つめながら舌の表面で陰核をねっとりと舐め上げた。

「あっ……!」

 びく、びく、とフィーナの太腿が跳ねる。どうやらまた達したようだ。
 あまりにも快感に弱いフィーナの淫らな様子を前にして、ディートリヒはケモノのような欲望を強い意思で押し殺さねばならなかった。
 ディートリヒは舌と唇での優しい愛撫を続ける。
 既にディートリヒの股間は痛いほど張り詰めていて、フィーナの見えないところではガウンが不自然に盛り上がっていた。

「そん、なところ……っ、舐めちゃ、……やぁ、あ!」

 まるで初めての経験かのように言われ、ディートリヒは一瞬、アレクセイはしてくれなかったのか? と聞いてしまいそうになる。

 今フィーナの夫であるのは自分なのに、ほかの男にどう抱かれたのか気になってしまう自分にディートリヒは嫌気が差した。
 ディートリヒは自身が嫉妬深い性格だということをよく理解している。だからこそ、その重さをフィーナに負担と思われないよう隠していたかった。

 フィーナへの想いを死ぬまで抱えていこうと考えていた、かつての自分の我慢強さがディートリヒにも信じられない。手に入ってしまった今、フィーナへの愛と欲望は膨らむばかりだった。
 蜜を溢れさせる膣口をすすり、舌を入れてみる。中は熱くて、とろけるような心地だった。

(……早く入りたい……)

 本能と戦いながら舌を引き抜き、陰核に吸いつきつつ今度は中へ指を一本入れる。狭くも柔らかい隘路はディートリヒの指を甘く食い締め、奥へ誘うような動きを見せた。
 根元まで入れてみると、指先に子宮口が触れる。こりこりとそこを弄れば、フィーナはディートリヒの頭を太腿で挟み込みびくびくと全身を震わせた。

「は、ぁ……っ、わたくし、また……ぁ、あ、指、長い……」
「フィーナ……かわいいね」

 顔を挟む内腿に口づけて、指を二本に増やす。狭い膣口には指二本でも精一杯に見えて、ディートリヒはそこを丁寧に、丹念に解した。

 フィーナは息も絶え絶えに、度々達しては弱々しい声を上げる。
 少しの痛みも与えたくないと指と舌で奉仕した結果、フィーナは怒涛のように押し寄せる快感に溺れ、今にも沈んでしまいそうだった。

「……ふ、う……っぁ、……ディート、リ……さま」
「フィーナ?」

 切実な声で呼ばれ、ディートリヒは彼女の中から指を引き抜いた。太い指が二本抜け出ていく感触にさえフィーナは絶頂に押し上げられてしまう。ディートリヒがフィーナの顔を覗き込んだときにはもう、意識朦朧とした状態だった。
 とろんとした目は今にも閉じてしまいそうだ。

 気絶する寸前の自分の状態に気がついたフィーナは「申し訳ございません」と途切れ途切れに言い終えると、とうとう瞼を閉じてしまった。
 眠ってしまったフィーナの額に口づけ、ディートリヒは寝顔さえも愛らしい妻に微笑んだ。

「今日は式にパーティーにと疲れただろうに、無理をさせてしまったな……」

 確かに多少の疲労はあったものの、気絶の原因はほとんどディートリヒの愛撫のせいだということは、本人だけが気づいていなかった。

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