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ep.24
しおりを挟む――グレイスはあの手この手でアーサーを絶頂に追いやろうとしたが、アーサーは1時間もそれに耐えきったのだった。
本当のところ、イっているのかイっていないのかもわからないほどの快感が下半身を渦巻いている。グレイスの蜜壺は乾くこともなくずっとアーサーの陰茎を犯していた。腹筋が引き攣れ、太腿も痙攣したように震えている。アーサーはもう限界だった。
「アーサー、もう出してしまいたいでしょう?」
「……ふ、うっ」
「わたくしの中でぎゅーっと締めつけられたまま、奥にいっぱい、種付けしたいでしょう?」
「は、……っ……!」
「出してしまいなさいよ、アーサー」
「ん……、ふぅ……、っく、うゔ……!」
「出しちゃえ、出しちゃえっ……! パパになっちゃえ!」
「~~~~ッ!」
アーサーがまた耐えきると、ひっきりなしに部屋に響いていた淫らな水音が途端にやんだ。
陰茎を奥まで飲み込んだまま動かなくなったグレイスに、アーサーは朦朧とした意識を引きずり上げる。うつむいてしまったグレイスを見上げた。
「……っ!?」
グレイスは目にいっぱい涙を溜めていて、それからわんわんと泣き出してしまった。
「……っなんで! なんで出してくれないの? わたくしじゃイけない? 魅力がない? わたくしとっ、……わたくしと結婚するの、そんなにいやだった? どうせお父様に、……ス、スカーレットと結婚しなさいって言われたんでしょう? わたくしのことなんかお嫁さんにしてくれないんでしょ……!?」
「――――!」
うわーん! と泣いてやっと本音を吐き出したグレイスに、アーサーは目を見開いた。グレイスがこのような行動に出た理由に合点がいき、自分の過ちを悔いる。
もっと早くグレイスに気持ちを伝えていれば良かった。幼い頃から強がってばかりいたけれど、本当は人一倍寂しがりやで、傷つきやすくて、愛情に飢えていることをアーサーが一番理解してあげていたはずなのに。
自分はグレイスを手に入れるための土台作りにばかり目を向けて、肝心のグレイスの心をなおざりにしていたことに今更気がついた。
グレイスがこのような行動に出たときに、すぐ拘束なんて解いて彼女を抱き締めてあげていれば良かった。いいや、こんなことをしようと思いつく前にちゃんと不安を拭ってあげなければならなかった。彼女はいつだって、思い込んだら突っ走ってしまうのだから。
アーサーは手首の拘束を引き千切り、それから足のロープも口枷も剥ぎ取った。
いとも容易く拘束から逃れたアーサーを見て、さすがに泣きじゃくっていたグレイスも言葉をなくして硬直する。そして怒られるとでも思ったのか、グレイスは下唇を噛み締めて顔をくしゃりと歪めた。
「……あっ」
自由になった腕で、アーサーはグレイスを強く抱き締める。なんて小さく、細い肩だろうか。こんなにも華奢な身体で、アーサーを繋ぎ止めておこうと必死だったのを思うと、自分を殴りつけたくて仕方ない。
「……姫様」
「あーさぁ……っ」
「姫様、愛しています。私はあなたを愛しています」
「うそよ……、そんなのうそ……」
だって、スカーレットと結婚するって噂を聞いたもの。
グレイスは頑なで、アーサーの言葉を聞き入れようとしなかった。今の状況でアーサーが何を言ったところで、グレイスを慰めるためにその場しのぎの嘘を言っているようにしか聞こえない。
アーサーもそんなグレイスの気持ちが理解できて歯痒かった。もっと早くに伝えていたなら、グレイスもアーサーの気持ちを疑うことなどしなかっただろう。
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