25 / 29
ep.25
しおりを挟む後悔に苛まれるアーサーの視界に、テーブルの上に山を作っている怪しげな小瓶が映り込んだ。それは護衛騎士になるときに散々目にした媚薬に似ている。耐性をつけるために何日も繰り返し飲んだから間違うはずがない。
グレイスはきっとアーサーのこの身体の反応も、媚薬によるものと思っているのだろう。
アーサーはグレイスを片腕で抱き締めたまま、その媚薬の山に手を伸ばした。
「護衛騎士は、薬の耐性をつけています。だから……私が今こうなっているのは媚薬のせいではなく、姫様のいやらしいお姿に興奮しているからです。わかりますか?」
「あぁっ!」
そう言って、アーサーは軽く奥を一突きする。硬くそそり立つ陰茎は、今も尚グレイスの胎内で存在感を強く主張していた。
「理性を失って、姫様を求める私をご覧になりたかったのですか?」
「あっ、あ……、アーサー……っ」
「お望みならば、見せて差し上げます。そうすれば、私が姫様を愛していると信じていただけますか?」
グレイスが小さく頷くと、アーサーは3本まとめて掴んだ媚薬のコルクを抜いた。
「……一晩かけて、証明させてください」
3本一気に流し込むと、アーサーはまたテーブルの上に手を伸ばし、こんもりと山になっていた媚薬の瓶を次々に空にしていった。それを呆然と眺めていたグレイスは、本数を重ねていくごとに紅潮し息を荒げ、明らかに先ほどまでとは様子の異なるアーサーの姿にドキドキと胸を高鳴らせる。
最後の小瓶に残った一滴を舌に垂らしたアーサーは、ごくん、と喉を鳴らして飲み下すと小瓶を床に落とし、媚薬に濡れた唇を手の甲で乱暴に拭った。
熱に潤んだ瞳が、グレイスを鋭く射抜く。汗でじっとりと湿った熱い手が、グレイスの腰を掴んだ。
「姫様、覚悟してくださいね――」
吐く息さえ媚薬で甘ったるい香りになったアーサーは、子宮が痺れるような低い声でそう宣言すると、グレイスを抱き上げて繋がったままベッドへ移動した。
いつも大切に扱ってきたグレイスもろともベッドに倒れ込み、両足を大きく開かせる。
ふーふーと殺気だった獣のような呼吸をするアーサーに見下ろされ、グレイスは悲鳴を上げそうになるのをぐっと堪えた。
「……姫様」
結合部を見つめたまま、アーサーがゆっくりと腰を引く。長い陰茎がずるりと抜け出て、張り出した笠にかき出された愛液がシーツを汚した。
恐怖と期待にうるうると瞳を揺らすグレイスにアーサーは舌舐めずりをして、抜ける寸前まで引き抜いた陰茎を最奥まで捻じ込んだ。
41
あなたにおすすめの小説
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
婚約破棄ブームに乗ってみた結果、婚約者様が本性を現しました
ラム猫
恋愛
『最新のトレンドは、婚約破棄!
フィアンセに婚約破棄を提示して、相手の反応で本心を知ってみましょう。これにより、仲が深まったと答えたカップルは大勢います!
※結果がどうなろうと、我々は責任を負いません』
……という特設ページを親友から見せられたエレアノールは、なかなか距離の縮まらない婚約者が自分のことをどう思っているのかを知るためにも、この流行に乗ってみることにした。
彼が他の女性と仲良くしているところを目撃した今、彼と婚約破棄して身を引くのが正しいのかもしれないと、そう思いながら。
しかし実際に婚約破棄を提示してみると、彼は豹変して……!?
※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも投稿しています
コワモテ軍人な旦那様は彼女にゾッコンなのです~新婚若奥様はいきなり大ピンチ~
二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
政治家の令嬢イリーナは社交界の《白薔薇》と称される程の美貌を持ち、不自由無く華やかな生活を送っていた。
彼女は王立陸軍大尉ディートハルトに一目惚れするものの、国内で政治家と軍人は長年対立していた。加えて軍人は質実剛健を良しとしており、彼女の趣味嗜好とはまるで正反対であった。
そのためイリーナは華やかな生活を手放すことを決め、ディートハルトと無事に夫婦として結ばれる。
幸せな結婚生活を謳歌していたものの、ある日彼女は兄と弟から夜会に参加して欲しいと頼まれる。
そして夜会終了後、ディートハルトに華美な装いをしているところを見られてしまって……?
お買い上げありがとうございます旦那様
キマイラ
恋愛
借金のかたに嫁いだ私。だというのに旦那様は「すまないアデライン、君を愛することはない。いや、正確には恐らく私は君を愛することができない。許してくれ」などと言ってきた。
乙女ゲームのヒロインの姉に転生した女の結婚のお話。
「王太子殿下に魅了をかけてしまいました。大至急助けてください」にチラッと出てきたアデラインが主人公です。単体で読めます。
【完結】呪いを解いて欲しいとお願いしただけなのに、なぜか超絶美形の魔術師に溺愛されました!
藤原ライラ
恋愛
ルイーゼ=アーベントロートはとある国の末の王女。複雑な呪いにかかっており、訳あって離宮で暮らしている。
ある日、彼女は不思議な夢を見る。それは、とても美しい男が女を抱いている夢だった。その夜、夢で見た通りの男はルイーゼの目の前に現れ、自分は魔術師のハーディだと名乗る。咄嗟に呪いを解いてと頼むルイーゼだったが、魔術師はタダでは願いを叶えてはくれない。当然のようにハーディは対価を要求してくるのだった。
解呪の過程でハーディに恋心を抱くルイーゼだったが、呪いが解けてしまえばもう彼に会うことはできないかもしれないと思い悩み……。
「君は、おれに、一体何をくれる?」
呪いを解く代わりにハーディが求める対価とは?
強情な王女とちょっと性悪な魔術師のお話。
※ほぼ同じ内容で別タイトルのものをムーンライトノベルズにも掲載しています※
真面目な王子様と私の話
谷絵 ちぐり
恋愛
婚約者として王子と顔合わせをした時に自分が小説の世界に転生したと気づいたエレーナ。
小説の中での自分の役どころは、婚約解消されてしまう台詞がたった一言の令嬢だった。
真面目で堅物と評される王子に小説通り婚約解消されることを信じて可もなく不可もなくな関係をエレーナは築こうとするが…。
※Rシーンはあっさりです。
※別サイトにも掲載しています。
愛の重めな黒騎士様に猛愛されて今日も幸せです~追放令嬢はあたたかな檻の中~
二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
令嬢オフェリアはラティスラの第二王子ユリウスと恋仲にあったが、悪事を告発された後婚約破棄を言い渡される。
国外追放となった彼女は、監視のためリアードの王太子サルヴァドールに嫁ぐこととなる。予想に反して、結婚後の生活は幸せなものであった。
そしてある日の昼下がり、サルヴァドールに''昼寝''に誘われ、オフェリアは寝室に向かう。激しく愛された後に彼女は眠りに落ちるが、サルヴァドールは密かにオフェリアに対して、狂おしい程の想いを募らせていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる