姫様は平民騎士のお嫁さんになりたい

柴田

文字の大きさ
23 / 29

ep.23

しおりを挟む


「ふー……っ、う、……っく」
「アーサー、きもちいい? ……あっ、あ、はぁ」

 腰を前後に揺すったり、上下に跳ねたりと、グレイスはアーサーの射精を促す。少しでも気を抜いたら出してしまいそうで、アーサーは背後に拘束された手に自ら爪を立てた。
 耐えるアーサーの目の前で、グレイスが己の胸を下から持ち上げてたゆんと揺らす。いつも自分でそうしているのだろう、乳首を指の先ですりすりと撫で、爪で弾いた。そうすると中が、きゅ、きゅ、と甘く陰茎を食んでくる。

 その胸にむしゃぶりつきたい。舌で乳輪を焦らすようになぞって、硬くなった乳首を舌先でいじめて吸いついたなら、どんな反応を見せてくれるだろうか。
 そんな想像をしてしまい、アーサーは低く呻いて頭を振り、淫猥な妄想を散らした。

「く、……! ふ、う……ッ」
「アーサー、アーサー……っだして、なか……んん、あ……!」
「……ん、んッ、ぐ」
「きもち、い……っ、アーサーので、奥のとこトントンって、すると……っあ、イく、イ……!」

 グレイスが快感の滲んだ顔でアーサーを見下ろし、細い腰をくねらせ達する。蜜壺がきつく収縮してアーサーの精を絞り取ろうとするのをなんとか耐えきった。
 額に滲んだ汗が顎を伝って流れていく。射精をおあずけされた陰茎が、蠕動する蜜壺に包まれてびくっ、びくっ、と震えていた。

 絶頂を迎え、脱力したグレイスが縋りついてくる。未だ膣内は痙攣していて、彼女が耳元で吐く息も官能的だった。

 アーサーの首筋に伝った汗を、グレイスの舌が舐め上げる。ぞわぞわと背筋を走り抜ける感覚に、アーサーは息を呑んだ。グレイスの舌先が耳朶に触れ、耳殻をなぞる。ぴちゃ、ぷちゅ、と彼女の立てる舌の音が、やけに響いて聞こえた。
 アーサーの息が浅く早くなったことに気づいて、グレイスは彼が目を覚ます前のときのようにその耳穴に舌を忍び込ませる。熱い舌が耳を犯す感触と音のくすぐったさが得も言われぬ感覚を生み、電流のように腰まで響いた。

 アーサーの腰が跳ね、中で陰茎も同時に反応する。耳穴を舌先でほじるほどにその反応は顕著になって、グレイスはもう片方の耳穴を指で優しく擦りながら、アーサーの陰茎を膣で扱き上げた。

「耳、弱いのね」
「は、ぁ……っ、は……! く、う」
「耳をいじめながらされると、すごく気持ち良さそうだわ……中で、びくんって動いて、……ん、はあ、イってしまいそうなのね……?」

 グレイスはそう囁きながら、ぐっと腰を密着させた。先端に吸いついた子宮口が、肉竿を食む無数の襞が、耳から脳まで犯すような音が、アーサーの理性を奪おうとする。
 アーサーは逃れるように首を横に振るけれど、グレイスの手に顔を固定されてしまった。ぐちゅぐちゅと耳を舌でなぶる音は背筋を這い上がり、アーサーを追い詰める。自分がこんなに耳が弱いだなんて、今の今まで知らなかった。

 それでもなんとかアーサーは射精をすんでのところで耐えていた。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

コワモテ軍人な旦那様は彼女にゾッコンなのです~新婚若奥様はいきなり大ピンチ~

二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
政治家の令嬢イリーナは社交界の《白薔薇》と称される程の美貌を持ち、不自由無く華やかな生活を送っていた。 彼女は王立陸軍大尉ディートハルトに一目惚れするものの、国内で政治家と軍人は長年対立していた。加えて軍人は質実剛健を良しとしており、彼女の趣味嗜好とはまるで正反対であった。 そのためイリーナは華やかな生活を手放すことを決め、ディートハルトと無事に夫婦として結ばれる。 幸せな結婚生活を謳歌していたものの、ある日彼女は兄と弟から夜会に参加して欲しいと頼まれる。 そして夜会終了後、ディートハルトに華美な装いをしているところを見られてしまって……?

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

お買い上げありがとうございます旦那様

キマイラ
恋愛
借金のかたに嫁いだ私。だというのに旦那様は「すまないアデライン、君を愛することはない。いや、正確には恐らく私は君を愛することができない。許してくれ」などと言ってきた。 乙女ゲームのヒロインの姉に転生した女の結婚のお話。 「王太子殿下に魅了をかけてしまいました。大至急助けてください」にチラッと出てきたアデラインが主人公です。単体で読めます。

英雄騎士様の褒賞になりました

マチバリ
恋愛
ドラゴンを倒した騎士リュートが願ったのは、王女セレンとの一夜だった。 騎士×王女の短いお話です。

婚約破棄ブームに乗ってみた結果、婚約者様が本性を現しました

ラム猫
恋愛
『最新のトレンドは、婚約破棄!  フィアンセに婚約破棄を提示して、相手の反応で本心を知ってみましょう。これにより、仲が深まったと答えたカップルは大勢います!  ※結果がどうなろうと、我々は責任を負いません』  ……という特設ページを親友から見せられたエレアノールは、なかなか距離の縮まらない婚約者が自分のことをどう思っているのかを知るためにも、この流行に乗ってみることにした。  彼が他の女性と仲良くしているところを目撃した今、彼と婚約破棄して身を引くのが正しいのかもしれないと、そう思いながら。  しかし実際に婚約破棄を提示してみると、彼は豹変して……!? ※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも投稿しています

愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました

蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。 そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。 どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。 離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない! 夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー ※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。

愛してないから、離婚しましょう 〜悪役令嬢の私が大嫌いとのことです〜

あさとよる
恋愛
親の命令で決められた結婚相手は、私のことが大嫌いだと豪語した美丈夫。勤め先が一緒の私達だけど、結婚したことを秘密にされ、以前よりも職場での当たりが増し、自宅では空気扱い。寝屋を共に過ごすことは皆無。そんな形式上だけの結婚なら、私は喜んで離婚してさしあげます。

処理中です...