姫様は平民騎士のお嫁さんになりたい

柴田

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ep.22

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 グレイスがアーサーを想い自ら解したというだけあり、初めての女が受け入れるには無理があると思われた大きな陰茎は、今や半分以上埋まってしまっている。アーサーは視覚的な卑猥さだけでも軽減しようと、結合部を見ないように顎を反らしていた。

「も、……ぜんぶ、入ったかしら?」
「……う、ッ」

 グレイスが少し膨らんだように見える下腹部を撫でると、アーサーは呻き声を上げた。彼女の薄い腹では、外からでも陰茎の入っている場所がわかる。内からも外からも刺激を与えられ、アーサーはいっぱいいっぱいな様子だった。
 そんなアーサーを気にする余裕は今のグレイスには失われていて、彼女は結合部に手を伸ばし、まだ収まりきっていない肉竿に触れる。もう胎の中はいっぱいのように思われるのに、アーサーの陰茎を全て受け入れられていないことに少し困惑しながら、指では届かなかった奥を解すように小刻みに腰を揺らした。

 アーサーの肩に手を置いて、とちゅとちゅと中を突く。アーサーは布をきつく噛み、グレイスが一突きするごとに震えていた。媚薬が効いているせいか、触れたアーサーの身体は熱くしっとりと汗で湿っている。しかし、媚薬が効いているにしてはアーサーは頑なだった。

「ふ……っ、うう」
「は、あ……っ奥、……全部、入ったわ……」

 グレイスの臀部とアーサーの腿がぴったりとくっついている。とうとう全て受け入れアーサーと繋がったという事実に、グレイスは笑みを浮かべて彼にぎゅっと抱き着いた。
 そこでグレイスの身体も少し震えていることに、アーサーはようやく気がつく。
 ただその震えが痛みからくるものなのか、初体験の恐怖からくるものなのか、それとも歓喜――もしくはアーサーに嫌われてしまうことを恐れるゆえかは、知ることができなかった。

 胸も結合部も密着したまま、グレイスはアーサーの耳元で、ふふ、と鈴の音のように笑う。

「アーサー、あなたがわたくしを傷物にしたのよ……責任、とってくれる?」
「……ッ、く」
「びくびくって中で震えてる。苦しい? つらい? ……中で出してもいいのよ?」
「は、……っ、ふ、……!」

 グレイスの中は、射精を促すように淫らにうねる。アーサーの肉竿を柔らかく包み込み、にゅるにゅると襞でしゃぶり、子宮口が先端に吸いついていた。グレイスが腰を前後に動かすと、ぎゅっと狭くなる隘路に引き絞られ、熱い柔壁が陰茎全体に絡みつき愛撫してくる。
 胸板で潰れた柔らかな胸の感触。グレイスの肌のにおい。素肌をくすぐるなめらかな髪。なまめかしい声。膝の上の重み。全てがアーサーの興奮を煽るには十分だった。

 ただ、アーサーにはグレイスがこのような行為に及んだ理由が見当もつかなかった。
 皇帝から爵位とグレイスを貰い受ける許しを得て、結婚を申し込もうとした矢先だったというのに。

 グレイスは今にも泣き出してしまいそうな顔をしていて、アーサーは一体どうすればいいのかわからず、されるがままでいるしかなかった。
 責任などいくらでもとるし、そもそもそのつもりだったのに、グレイスは何が不安なのだろうか。意図が不明な以上簡単に中に子種を吐き出すことなどできなくて、アーサーはただひたすらに歯を食い縛って耐えた。

 幸いだったのは、睡眠薬は強力だったものの、媚薬はあまり強い効果のものではないようで、護衛騎士になるにあたり耐性をつけた身体にはほとんど作用していないも同然だった。
 だが、想像していた以上にグレイスが淫らで、たまらなく劣情を煽る。手足を拘束されていなければ、すぐにでもベッドに組み敷いて種付けしてやりたいほどだった。これ以上アーサーの理性を揺さぶるようなことをされたら、こんな細いロープなど簡単に引き千切ってしまえる。

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