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『あなたならどう生きますか?~両想いを確認した直後に「余命半年」の宣告を受けました~』
1-17「稀世の過去」
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「稀世の過去」
三朗の部屋に移り、稀世はベッドに横になった。三朗は、稀世が横になったベッドの脇で床に膝座り状態になり、稀世の右手をぎゅっと握った。
「これで、いいですか。」
「うん、サブちゃんの手、暖かい。」
「ははは。ほんまは、寿司屋は冷たい手してなあかんのですけどね。パン屋やったら「太陽の手」って言ってパン生地の発酵が進む暖かい手が重宝されるんやけど、寿司屋はネタが温もってしまうって、あかんのですよ。」
「ふーん、でも、今日は、サブちゃんの暖かい手がうれしい。少し、話してもいい?」
「うん、ええですよ。眠くなるまでですよ。」
「うん。」
稀世は小さな声で話し始めた。
「えっとね、サブちゃん。さっき、サブちゃん、三十歳で童貞で彼女いたこと無いって言うてたやん。わたしも一緒やねん。」
「えーっ、うそー。稀世さんも三十歳で童貞やったんですか?」
「サブちゃんのあほ。茶化さんといて。なんで、私が三十歳はともかく童貞なんよ。こんなでも女の子やで。」
怒りながらも、稀世にクスクスと笑いが起きた。(あー、言った後、失敗したかと思ったけど、良かった。ちょっとは、ほぐれたかな?)
「すんません。冗談です。でも、ちょっとでも笑ってもらえてよかったです。」
「気遣い、ありがと。ほんま、サブちゃんはいつでも優しいねんな。一緒って言うのは、私も二十五歳で処女で彼氏歴無しやねん。気持ち悪いやろ。」
(えっ?マジ?稀世さんみたいなかわいい人が?ホンマかいな?)三朗は思った。ただ、ダイレクトに聞くわけにもいかず、少し茶化した。
「それって、暗に僕の事「気持ち悪い」って言うてはります?」
「ううん、サブちゃんは私には、カッコええし、優しいし、世界で一番の男の人よ。気持ち悪いなんて全然ない。世の中の女が見る目無いって言うより、彼女いないで来てくれたことに感謝してる。
過去に、彼女ひとりでもいたら、私みたいなデブで性格悪い女、好きになってもらうこと無かったと思うから。」
「同じ言葉、返させてもらいます。けど僕には、稀世さんに彼氏いたこと無いって言うのが信じられませんけどね。」
三朗は、ようやく言いたいことが言えた。稀世はゆっくりと三朗に話し出した。
「うん、ずっとデブで劣等感のかたまりやったから。幼稚園の時におしくら饅頭で友達を、泣かすどころか骨折させてしもたり、小学三年生のころには40キロ超えてて、肩車してくれたお父さんがぎっくり腰になったり、中学校入ったときには水着でサイズ合うのが無くて「食い込みチャーシュー」って呼ばれたりで、性格も内向的になっちゃって、とても男の子に好きになってもらえる女の子じゃなかったねん。」
「ふーん、意外ですね。今の、稀世さんしか知らないんで、いつもニコニコして、だれにでも優しく接してるし、なっちゃんや陽菜ちゃんにもめちゃくちゃ慕われてはるやないですか。」
「それはね、ニコニコプロレス入ってからのもんやねん。サブちゃんにだけ言うけど、私、自殺しようとしたことあんねん。」
「えっ?」
一瞬言葉に詰まった三朗に稀世は話し続けた。
「中学校入って、担任の先生が、面倒見のいい先生でな、私、太ってたけど、背は高かったから「安、おまえ、バスケやってみいへんか?」って誘ってくれてん。みんなより、10センチぐらい高かったから、三年生に交じって一年からレギュラー取っててんで。想像できる?
クラブの仲間はみんな優しくて、「女バス」は、楽しかってん。そんで、よくあるパターンやけど、男バスのキャプテンって言うのが、学校でも人気者でね。一緒に部長会議とか出たくて、キャプテンに立候補したりね。その、「男バス」のキャプテンが、すごく優しくて、こんな私にも普通に優しく接してくれたんよ。」
「そりゃ、ちょっと、その男バスのキャプテンにジェラシー感じます。」
「何言うてんの。そんなん、中学校の時の話やん。サブちゃんの方が百倍、いや一万倍ええ男やよ。まあサブちゃんのことを知る6年前の事やから許したってな。
中学校の頃って、学校にひとりは居るやん。勉強も運動もできて、人望もあって、だれにでも優しい人気者って。男の子と話すことなんか、ほとんどなかったから、私すっかり勘違いしてしもてね、卒業式の日に、思い切って告白してん。
そしたら、あっけなくフラれてんな。当たり前やけど、その時の私には、それが当り前じゃなくて、「なんで?なんで?ずっと仲よくしてたやん。」って詰め寄ってんな。
そしたら、さぱっと「同じクラブ同士やし、しゃあないやん。そうでなかったら、しゃべることなんかないがな。」って言われて。そんで、おしまい。クラブの友達に慰めてもらおうと思ってんけど、私以外の同級生、みんな彼氏持ちで声かけられへんかって、ひとりぼっちで家に帰ってんな。家で、「ぼっち」でおったら、すごい孤独感に襲われて、突発的にもうどうでもよくなって、お風呂で手首切ってん。
卒業式の日に、勝手な思い込みで自殺って、最悪な女やろ。手首切って、湯船の赤色がだんだん濃くなっていくのを見てたら、急に死ぬのが怖くなってんけど、もう身体が言うこと聞けへんとこまで来ててん。「あぁ、このままひとりで死んでいくんやな。」って思ったら、頭に浮かぶのは、そのキャプテンや友達の事やなくて、お父さんとお母さんの事ばっかしやねん。
お父さん、お母さん、ごめんなさい。って一万回くらい思って、目の前が暗くなってきた時に、お母さん帰ってきて、ぎりぎり助かってん。
後で、めちゃくちゃ怒られてんけど、それがすごくうれしくて。なんか変やろ。」
稀世の右手をぎゅっと握ったまま、三朗が両方の鼻の穴から鼻水を垂れ流して、泣いていた。驚いた稀世が慌ててフォローした。
「さ、サブちゃん、どうしたん。泣かんといてよ、こんな話で。もう十年も前の話やから。」
「い、いや、その時に僕がいてたら、そんな思いさせへんかったのにって思ったら、自然と涙が出てきて。それと、稀世さんのお母さんにありがとうって。」
「いやいやいや、そこまで言ってもらう話とちゃうし。でも、お母さんに「ありがとう」って言ってくれるサブちゃんにありがとうやわ。変な話やけど、その自殺未遂がきっかけで、お父さん、お母さん、特にお母さんにはすごく感謝してな…。ますます好きになってたんやけど、なんか素直になれへんで、距離が開いてぎくしゃくしてしもててんな。いつか、きちんと「ありがとう」って言おうと思ってて…。
高校の卒業式の日に、お小遣い貯めた分で、お父さんにはポロシャツ、お母さんにはブラウス買って、食事に誘って、最後に渡してお礼するって決めててん。」
「ええ話やないですか。稀世さんの優しいところ出てますよ。で、うまく渡せたんですか?」
「ううん。あかんかった…。卒業式の二日前に、お父さんとお母さん、無免許の年寄りの車のもらい事故でふたりともはねられて、いなくなってしもてん。」
稀世の言葉が止まった。
「えっ?」
三朗もそれ以上の言葉がでなかった。
「中学校の卒業式は、フラれて自殺未遂。高校の卒業式は、両親の葬式で欠席。最悪の人生の節目やろ。あっ、サブちゃん、もう泣かんとってや。どうでもいい話やし。」
「うううううううう。」
「サブちゃん、泣かんといて。泣かすつもりでこんな話したんとちゃうねん。とりあえず、鼻拭いて。」
と稀世が、左手でハンカチを出すが、それは受け取らず、枕もとのティッシュを五,六枚一気に引き抜き、鼻を拭きゴミ箱にそっと入れた、
「たいへんやったなぁ。たいへんやったなぁ。そん時も、僕がそばに居ってあげれたら…。」
「うん、そん時、サブちゃんが隣に居ってくれたら、ずいぶんと違ってたかもしれへんなぁ。お父さん、お母さん同時に亡くして、大学進学は急遽諦めて、それまでのアパートも出なあかんことになって、親戚もおれへんかったから、しばらく友達んとこを泊まり歩いててんけど、それもでけへんようになって…。」
三朗の部屋に移り、稀世はベッドに横になった。三朗は、稀世が横になったベッドの脇で床に膝座り状態になり、稀世の右手をぎゅっと握った。
「これで、いいですか。」
「うん、サブちゃんの手、暖かい。」
「ははは。ほんまは、寿司屋は冷たい手してなあかんのですけどね。パン屋やったら「太陽の手」って言ってパン生地の発酵が進む暖かい手が重宝されるんやけど、寿司屋はネタが温もってしまうって、あかんのですよ。」
「ふーん、でも、今日は、サブちゃんの暖かい手がうれしい。少し、話してもいい?」
「うん、ええですよ。眠くなるまでですよ。」
「うん。」
稀世は小さな声で話し始めた。
「えっとね、サブちゃん。さっき、サブちゃん、三十歳で童貞で彼女いたこと無いって言うてたやん。わたしも一緒やねん。」
「えーっ、うそー。稀世さんも三十歳で童貞やったんですか?」
「サブちゃんのあほ。茶化さんといて。なんで、私が三十歳はともかく童貞なんよ。こんなでも女の子やで。」
怒りながらも、稀世にクスクスと笑いが起きた。(あー、言った後、失敗したかと思ったけど、良かった。ちょっとは、ほぐれたかな?)
「すんません。冗談です。でも、ちょっとでも笑ってもらえてよかったです。」
「気遣い、ありがと。ほんま、サブちゃんはいつでも優しいねんな。一緒って言うのは、私も二十五歳で処女で彼氏歴無しやねん。気持ち悪いやろ。」
(えっ?マジ?稀世さんみたいなかわいい人が?ホンマかいな?)三朗は思った。ただ、ダイレクトに聞くわけにもいかず、少し茶化した。
「それって、暗に僕の事「気持ち悪い」って言うてはります?」
「ううん、サブちゃんは私には、カッコええし、優しいし、世界で一番の男の人よ。気持ち悪いなんて全然ない。世の中の女が見る目無いって言うより、彼女いないで来てくれたことに感謝してる。
過去に、彼女ひとりでもいたら、私みたいなデブで性格悪い女、好きになってもらうこと無かったと思うから。」
「同じ言葉、返させてもらいます。けど僕には、稀世さんに彼氏いたこと無いって言うのが信じられませんけどね。」
三朗は、ようやく言いたいことが言えた。稀世はゆっくりと三朗に話し出した。
「うん、ずっとデブで劣等感のかたまりやったから。幼稚園の時におしくら饅頭で友達を、泣かすどころか骨折させてしもたり、小学三年生のころには40キロ超えてて、肩車してくれたお父さんがぎっくり腰になったり、中学校入ったときには水着でサイズ合うのが無くて「食い込みチャーシュー」って呼ばれたりで、性格も内向的になっちゃって、とても男の子に好きになってもらえる女の子じゃなかったねん。」
「ふーん、意外ですね。今の、稀世さんしか知らないんで、いつもニコニコして、だれにでも優しく接してるし、なっちゃんや陽菜ちゃんにもめちゃくちゃ慕われてはるやないですか。」
「それはね、ニコニコプロレス入ってからのもんやねん。サブちゃんにだけ言うけど、私、自殺しようとしたことあんねん。」
「えっ?」
一瞬言葉に詰まった三朗に稀世は話し続けた。
「中学校入って、担任の先生が、面倒見のいい先生でな、私、太ってたけど、背は高かったから「安、おまえ、バスケやってみいへんか?」って誘ってくれてん。みんなより、10センチぐらい高かったから、三年生に交じって一年からレギュラー取っててんで。想像できる?
クラブの仲間はみんな優しくて、「女バス」は、楽しかってん。そんで、よくあるパターンやけど、男バスのキャプテンって言うのが、学校でも人気者でね。一緒に部長会議とか出たくて、キャプテンに立候補したりね。その、「男バス」のキャプテンが、すごく優しくて、こんな私にも普通に優しく接してくれたんよ。」
「そりゃ、ちょっと、その男バスのキャプテンにジェラシー感じます。」
「何言うてんの。そんなん、中学校の時の話やん。サブちゃんの方が百倍、いや一万倍ええ男やよ。まあサブちゃんのことを知る6年前の事やから許したってな。
中学校の頃って、学校にひとりは居るやん。勉強も運動もできて、人望もあって、だれにでも優しい人気者って。男の子と話すことなんか、ほとんどなかったから、私すっかり勘違いしてしもてね、卒業式の日に、思い切って告白してん。
そしたら、あっけなくフラれてんな。当たり前やけど、その時の私には、それが当り前じゃなくて、「なんで?なんで?ずっと仲よくしてたやん。」って詰め寄ってんな。
そしたら、さぱっと「同じクラブ同士やし、しゃあないやん。そうでなかったら、しゃべることなんかないがな。」って言われて。そんで、おしまい。クラブの友達に慰めてもらおうと思ってんけど、私以外の同級生、みんな彼氏持ちで声かけられへんかって、ひとりぼっちで家に帰ってんな。家で、「ぼっち」でおったら、すごい孤独感に襲われて、突発的にもうどうでもよくなって、お風呂で手首切ってん。
卒業式の日に、勝手な思い込みで自殺って、最悪な女やろ。手首切って、湯船の赤色がだんだん濃くなっていくのを見てたら、急に死ぬのが怖くなってんけど、もう身体が言うこと聞けへんとこまで来ててん。「あぁ、このままひとりで死んでいくんやな。」って思ったら、頭に浮かぶのは、そのキャプテンや友達の事やなくて、お父さんとお母さんの事ばっかしやねん。
お父さん、お母さん、ごめんなさい。って一万回くらい思って、目の前が暗くなってきた時に、お母さん帰ってきて、ぎりぎり助かってん。
後で、めちゃくちゃ怒られてんけど、それがすごくうれしくて。なんか変やろ。」
稀世の右手をぎゅっと握ったまま、三朗が両方の鼻の穴から鼻水を垂れ流して、泣いていた。驚いた稀世が慌ててフォローした。
「さ、サブちゃん、どうしたん。泣かんといてよ、こんな話で。もう十年も前の話やから。」
「い、いや、その時に僕がいてたら、そんな思いさせへんかったのにって思ったら、自然と涙が出てきて。それと、稀世さんのお母さんにありがとうって。」
「いやいやいや、そこまで言ってもらう話とちゃうし。でも、お母さんに「ありがとう」って言ってくれるサブちゃんにありがとうやわ。変な話やけど、その自殺未遂がきっかけで、お父さん、お母さん、特にお母さんにはすごく感謝してな…。ますます好きになってたんやけど、なんか素直になれへんで、距離が開いてぎくしゃくしてしもててんな。いつか、きちんと「ありがとう」って言おうと思ってて…。
高校の卒業式の日に、お小遣い貯めた分で、お父さんにはポロシャツ、お母さんにはブラウス買って、食事に誘って、最後に渡してお礼するって決めててん。」
「ええ話やないですか。稀世さんの優しいところ出てますよ。で、うまく渡せたんですか?」
「ううん。あかんかった…。卒業式の二日前に、お父さんとお母さん、無免許の年寄りの車のもらい事故でふたりともはねられて、いなくなってしもてん。」
稀世の言葉が止まった。
「えっ?」
三朗もそれ以上の言葉がでなかった。
「中学校の卒業式は、フラれて自殺未遂。高校の卒業式は、両親の葬式で欠席。最悪の人生の節目やろ。あっ、サブちゃん、もう泣かんとってや。どうでもいい話やし。」
「うううううううう。」
「サブちゃん、泣かんといて。泣かすつもりでこんな話したんとちゃうねん。とりあえず、鼻拭いて。」
と稀世が、左手でハンカチを出すが、それは受け取らず、枕もとのティッシュを五,六枚一気に引き抜き、鼻を拭きゴミ箱にそっと入れた、
「たいへんやったなぁ。たいへんやったなぁ。そん時も、僕がそばに居ってあげれたら…。」
「うん、そん時、サブちゃんが隣に居ってくれたら、ずいぶんと違ってたかもしれへんなぁ。お父さん、お母さん同時に亡くして、大学進学は急遽諦めて、それまでのアパートも出なあかんことになって、親戚もおれへんかったから、しばらく友達んとこを泊まり歩いててんけど、それもでけへんようになって…。」
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