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『あなたならどう生きますか?~両想いを確認した直後に「余命半年」の宣告を受けました~』
1-23「菅野直」
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「菅野直」
大きいサイズの寿司下駄に二人前ずつの特上握りを用意し、吸い物といっしょに配膳した。稀世が好きだと言ってくれた、たけのこご飯のいなり寿司も入れてある。
「はい、お待ちどうさま。向日葵寿司、特上二人前ずつでございまーす。どうぞ、ゆっくり、お召し上がりくださいね。」
「特上にしてくれたんかいな。昼から、ゴージャスすぎるなぁ。なあ、稀世。」
「昨日、稀世さんに食べてもらわれへんかったから。」
「あっ、サブちゃん、うちの女の子たちみんなから、「ごちそうさまでした。めちゃくちゃ美味しかったです。」って伝言言うの忘れてたわ。ごめんごめん。ほんま、いつもごちそうさま。ありがとうね。桶は、警備員室で預かってもろてるはずやから、後で取りに行ってな。
じゃあ、せっかくの特上握りやから、ありがたくいただこうかね。さぁ、稀世、いただこか。そんで、サブちゃんも、店閉めたんやったら、少し、ビール付き合ってや。グラス持っておいでよ。」
「は、はい。」
三朗が、稀世の横の席に着くと、まりあがビールを注いでくれた。稀世は、お寿司は食べているが、ビールには口をつけていない。重苦しい雰囲気の中、硬い表情で、まりあが切り出した。
「サブちゃん、午前中、私の知り合いで、元々京大病院で脳神経外科やってて、今は、親のやってる総合病院継いでる医者に、昨日の検査データ見てもらってんけど、ここの病院のお医者さんと同じ結論やったわ。残念やけど。」
「そ、そうですか。ざ、残念です…。」
「知り合いの医者が言うには、運悪く髄膜種が異形性髄膜種って質の悪いやつなんやけど、神経を巻き込んでるがゆえに、がんの痛みを感じてないよう作用してるんやろうって。抗がん剤治療や放射線治療すると体力も落ちるし、がんそのものの痛み以上に、副作用のしんどさが尋常じゃないらしいねんな。
脳へのショックは絶対避けなあかんちゅうことやから、「プロレスは残念ながら引退して、がんの痛みが出るまでは、入院治療やなくて、今まで通りの生活をするのがええんとちゃうか」っていう提案を受けたんやわ。で、ここからが稀世も一緒に話し合っていきたいんやけど、ええかな?」
「は、はい。」
「サブちゃん、確認するけど、昨日、稀世とサブちゃん、お互いに好き合ってるってこと確認したって聞いたんやけど、それは稀世への「同情」や「哀れみ」から言うてんのとはちゃうよな。」
マリアの真剣な視線に気後れす路ことなく三朗は速攻で返答した。
「もちろんです。まりあさんの前で改めて言うの、恥ずかしいんですけど、五年前に初めて会った時から稀世さんのことが好きです。大好きです!昨日、結婚してくださいって言った気持ちは間違いなくほんまもんです。ただ、稀世さんには、断られてしまいましたが…。」
「サブちゃん、ありがとね。私は、以前から稀世がサブちゃんに好意持ってんの知っててんけど、お互い、もう大人やし、口出すことでもないなあって思っててな。
ただ、昨日の今日で状況が大きく変わってしもたから、稀世の母親代わり、姉代わりの立場で、私からサブちゃんにお願いや。結婚は、サブちゃんのその後の籍の履歴の事もあるから、置いとくな。ただ稀世の最後までいっしょに居てやってほしいねんけど・・・。」
四人掛けのテーブルの3人に長い沈黙が襲った。
「ガラガラガラッ!」突然、乱暴に引き戸が開けられた。瞬間的に三人の視線が入り口に向いた。
「こらーっ!三朗!暖簾降ろして、何隠れとんねん。昼から来るって言うてたやろ!」
菅野直が店に飛び込んできた。あまりの剣幕と有無を言わさぬ勢いに、三人とも声が出ない。直は、三朗がテーブル席にいるのを確認すると、
「おいこら、あほボン三朗、何、女ふたりもつれて飯食っとんねん!お前、わしをなめてんのか。」
とテーブル席にずかずかと近づいてくる。(あっ、直さん来るの完全に忘れてた。しかし、タイミング悪い時になんやねん。とりあえず、一旦帰ってもらわんと。)何とか、三朗が気を取り直し言った。
「な、直さん、今、お客さんと大事な話してんねん。あ、後で、直さんとこ必ず行くから、一旦、帰ってもらわれへんかな。お、お願いやから。」
蚊の鳴くような三朗の声を無視して、テーブル席の横に立ち、稀世とまりあの顔を覗き込んだ。
「ん!ん!あ、あんた、「デンジャラスまりあ」か?」
直が叫んだ。まりあはあっけにとられて言葉が出ない。
「なんや?なんで三朗の店に「デンジャラスまりあ」がおんねん。」
「な、直さん、まりあさんの事、知ってんの?」
「知らいでか、あほボン。「デンジャラスまりあ」言うたら、ケガさえしてなかったら、当時の全日女子プロレスの頂点とってた伝説のレスラーやないか。ケガで引退して、全日女子プロが解散してから見ることなくなってしもたんやけど、わし、めちゃくちゃファンやったんや。こら、三朗、おまえわしとの約束無視して、なんで「デンジャラスまりあ」と飯食ってんねん。」
まりあと稀世は目を点にして、直の事を見つめている。
「まりあさん、稀世さん、すいません。この人、ここニコニコ商店街の会長の菅野直さんっていって、今日の昼に来るっていうの、僕が完全に忘れてしまってて、本当に大事な話の最中にすいません。」
と三朗はまりあと稀世に頭を下げた。
直は、遠慮することなしにぐいぐい攻め込んできた。
「おい、あほボン!大事な話ってなんや?」
「直さん、関係ない話やから、ほんま、一旦引いてくださいよ。」
「あかん!十数年ぶりの「デンジャラスまりあ」を前に、簡単に引けっかいな。ここであったも何かの縁や。わしも話に参加したろ。おい、三朗、分かりやすく説明せんかい。」
直は、勝手に椅子を隣のテーブル席から引っ張ってきて、席に着いた。
「三朗、わしの約束無視した罰や。わしの寿司握れ。」
と命令した。まりあが、落ち着きを取り戻し、
「良かったら、一緒にどうぞ。」
と特上握りの寿司下駄を直の前にずらした。
「えっ、ええのか?それも、「デンジャラスまりあ」に譲ってもらって。」
「どうぞ。先にお約束されていたとは、私たちも存じておりませんでしたので。失礼いたしました。」
「いや、悪いのは「デンジャラスまりあ」じゃなくて、このあほボン三朗じゃい。こ奴の母親代わりに面倒見てきて、一昨年、親父がなくなってからは、父親代わりでもある中、わしを蔑ろないがしろにする三朗が悪い。
また、こいつがなんか迷惑かけてしもてるんやないんか?こんなばばあですが、こいつの親代わりですから、話に加えてくださいまし。」
大きいサイズの寿司下駄に二人前ずつの特上握りを用意し、吸い物といっしょに配膳した。稀世が好きだと言ってくれた、たけのこご飯のいなり寿司も入れてある。
「はい、お待ちどうさま。向日葵寿司、特上二人前ずつでございまーす。どうぞ、ゆっくり、お召し上がりくださいね。」
「特上にしてくれたんかいな。昼から、ゴージャスすぎるなぁ。なあ、稀世。」
「昨日、稀世さんに食べてもらわれへんかったから。」
「あっ、サブちゃん、うちの女の子たちみんなから、「ごちそうさまでした。めちゃくちゃ美味しかったです。」って伝言言うの忘れてたわ。ごめんごめん。ほんま、いつもごちそうさま。ありがとうね。桶は、警備員室で預かってもろてるはずやから、後で取りに行ってな。
じゃあ、せっかくの特上握りやから、ありがたくいただこうかね。さぁ、稀世、いただこか。そんで、サブちゃんも、店閉めたんやったら、少し、ビール付き合ってや。グラス持っておいでよ。」
「は、はい。」
三朗が、稀世の横の席に着くと、まりあがビールを注いでくれた。稀世は、お寿司は食べているが、ビールには口をつけていない。重苦しい雰囲気の中、硬い表情で、まりあが切り出した。
「サブちゃん、午前中、私の知り合いで、元々京大病院で脳神経外科やってて、今は、親のやってる総合病院継いでる医者に、昨日の検査データ見てもらってんけど、ここの病院のお医者さんと同じ結論やったわ。残念やけど。」
「そ、そうですか。ざ、残念です…。」
「知り合いの医者が言うには、運悪く髄膜種が異形性髄膜種って質の悪いやつなんやけど、神経を巻き込んでるがゆえに、がんの痛みを感じてないよう作用してるんやろうって。抗がん剤治療や放射線治療すると体力も落ちるし、がんそのものの痛み以上に、副作用のしんどさが尋常じゃないらしいねんな。
脳へのショックは絶対避けなあかんちゅうことやから、「プロレスは残念ながら引退して、がんの痛みが出るまでは、入院治療やなくて、今まで通りの生活をするのがええんとちゃうか」っていう提案を受けたんやわ。で、ここからが稀世も一緒に話し合っていきたいんやけど、ええかな?」
「は、はい。」
「サブちゃん、確認するけど、昨日、稀世とサブちゃん、お互いに好き合ってるってこと確認したって聞いたんやけど、それは稀世への「同情」や「哀れみ」から言うてんのとはちゃうよな。」
マリアの真剣な視線に気後れす路ことなく三朗は速攻で返答した。
「もちろんです。まりあさんの前で改めて言うの、恥ずかしいんですけど、五年前に初めて会った時から稀世さんのことが好きです。大好きです!昨日、結婚してくださいって言った気持ちは間違いなくほんまもんです。ただ、稀世さんには、断られてしまいましたが…。」
「サブちゃん、ありがとね。私は、以前から稀世がサブちゃんに好意持ってんの知っててんけど、お互い、もう大人やし、口出すことでもないなあって思っててな。
ただ、昨日の今日で状況が大きく変わってしもたから、稀世の母親代わり、姉代わりの立場で、私からサブちゃんにお願いや。結婚は、サブちゃんのその後の籍の履歴の事もあるから、置いとくな。ただ稀世の最後までいっしょに居てやってほしいねんけど・・・。」
四人掛けのテーブルの3人に長い沈黙が襲った。
「ガラガラガラッ!」突然、乱暴に引き戸が開けられた。瞬間的に三人の視線が入り口に向いた。
「こらーっ!三朗!暖簾降ろして、何隠れとんねん。昼から来るって言うてたやろ!」
菅野直が店に飛び込んできた。あまりの剣幕と有無を言わさぬ勢いに、三人とも声が出ない。直は、三朗がテーブル席にいるのを確認すると、
「おいこら、あほボン三朗、何、女ふたりもつれて飯食っとんねん!お前、わしをなめてんのか。」
とテーブル席にずかずかと近づいてくる。(あっ、直さん来るの完全に忘れてた。しかし、タイミング悪い時になんやねん。とりあえず、一旦帰ってもらわんと。)何とか、三朗が気を取り直し言った。
「な、直さん、今、お客さんと大事な話してんねん。あ、後で、直さんとこ必ず行くから、一旦、帰ってもらわれへんかな。お、お願いやから。」
蚊の鳴くような三朗の声を無視して、テーブル席の横に立ち、稀世とまりあの顔を覗き込んだ。
「ん!ん!あ、あんた、「デンジャラスまりあ」か?」
直が叫んだ。まりあはあっけにとられて言葉が出ない。
「なんや?なんで三朗の店に「デンジャラスまりあ」がおんねん。」
「な、直さん、まりあさんの事、知ってんの?」
「知らいでか、あほボン。「デンジャラスまりあ」言うたら、ケガさえしてなかったら、当時の全日女子プロレスの頂点とってた伝説のレスラーやないか。ケガで引退して、全日女子プロが解散してから見ることなくなってしもたんやけど、わし、めちゃくちゃファンやったんや。こら、三朗、おまえわしとの約束無視して、なんで「デンジャラスまりあ」と飯食ってんねん。」
まりあと稀世は目を点にして、直の事を見つめている。
「まりあさん、稀世さん、すいません。この人、ここニコニコ商店街の会長の菅野直さんっていって、今日の昼に来るっていうの、僕が完全に忘れてしまってて、本当に大事な話の最中にすいません。」
と三朗はまりあと稀世に頭を下げた。
直は、遠慮することなしにぐいぐい攻め込んできた。
「おい、あほボン!大事な話ってなんや?」
「直さん、関係ない話やから、ほんま、一旦引いてくださいよ。」
「あかん!十数年ぶりの「デンジャラスまりあ」を前に、簡単に引けっかいな。ここであったも何かの縁や。わしも話に参加したろ。おい、三朗、分かりやすく説明せんかい。」
直は、勝手に椅子を隣のテーブル席から引っ張ってきて、席に着いた。
「三朗、わしの約束無視した罰や。わしの寿司握れ。」
と命令した。まりあが、落ち着きを取り戻し、
「良かったら、一緒にどうぞ。」
と特上握りの寿司下駄を直の前にずらした。
「えっ、ええのか?それも、「デンジャラスまりあ」に譲ってもらって。」
「どうぞ。先にお約束されていたとは、私たちも存じておりませんでしたので。失礼いたしました。」
「いや、悪いのは「デンジャラスまりあ」じゃなくて、このあほボン三朗じゃい。こ奴の母親代わりに面倒見てきて、一昨年、親父がなくなってからは、父親代わりでもある中、わしを蔑ろないがしろにする三朗が悪い。
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