エロフに転生したので異世界を旅するVTuberとして天下を目指します

一色孝太郎

文字の大きさ
18 / 122

第18話 コメント返しをしてみた(2)

しおりを挟む
 翌日、俺は何か動画のネタになるものはないかと考えてうろうろしてみたが、特に何も見つからなかった。

 俺も中身は男だが体は女なので、村の外に出ないようにときつく言われている。

 迷惑系VTuberではなく異世界旅行系VTuberなので、動画のネタのためだけにおかしな行動をして迷惑をかけることはしたくない。

 となると、できることはコメント返しぐらいか。

 あとはどこで撮影するかだが……。

◆◇◆

「異世界からこんにちは。リリス・サキュアです♪」

 リリスは今日も元気に視聴者に向かって極上のスマイルで挨拶をした。

「今日はですね。ミニョレ村の共用井戸の前にやってきました。ここではお水をこの釣瓶つるべを使ってみ上げるんです」

 リリスはそう言って釣瓶を井戸の中に放り投げた。するとすぐにバシャンという水音が聞こえてくる。

「よいしょ。んっ、ちょっと、これ、すごっ、重い……」

 リリスは顔を紅潮させつつも、なんとか釣瓶を引っ張り上げた。それからリリスは力尽きたように井戸枠の上へ釣瓶を乱暴に置く。

 かなり釣瓶は大きくうごいたものの、水が跳ねることはなかった。中にはそれほど水は入っていないのだろう。

「はぁはぁはぁ、井戸ってこんなに大変なんですね」

 リリスはそう言って釣瓶の中から両手で水をすくい、画面に差し出してきた。

「すごいきれいですね。飲料水だそうですよ」

 そう言ってリリスは手の中の水に口を付けた。

「んん! 美味しい! すごく美味しいお水です! すっきりしていて、でもどこか甘みがあって、お水ってこんなに違うんですね!」

 リリスは残った水をごくごくと飲み干した。

 その最中に手からは水がポタポタと零れ落ちてその胸元を濡らしていたのだが、リリスがそのことに気付いた様子はない。

「それでですね。今日はそんな美味しい水のある井戸の前から、二回目のコメント返しをしようと思います。いえーい♪」

 リリスは楽しそうに手をパチパチと叩いた。

「今回は、森の中で魔法を使ってみた動画のコメントにお返事しますね。それじゃあ、最初のコメントです。ええと、『水の魔法楽しそう。今度は他の魔法も見たいな』。はい。とっても楽しかったです♪ いいねっ♪」

 リリスは右手でサムズアップをしながらパチッとウィンクをするが、すぐにはにかんだ表情を浮かべる。

 そしていいねボタンを押すように右腕をカメラのほうへと伸ばしてきた。

「それじゃあ、次のコメントにいきます。『魔法の演出まじでどうなってんの? CGにしてはリアルすぎる』ってCGじゃないですよ。リアルですリアル。ほらっ!」

 そう言ってリリスは釣瓶に手をかざすと、釣瓶の中から細い水柱が立ちのぼる。

「次です。えっと、『くしゃみがかわいい』。えへっ、ちょっと恥ずかしいです。いいねっ♪」

 終始恥ずかしそうにしながらも、リリスはいいねボタンを押した。

「次は、『濡れた? 服濡れたよね?』」

 するとリリスはピンと来ていない様子で首をかしげた。

「はい、濡れちゃいました。ちょっと寒かったですけど、風邪はひきませんでした。えっと、コメントありがとうございます♪」

 リリスはそう言うと笑顔を浮かべ、いいねボタンを押した。

「次はですね。えっと、え? 透けてる? やだっ! ホントですか? 透けてなかったですよぉ。もー」

 リリスはそう言いながら恥ずかしそうに自分の頬を両手で隠す。

「次です。次! えっと、次のコメントは、『ポンな自称0歳リリスちゃんかわいい』? ポン? ポンってなんですか?」

 リリスはキョトンとした表情で首をかしげた。

「あ、それと、0歳は自称じゃないですからねっ」

 リリスは思い出したように訂正する。

「次は、『初めと終わりの決めゼリフが欲しい』。うーん、そうですかぁ。今の挨拶じゃダメですか? ならどんなのがいいんだろ? ちょっと考えてみますね♪」

 リリスはそう言うといいねボタンを押した。

「次は、『厨二病的な架空設定と目標(東京ドームでライブみたいな)、身長・体重・スリーサイズ教えて』? ええっ!? 厨二病ってどういうことですか?」

 リリスはそう言ってややオーバーなリアクションをした。

「架空じゃないので設定とかないですよ。ここはエンデガルドっていう世界らしいんですけど、私も生まれたばかりだからよく分からないです。目標は、どうしましょう? ドームライブとかは無理ですよねぇ。色々と旅してエンデガルドを紹介すること、かなぁ? 身長は、ごめんなさい。計ってないから分からないんですけど、ミニョレ村の女性たちと比べるとちょっと高いような気がします。スリーサイズも計れないので、Fカップということでどうでしょう? 体重は秘密です♡」

 リリスは恥ずかしそうにそう答えた。

「次は、『ポンなリリスちゃんかわいい』です。えっと、さっきもありましたけど、ポンってなんなんですか? 知らないので、良かったらコメントで教えてくださいね」

 リリスはそう言ってニッコリと微笑んだ。

「次ですね。えっと、『リリちゃん、可愛いうえにスタイル良くって最高! 今度はコスプレが見たいです!』。ええっ? コスプレですか?」

 リリスは少し悩んだような表情を浮かべる。

「えっと、はい。可愛いって言ってもらえてすごくうれしいです♪ コスプレは、そうですね。いい衣装があったら考えますけど、あんまり露出が多いのはちょっと勇気が出なそうです」

 リリスは恥ずかしそうにそう言った。

「それじゃあ次のコメント……ええっ? ちょっと待って? どうしてこんなにコスプレ希望のコメントがたくさんあるの?」

 リリスは目を白黒させている。

「えっと、『メイドコス、してください』『メイドのコスプレが見たいです』『メイド服を着て、お帰りなさいませご主人様って言ってください』って、みんなメイド好きすぎじゃないですか!?」

 リリスはさらに画面をスクロールしているようだ。

「あ、また! 『メイド服を着て欲しいです』。本当にメイド服が人気なんですね。日本では今メイド服が流行ってるんでしょうか? エンデガルドだと日本のことは分からないので、ぜひいろいろ教えてくださいね♪」

 リリスはそう言ってニッコリと微笑んだ。

「えっと、あとは……『次回も見るよ、お疲れ様!』。はい! ありがとうございます! 次回もまた見てくださいね。いいねっ♪」

 リリスはいいねボタンを押したような仕草をした。

「今日はこのへんで終わろうと思います。いいねボタン、チャンネル登録をしてもらえると嬉しいです。それじゃあ、また会いにきてくださいね。バイバーイ」

 リリスは笑顔のまま締めのセリフをしゃべると、右手を振って視聴者に別れを告げるのだった。

================
 本話は読者参加の対象回となります。

 次回は日本でのお話となります。猛夫の遺産整理も進んだようで……?
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...