19 / 122
第19話 日本では……(6)
しおりを挟む
2022/10/06 人物の取り違えを修正しました
================
リリスが二度目のコメント返しを行った翌日、剛たちは放課後にその動画の様子を熱く語り合っていた。
「俺のコメント読まれたぜ」
「俺も俺も!」
剛が興奮気味にそう言うと、杉田もそれに同調する。すると西川がしょんぼりとした様子で呟く。
「俺読まれなかった……」
「お前、なんて書いたんだ?」
「ビキニアーマー着てって書いたんだよ。いいねもしてもらえなかった」
「あー、露出多いの恥ずかしいって言ってたもんなぁ。お、これか。って、お前言っていいことと悪いことがあるだろ? なんだよこの舐めたいって?」
「うわっ! 変態だ!」
「ええっ? ダメなのか? CGじゃん!?」
「ダメに決まってるだろ。お前、クラスの女子にそんなこと言えんのかよ?」
「そりゃあ無理だけど、CGならいいかなって……」
「お前、リリちゃんにだって中の人がいるんだぞ? こんなこと言われて配信やめちゃったらどうするんだよ? どっかのグループ所属じゃないみたいだし、やってんの個人だろ?」
「う、困る……」
「だろ? だから早く消せって」
「わ、わかった。リリちゃん、ごめん」
西川は慌てて自分のスマホを取り出し、コメントを削除した。
「メイドコス、してくれるかな?」
「どうだろうなぁ。やってほしいけどなぁ」
「ま、俺らはリリちゃんが勇気が出るのを待つしかできないしな。それまでは俺らで毎日動画回してしやろうぜ」
「おう。俺も毎日三回は見てるぜ」
「俺も毎日見てる!」
こうして剛たちは無駄話に花を咲かせるのだった。
◆◇◆
それから一週間後、金杉家のリビングには金杉夫妻と朱里、剛が集まっている。
「猛夫君の遺産は現預金だけで、家賃などの支払いをして残ったのは二百万だった。二人の口座に百万ずつ分けるという形にするが、いいね?」
久須男はそう告げ、朱里と剛のほうを見た。
「……はい」
朱里は硬い表情でそう言って頷き、剛も首を縦に振った。
「じゃあ、そのように手続きをしておこう。郵便局の口座があるそうだね? 通帳を預かろう。それにこれから何かと手続きがある。印鑑も預かっておこう」
「……」
二人は無言で顔を見合わせる。
すると久須男はため息をついた。
「通帳が無いと入金ができない。そうするといつまでたっても手続きが終わらないぞ。それに私たちは君たちの親権者だ。修学旅行に行かせるのだって印鑑が必要になる。嫌だというなら新しく作るだけだが、無駄だとは思わないかい?」
「……わかりました」
そうして丸め込まれた二人は渋々ながらも通帳と印鑑を渡してしまった。
「じゃあ、これは預かっておこう。必要なときは私か洋子に言いなさい。いいね?」
「はい」
こうして遺産分割の話を終え、朱里と剛は部屋へと戻る。
その様子を金杉夫妻はニヤついた表情で見送るのだった。
◆◇◆
翌日、登校した剛のところに藤田がやってきた。
「ねえ」
「おう、委員長。おはよう」
「おはよう。それよりね、あたし思いついたの」
「何が?」
「リリちゃんのことよ」
「おっ! リリちゃん! で、思いついたって?」
「あたしね、きっとリリちゃんは新作ゲームの宣伝だと思うの」
「はっ?」
「だって、あんなに作り込んでるでしょ? だったらきっと何かに使うんだと思うの。ちょっとShabetterを調べてみたけど、同じようなことを言っている人もいたわ」
Shabetterというのは日常の何気ないことを呟けるSNSだ。
「委員長、どういうこと?」
「つまり、あのミニョレ村はゲームの制作者が作ったCGの世界ってことよ。だから色々なところをモデルにしているんだと思うの」
「そうかぁ。委員長がそう言うならそうなのかもな」
「そうよ」
藤田はふふんと鼻を鳴らし、ドヤ顔をするのだった。
================
奨学金と合わせれば、二人の学費がどうにかなるくらいのところまでは来ていたようです。
次回、ミニョレ村に冒険者がやってきます。ヤァ!ヤァ!ヤァ!
================
リリスが二度目のコメント返しを行った翌日、剛たちは放課後にその動画の様子を熱く語り合っていた。
「俺のコメント読まれたぜ」
「俺も俺も!」
剛が興奮気味にそう言うと、杉田もそれに同調する。すると西川がしょんぼりとした様子で呟く。
「俺読まれなかった……」
「お前、なんて書いたんだ?」
「ビキニアーマー着てって書いたんだよ。いいねもしてもらえなかった」
「あー、露出多いの恥ずかしいって言ってたもんなぁ。お、これか。って、お前言っていいことと悪いことがあるだろ? なんだよこの舐めたいって?」
「うわっ! 変態だ!」
「ええっ? ダメなのか? CGじゃん!?」
「ダメに決まってるだろ。お前、クラスの女子にそんなこと言えんのかよ?」
「そりゃあ無理だけど、CGならいいかなって……」
「お前、リリちゃんにだって中の人がいるんだぞ? こんなこと言われて配信やめちゃったらどうするんだよ? どっかのグループ所属じゃないみたいだし、やってんの個人だろ?」
「う、困る……」
「だろ? だから早く消せって」
「わ、わかった。リリちゃん、ごめん」
西川は慌てて自分のスマホを取り出し、コメントを削除した。
「メイドコス、してくれるかな?」
「どうだろうなぁ。やってほしいけどなぁ」
「ま、俺らはリリちゃんが勇気が出るのを待つしかできないしな。それまでは俺らで毎日動画回してしやろうぜ」
「おう。俺も毎日三回は見てるぜ」
「俺も毎日見てる!」
こうして剛たちは無駄話に花を咲かせるのだった。
◆◇◆
それから一週間後、金杉家のリビングには金杉夫妻と朱里、剛が集まっている。
「猛夫君の遺産は現預金だけで、家賃などの支払いをして残ったのは二百万だった。二人の口座に百万ずつ分けるという形にするが、いいね?」
久須男はそう告げ、朱里と剛のほうを見た。
「……はい」
朱里は硬い表情でそう言って頷き、剛も首を縦に振った。
「じゃあ、そのように手続きをしておこう。郵便局の口座があるそうだね? 通帳を預かろう。それにこれから何かと手続きがある。印鑑も預かっておこう」
「……」
二人は無言で顔を見合わせる。
すると久須男はため息をついた。
「通帳が無いと入金ができない。そうするといつまでたっても手続きが終わらないぞ。それに私たちは君たちの親権者だ。修学旅行に行かせるのだって印鑑が必要になる。嫌だというなら新しく作るだけだが、無駄だとは思わないかい?」
「……わかりました」
そうして丸め込まれた二人は渋々ながらも通帳と印鑑を渡してしまった。
「じゃあ、これは預かっておこう。必要なときは私か洋子に言いなさい。いいね?」
「はい」
こうして遺産分割の話を終え、朱里と剛は部屋へと戻る。
その様子を金杉夫妻はニヤついた表情で見送るのだった。
◆◇◆
翌日、登校した剛のところに藤田がやってきた。
「ねえ」
「おう、委員長。おはよう」
「おはよう。それよりね、あたし思いついたの」
「何が?」
「リリちゃんのことよ」
「おっ! リリちゃん! で、思いついたって?」
「あたしね、きっとリリちゃんは新作ゲームの宣伝だと思うの」
「はっ?」
「だって、あんなに作り込んでるでしょ? だったらきっと何かに使うんだと思うの。ちょっとShabetterを調べてみたけど、同じようなことを言っている人もいたわ」
Shabetterというのは日常の何気ないことを呟けるSNSだ。
「委員長、どういうこと?」
「つまり、あのミニョレ村はゲームの制作者が作ったCGの世界ってことよ。だから色々なところをモデルにしているんだと思うの」
「そうかぁ。委員長がそう言うならそうなのかもな」
「そうよ」
藤田はふふんと鼻を鳴らし、ドヤ顔をするのだった。
================
奨学金と合わせれば、二人の学費がどうにかなるくらいのところまでは来ていたようです。
次回、ミニョレ村に冒険者がやってきます。ヤァ!ヤァ!ヤァ!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収
ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。
彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。
だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。
自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。
「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」
契約解除。返還されたレベルは9999。
一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。
対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。
静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。
「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」
これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる