悪役令嬢は高らかに笑う。

アズやっこ

文字の大きさ
11 / 17

11 役者がそろった

しおりを挟む

スカーレット公爵令嬢がエドワード王子の婚約者に決まった。

さあ、頑張ってね?

スカーレット様、貴女は今とても喜んでいるわよね?




伯爵令嬢になった私は今まで通り学園に通った。遠巻きに何か言ってくる人はいるけど私は気にしない。

勝手に言ってなさい。


「あら、伯爵令嬢のシャーロット様じゃない」


私はスカーレット様にお辞儀をした。


「知ってる?私エドワード王子の婚約者になったのよ?エドワード王子から婚約者になってくれって直々に頼まれたの。だから断われなくて。

あら、ごめんなさいね?貴女はエドワード王子に婚約破棄されたのよね?やっぱりエドワード王子も愛していない人と婚姻はしたくなかったのよ。

私はエドワード王子、ううん、エドワードから愛されているから、昨日も一緒に、ふふっ、お茶をしたの。エドワードったら優しいのよ?」

「スカーレット様のお美しさにエドワード王子も思い直したんだと思いますよ?愛していない元婚約者より、愛してるスカーレット様だと」

「やっぱりそう思う?」

「はい」

「そうよね、だって私の事を愛しいって瞳で昨日も見つめてきたもの。だからね、私がエドワードを癒してあげるの。元婚約者に苦労させられたでしょ?だから今はエドワードの心を癒やしてあげたいわ。それは婚約者の私の役目よね?」

「スカーレット様しか癒せませんよ」


スカーレット様と取巻きの令嬢が話している所を私は黙って見つめている。

取巻きの令嬢、貴女は確か伯爵令嬢よね?私を押したのを覚えているわよ?どうせ靴を隠したのも、教科書を破いたのも、ゴミ箱に捨てたのも貴女でしょ?

スカーレット様は頬を赤らめて喜んでいるけど、ふふっ、


あれはいつもの校舎裏でレーナさんと話しをしていた時の事。


「レーナさん、私が婚約破棄されたらエドワード王子にスカーレット公爵令嬢と婚約してほしいと頼んだ方がいいと思うの」

「そうね!乙女ゲームには悪役令嬢のスカーレットが必要だもの」

「ええ、そしてエドワード王子から婚約を申し込んで仲良くしてほしいと伝えたらどう?」

「どうして?」

「もしスカーレット公爵令嬢とまた婚約破棄にでもなったらエドワード王子は国王にはなれないわ。私も臣下としてそれは悲しいもの。

それにレーナさんから伝えたらレーナさんの優しい心にエドワード王子はまた感動すると思うわ。

あとね、もしもの話よ?もし他国の王女様が婚約者にでもなったらレーナさんは殺されるかもしれないわ」

「それは嫌よ」

「それでも他国の王女様とは国と国が絡んでいるからエドワード王子も王女様を邪険には出来ないでしょ?

エドワード王子の愛を独占している愛しいレーナさんは王女様からしたら邪魔になる存在だと思うの」

「そうなの?」

「ええ、他国の王女様にはこの国のしきたりは通用しないのよ。残念ながらね」

「しきたり?」

「この国は男性の方が立場が上なの。女性は男性に口答え出来ないの。だからエドワード王子がスカーレット様と婚姻した後でレーナさんの存在が明るみになったとしても、スカーレット様に「黙って従え」と言えば済む話だもの。

だからね?婚約中は仲良く過ごしてって頼んでみたら?」

「でも、それだとエドワードはスカーレットを好きにならない?」

「そこはレーナさんが虜にし続ければ済む話でしょ?今だってエドワード王子の愛を独占しているのはレーナさんよ?

それに学園を卒業するエドワード王子にはもうレーナさんを助ける事は出来ないのよ?もしレーナさんの存在をスカーレット様が知ったら嫌がらせをされるのよ?でも助けてくれるエドワード王子は、もういない。

レーナさんは一人で耐えられるの?」

「それは無理よ」

「でしょ?レーナさんの存在を知るのは婚姻した後がいいと思うの。これはレーナさんの身を護る為、にもよ?

エドワード王子にスカーレット様と婚姻するまでは秘密の恋人になりましょ?ってレーナさんが言ったら、愛しいレーナさんの可愛いお願いを聞いてくれると思うわ。

嫉妬して可愛いと、どんどんレーナさんの虜になるわね?」

「そうよね、私の身を護る為よね、分かったわ。結婚するまでは秘密の恋人になって結婚したら堂々とエドワードとの仲をスカーレットに、皆に見せびらかすわ」

「それがいいわ。それに秘密の恋人なんて何か悪い事をしているようでいい刺激になりそうね?」

「それもそうね。シャーロット、いつもありがとう」

「私もエドワード王子とレーナさんの愛を応援している一人だもの」


レーナさんは足取り軽く私の前を去って行った。


「聞いていたわね」

「はい」

「スカーレット様は必ずエドワード王子の婚約者になるわ、私が婚約者にするから。婚約者になったら二人の接触は回避して」

「承知」



あれから私が婚約破棄されて目の前のスカーレット様が婚約者になった。まだレーナさんの存在には気づいていない。


「ふふっ」


役者はそろったわ!



しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

[完結]不実な婚約者に「あんたなんか大っ嫌いだわ」と叫んだら隣国の公爵令息に溺愛されました

masato
恋愛
アリーチェ・エストリアはエスト王国の筆頭伯爵家の嫡女である。 エストリア家は、建国に携わった五家の一つで、エストの名を冠する名家である。 エストの名を冠する五家は、公爵家、侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家に別れ、それぞれの爵位の家々を束ねる筆頭とされていた。 それ故に、エストの名を冠する五家は、爵位の壁を越える特別な家門とされていた。 エストリア家には姉妹しかおらず、長女であるアリーチェは幼い頃から跡取りとして厳しく教育を受けて来た。 妹のキャサリンは母似の器量良しで可愛がられていたにも関わらず。 そんな折、侯爵家の次男デヴィッドからの婿養子への打診が来る。 父はアリーチェではなくデヴィッドに爵位を継がせると言い出した。 釈然としないながらもデヴィッドに歩み寄ろうとするアリーチェだったが、デヴィッドの態度は最悪。 その内、デヴィッドとキャサリンの恋の噂が立ち始め、何故かアリーチェは2人の仲を邪魔する悪役にされていた。 学園内で嫌がらせを受ける日々の中、隣国からの留学生リディアムと出会った事で、 アリーチェは家と国を捨てて、隣国で新しい人生を送ることを決める。

婚約破棄?ああ、どうぞお構いなく。

パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢アミュレットは、その完璧な美貌とは裏腹に、何事にも感情を揺らさず「はぁ、左様ですか」で済ませてしまう『塩対応』の令嬢。 ある夜会で、婚約者であるエリアス王子から一方的に婚約破棄を突きつけられるも、彼女は全く動じず、むしろ「面倒な義務からの解放」と清々していた。

愛のない貴方からの婚約破棄は受け入れますが、その不貞の代償は大きいですよ?

日々埋没。
恋愛
 公爵令嬢アズールサは隣国の男爵令嬢による嘘のイジメ被害告発のせいで、婚約者の王太子から婚約破棄を告げられる。 「どうぞご自由に。私なら傲慢な殿下にも王太子妃の地位にも未練はございませんので」  しかし愛のない政略結婚でこれまで冷遇されてきたアズールサは二つ返事で了承し、晴れて邪魔な婚約者を男爵令嬢に押し付けることに成功する。 「――ああそうそう、殿下が入れ込んでいるそちらの彼女って実は〇〇ですよ? まあ独り言ですが」  嘘つき男爵令嬢に騙された王太子は取り返しのつかない最期を迎えることになり……。    ※この作品は過去に公開したことのある作品に修正を加えたものです。  またこの作品とは別に、他サイトでも本作を元にしたリメイク作を別のペンネー厶で公開していますがそのことをあらかじめご了承ください。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?

きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。 しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……

【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ

リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。 先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。 エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹? 「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」 はて、そこでヤスミーンは思案する。 何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。 また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。 最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。 するとある変化が……。 ゆるふわ設定ざまああり?です。

【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。

こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。 彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。 皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。 だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。 何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。 どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。 絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。 聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──…… ※在り来りなご都合主義設定です ※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です ※つまりは行き当たりばったり ※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください 4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!

処理中です...