転生なの?召喚なの?

陽真

文字の大きさ
14 / 36
第一章 

力の測定①

しおりを挟む
食事の後、俺達は女神の間に来ていた。
ここでは女神から授かった加護の確認をすることが出来る。
五歳くらいの時に一度測ったが、成長しているのか楽しみだ。
「では測定をしてもらおう」
父様の一声で、ザワザワとしていた空気が一気に静まり返った。
「あの、具体的に何をすれば‥‥‥」
先生が恐る恐る父様に聞くと、父様は横にいた騎士と一言二言会話をすると騎士はその場からいなくなり、戻ってきた時には両手に水晶を抱えていた。

「この水晶に触れるだけでよい」
実例を示すためか水晶を持ってきた騎士に水晶に触れさせた。
すると水晶の上の方に液晶パネルのようなものが浮かび上がってきた。
その様子で流れがわかったのか皆んな自分がどんな力を持っているのかと、ワクワクしている様子だった。

触れる順番はジャンケンで決めることになり、その結果、華深、鳴宮、絢香、中冨、先生、俺、雫、そして春川の順番になった。
「僕からだね。出来れば魔法系が良いな」
そう言いながら華深が水晶に触れると水晶が光、その上に名前やスキルが書かれたものが浮かび上がってきた。

名前  カフカ・ヤナギシロ
レベル 5
年齢  16歳
種族  人族
職業   ?
魔法属性 五属性+付属性
固有スキル 五属性行使 付属性行使 神眼
      全言語理解
加護  女神ルルーユの加護 魔法加護
称号  女神の寵愛を受けし者 異世界人 
    転移者 魔法の申し子

「これは‥‥‥‥。想像以上だな」
父様が華深の結果に感嘆を漏らしながら言う横で、当の華深は魔法系だったことをとても喜んでいた。
「やった!魔法系だ。しかも結構チートじゃん。女神様に感謝しなきゃ」
なんというか、ジングンリアとやっぱり気が合いそうだな。

次は鳴宮か。
すごくなんか心配なんだけど。
「次はこの俺か。もう目に見えているだろ?この俺はチート路線確定なんだよなぁ」
煽るように鳴宮は言った。
これであんまりチートでなくても同情はしないな。

名前  ルト・ナルミヤ
レベル 3
年齢  16歳
種族  人族
職業   ?
魔法属性 水
固有スキル 速達 全言語理解 
加護  女神ルルーユの加護 刀剣加護
称号  女神の寵愛を受けし者 異世界人 
    転移者 

「やばすぎるだろ。女神の加護に刀剣ってことは俺、剣の才能か!やっぱり俺は選ばれ者なんだな」
鳴宮のスキルが浮かび上がると、俺達はなんともいえない微妙な空気になっていた。
鳴宮を除いて。

なんというか、普通?
この世界基準で行けば、まぁまぁなチートなのかも知れないが、華深があんなとんでもないスキルを出したものだからなんともいえない空気になってしまった。
「どうしたんだ?あ、俺のスキル見て固まってんだな。後に続くお前達が可哀想だよ。でも、早見さんは何が出ても僕が守るからね」
絢香に向かってカッコつけながら言う。
ずっと思っていたんだけど、絢香に喋りかける時だけは一人称が〝俺〟じゃなくて〝僕〟なんだよな。
キャラぶれぶれなんだけど、気づいてないのだろうか。

「あ、うん。ありがとう」
若干、遠慮がちに絢香は言った。
「じゃ、次行くぞ。絢香か」
「そうだね、行ってくる」
そう言って絢香は水晶の方に向かって行った。

名前  アヤカ・ハヤミ
レベル 5
年齢  16歳
種族  人族
職業   ?
魔法属性 五属性+聖属性
固有スキル 成長加速 全言語理解 
加護  女神ルルーユの加護 魔法加護
称号  女神の寵愛を受けし者 異世界人 
    転移者 癒しの聖女

「せ、聖女‥‥?やったー?」
絢香は自分の結果に喜んでいいのか、分からない様子でいた。
「聖女‥‥‥」
父様はその結果に言葉も出ない様子だ。

それもそのはずで確か聖女とはこの国、世界において女神の寵愛をその身に多く受け、聖なる力を操ることに秀でた存在だ。
これまでの二人も女神の寵愛を受けていたが、それらとは比にならないほどだ。
因みに、聖女には水の聖女、癒しの聖女、大地の聖女があり、その中でも癒しの聖女がもっとも権威があるとされている。

「おぉ。なんか凄いな。でも、聖女とか絢香に一番無縁なものだよな」
「うるさいな。あ、次、中冨さんだよね」
絢香は雫に軽く抗議すると、中冨に言った。
「そうよ。まぁ、私は何が出てもいいけど」
そうぶつぶつと言いながら水晶の方へ行った。

名前  アイリ・ナカトミ
レベル 5
年齢  16歳
種族  人族
職業   ?
魔法属性 土+無属性
固有スキル 全言語理解 経験値上昇
加護  女神ルルーユの加護 防御加護
称号  女神の寵愛を受けし者 異世界人 
    転移者 攻撃を受ける者 攻撃を防
    ぐ者

「ん?わ、私が、この私が攻撃を受けなければいけないの?こう言うのは男の仕事でしょ。なんで、この私がしなくちゃいけないのよ!」
中冨はヒステリックを起こしたように叫び、周りにあったものに当たり始めた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

『伯爵令嬢 爆死する』

三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。 その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。 カクヨムでも公開しています。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

こうしてある日、村は滅んだ

東稔 雨紗霧
ファンタジー
地図の上からある村が一夜にして滅んだ。 これは如何にして村が滅ぶに至ったのかを語る話だ。

半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜

侑子
恋愛
 小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。  父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。  まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。  クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。  その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……? ※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。

処理中です...