転生なの?召喚なの?

陽真

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第一章 

自己紹介

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「陛下、お連れしました」
メアリーが食事の間の扉を開け、父様達に恭しく礼をすると、俺達を席へと案内した。
すでに先生や女子の面々は来ていたらしく、緊張した様子で席に座っていた。
中冨は他の三人と比べると大分落ち着いついるように見えた。
財閥のお嬢様は伊達じゃないってことか。
「よく来た。席にかけてくれ」
「「「し、失礼します」」」
俺達も父様の言葉通り席についた。
財閥の御曹司なのに鳴宮は物凄く緊張している‥‥‥。

テーブルは昔はとても大きく見えていたけど、やっぱり今も大きい。
俺達が全員座ってもまだ余裕がある。
この家族って俺含め五人だよね?
「遅い!」
絢香の横に座ると小声で苦情を言ってきた。
「悪い。ごたついててな」
「何かあったの?あ、そうだ聞いてよ。何でか私達この世界の人と話せるようになってたんだよ」
「知ってる。俺達、その件で遅れたんだよ」
少し興奮気味の絢香に雫は淡々と返した。

「召喚者達よ。女神ルルーユのご加護か、我々の国の言葉を理解出来るようになられたようだな。その他の加護についても確認したいが、その前に食事の席を設けた。お口に合うか分からないが存分に食べてくれ」
父様の威厳たっぷりの声に皆んなは体を強張らせながら、食事が始まった。

「実りある食事に感謝を」
「では、私も実りある食事に感謝を」
しばらく、緊張で手を付けられずにいるとそれを見兼ねたのか父様と兄様が食事を始めた。
その様子を見て雫達は恐る恐る食べ始めた。
「‥‥‥いただきます。うまい」
「本当だ。美味しい」
目を丸めて食事を見ている雫達に若干笑いそうになりながら俺も食事を始めた。
「いただきます」
「あら、皆様の世界では食事の前に、いただきます。というのですか?」
姉様は不思議そうに聞いてきた。
誰が答えれば良いのか、全員が全員を見つめ合う形になってしまった。

「えっと、はい。私達の国ではいただきますというがマナーと言いますか。あるんです。この世界では別の言葉を言っておられたようですが、多分それと同じ感じだと思います」
先生が恐る恐るといった感じで姉様の質問に答えた。
「あ、実りある食事に感謝を、ですね。これは女神ルルーユとこの作物を育てた者たちへの感謝の気持ちで言っているんですよ」
「やっぱり、同じような意味なんですね」
「世界を超えても同じような意味のある言葉があるなんてとても素敵ですね」
「そうですね」
姉様と先生は互いに微笑み合いながら話す。
大分、先生の方は会話に慣れてきているように見えた。

「サーナ、あまり食事中に話すものではありませんよ。皆様がお食事を楽しめないでしょう。申し訳ありません。あら、そう言えばお名前を伺っていませんでしたね。教えていただけますか?私はマユリ・シーリスです」
「私は時雨月歌、ツキカ・シグレの方が良いですかね。この子達は私の教え子達です」
先生は母様に自己紹介をすると俺達に目線を向けた。

そこから食事を進め、食後のデザートとが運ばれてきたタイミングでお互いの自己紹介タイムに入った。
「えっと、先程をお教えしましたが、私はツキカ・シグレです。一応、保護者代理になると思います」
その後は先生の右側の席から順にしていくことになった。
「どうも。マユリ様、私はアイリ・ナカトミと申します。サーナ様、宜しくお願いしますね」
中冨は完璧な笑顔を貼り付けて自分の自己紹介をした。
ぴったりと本性を隠した笑みだ。
地球よりも社交界というものが発達しているこの世界で経験を積んできた姉様や母様にその笑みが通じるのかは、分からないけど。

「わ、私はアキ・ハルカワです。宜しくお願いします」
「あ、次、私か。私はアヤカ・ハヤミです。宜しくお願いします」
「俺はシズク・コウサカです。宜しくお願いします」
雫まで来て次は俺の番だった。

正直、この世界での名前を名乗りたい気持ちはある。
だけどここで名乗ってしまえば、俺の正体がバレてしまう。
だから今は‥‥‥。
「俺はハルヤ・シノミヤです。宜しくお願いします」
俺の自己紹介に父様達は少し寂しそうな表情を見せた。
「次は僕か。僕はカフカ・ヤナギシロです。魔法とか興味あります。宜しくお願いします」
華深はしっかりと自分の宣伝を行なって自己紹介をした。
最後の鳴宮は緊張で声が出ないらしい。
いつもは威勢が良い分、緊張する時はとことん緊張するタイプらしい。
「はぁ。最後はルト・ナルミヤです」
鳴宮の声が出そうにないので仕方なくと言った感じで雫が代わりに挨拶をした。

その挨拶を聞き終わると姉様が口を開いた。
「皆さん宜しくお願いしますね。では、こちらも挨拶致しますね。私はサーナ・シーリスです。ここシーリス王国の第一王女です」
「僕はナリアス・シーリス。サーナの兄でこの王国の第一王子です。分からないことがあれば聞いてくださいね」
相変わらず兄様の笑顔は凄まじい。
雫というイケメンがいたからか大抵のイケメンに微笑まれても微動だにしなかった絢香が少し頬を染めている。
姉様と兄様の自己紹介が終わると、母様がゆったりと挨拶を始めた。

「私はマユリ・シーリスと申します。この子達の母でシーリス王国の王妃をしております。宜しくお願いしますね」
「最後は私だな。私はダグラス・シーリス。シーリス王国第238代国王だ。分からぬ部分も多々あると思うが、この国で快適に暮らして貰えるように取りはかろう」
父様の威厳たっぷりの声で、互いの自己紹介が終わった。


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