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新しい生活
この街に来て、別邸に来て、数日が過ぎ去った。
私自身も、共についてきてくれたハンナも随分とこの生活にも慣れてきて楽しく穏やかに過ごしている。
穏やかだけど活気のある街の散策も何度かした。まだ傷が完全に塞がっていない私を心配してハンナがいつも付き添ってゆっくりと歩いてくれる。街の人たちもそんな私たちに優しく声をかけてくれるし、この地を治める領主の娘だろ言うことをわかった上で、気さくに話しかけてくれるのが嬉しかった。
小さな頃は何度か家族で来たことがあったけれど、その時もこんなふうに声をかけてくれたことを思い出す。
「アリシアお嬢様、おはよう、調子はどうだい?」
「おはよう。今日はお天気もいいし傷も痛まないしとってもいい気分よ」
「そりゃよかった。これちょっと傷ものになってるから売り物にできない林檎なんだけど、よかったら持ってかないかい?」
「あら、いいの?」
「むしろお嬢様にこんなもん渡して悪いんだけどねぇ」
「とっても嬉しいわ! ありがとう」
市場を歩けば露店の店主たちが声をかけてくれて、たまにこうして何かくれたりする。なんだかこういうのは新鮮で少し楽しいの。賑やかで忙しないこの通りは何かを考え込む余裕なんて与えてくれない。
「アリシア様、帰る前に少しお茶でも飲んで行きませんか?」
ハンナが近くのカフェを指差した。
いつもは侍女服姿だったから、こちらにきてからの動きやすい私服姿は新鮮でとても可愛い。休暇なのだからと言って侍女服は禁止にさせてもらったの。
このくらいのわがままは許されるでしょう?
嬉しそうにくるくると動き回るハンナを見ていると着いてきてくれて本当によかったと思うの。
「そうね。まだ行った事がないお店だし、少し早いけどお昼を頂いていきましょう」
人の通りが多いこの街は宿屋や飲食店が多く立ち並んでいる。毎日回っても全部のお店をなかなか回りきれないくらい。
入ったカフェは少し落ち着いた雰囲気の内装だった。インテリアに拘っているようで、壁にかけられたドライフラワーも椅子やテーブルの透かし彫りも目を惹かれる。主張しすぎないセンスの良さで、若い女性やカップルだけでなく男性や年配の女性も多かった。
「アリシア様! このお店大当たりですね! すっごく美味しいです!!」
頼んだパンケーキを頬張るハンナを見ながら私も頼んだ野菜と卵のガレットを口に運んだ。
「あら、本当、美味しいわ」
思わず頬が緩むのを感じる。お茶の種類も豊富だし、確かに当たりかもしれない、とハンナと二人笑い合った。
随分とゆったりした時間を過ごしていると思う。社交界からも離れ、王都の噂も気にしなくていい、今まで手伝っていた仕事もしていないし、そんなに大きくない屋敷で私とハンナと、たまに通いのお手伝いさんがいるだけ。だから女主人として屋敷を取り仕切るなんてこともないのだから。
少しだけ離れた席から賑やかな声が聞こえて目をむけてみれば、若い夫婦と3歳ほどの男の子が座っていた。
「あら、お口にソースが付いているわよ」
「まま、あいす!!」
「あと一口食べ終わってからだな」
「あいっ」
優しそうな視線の夫婦に挟まれて、男の子が元気よく返事をしながら小さくて短い手を必死にあげていた。店内の他の客たちもそれを暖かく微笑しげに見守っている。
すごく、すごく幸せそうで、私もなんだか優しい気持ちになって、それから、泣きたくなった。どうしてかしら、こんなに幸せな空間なのに。
「アリシア様……」
そんな私に気づいてしまったのか、ハンナが悲しそうな顔をしたから、慌てて笑顔を作り直す。表情を完璧に作るなんてこと、感情を隠して笑顔を作るなんてこと、貴族令嬢として、そしてエルネストの妻として慣れている簡単なことなのだから。
「デザートは何にしようかしら。ハンナも食べるでしょう?」
メニューを見て悩むフリをする。
しばらくデザートのページを見つめていれば、全て美味しそうで迷ってしまって本当に意識が逸れてしまった。
帰ったら今日は刺繍でもしようかしら。
ああ、でも、そういえば先生が来てくれる日だったわね。お菓子でも買って帰りましょう。
***
「こんにちは、アリシアお嬢様」
屋敷に帰ってきて一息ついた頃、訪ねてきたのは眼鏡をかけて髪を紐で結んでいる優しそうな青年。
茶色の髪は癖っ毛で何度とかしてもぴょこぴょこと跳ねてしまうらしいそれを気にして、少しだけ伸ばして一括りにしている、というのは本人から聞いたこと。
少し気弱そうにも見えるけど、それは優しさの顕なんだということは、この数日でよくわかった。だから私も安心して笑顔で迎え入れることができる。
「こんにちは、ヘイリーウッド先生」
玄関までお迎えに出ていけば、先生は眉尻を下げて笑った。
「僕はただの薬師で先生というほど大したものではないと何度も言ってるではありませんか」
「あら、でも私の主治医ですもの」
トーイ・ヘイリーウッド先生。先生はまだ若いけれどとても優秀な薬師様。この街に大きな医院はないけれど、こうして親身になって話を聞いてくれるような薬師様が何人かいる。
こちらにきてからはこのヘイリーウッド先生が薬を持って、こうして定期的に足を運んできてくれるの。薬はとてもよく効くし、診断も細かくて正確、街での評判もいいし、精神的なサポートもしてくれる。だからこうして先生とお茶をする時間は私にとっても心地いい。
「さあ、先生、今日もお茶とお菓子を用意しましたの。どうぞ」
「いつもすみません……。貴女は患者様なのに毎回ご馳走になってしまって……」
「いいんですよ。先生と話すの、私も楽しいんですから」
先生の診察は雑談にしか感じない。嫌なところには触れてこないし、貴族が好きな駆け引きもない。けれどおすすめの紅茶やハーブティー、それからアロマやお香まで教えてくれる。着るドレスの色でも気分が変わるの。先生がお勧めしてくれるものを使うと不思議と心が穏やかになることが多くてなんだか魔法みたいで面白い。
「あの、先生じゃなくてトーイでいいですよ。前も言いましたが……」
先生と、ハンナと三人でテーブルを囲んでお茶をする。ここにきてからはハンナもずっと一緒。食事もお茶の時間も給仕はしてくれるけれど、その後は席に座ってもらっている。一人ではやっぱり何だか、少し寂しいから。
照れたように言う先生は私より少し年上だと聞いたけれど、何だか少年のようでもある。
「あら、そんなこと、恐れ多いです。先生に懸想する女性たちに怒られてしまうもの」
「僕にそんな女性いませんよ」
先生は苦笑した。なぜか少しだけ残念そうな顔で笑っている。
先生はいつも私に気を使ってくれて、緊張をなくそうとしてくれるみたいに気安く接してくれるけれど、あまり親密な態度を取るのは申し訳ないもの。
先生は自分は冴えなくてモテないので、なんて言っていたけど、女の子たちがこっそり影から先生のことを見つめているのを何度か見たことがある。本人は気付いていないようだけど。
この街は旅人が多いし、力仕事をしている男性が多いから、逆に先生みたいな優しく壊れ物を扱うかのように接してくれるのはときめいてしまうんだと思うの。
私はもう結婚も経験したし、貴族社会にも身を置いているから、ときめきとか恋愛感情なんてものはとっくに忘れてしまったけれど。エルネストのことはずっとずっと好きだけど、でも胸の高鳴りとかそんな激しい感情はもうずっと感じていない。
先生はエルネストとは全く違う。彼は一瞬でも私だけを見てくれることはなかった。先生は患者としてこの時この瞬間だけは、確かに私だけのことを考えてくれている。
彼は私にこんなふうに笑うかけてくれたこと、あったかしら。なんて考えて笑ってしまいそうになる。ない、わね。邪険にされていたわけでもないけれど、彼は私と一緒にいて楽しい、なんて思ったこときっとないわ。私の前での彼はいつだって生真面目で甘やかな雰囲気なんてものは知らない。
気は抜いていてくれていたとは思うけど、もしかしたらそれも私の願望だったのかもしれない。
王女様の隣にいることこそが、護れることこそが彼の幸せであったことは確かだけど。私にもほんの少しくらい、そんな感情が向いたことがあったらいいのに。
そう願うことくらいは、許されるわよね。
「今日も街に降りていたと聞きましたが、傷は痛んだりしませんか?」
「ええ、痛みももうほとんどないんです」
「それはよかったです。でも、無理はしないでくださいね」
「先生の薬とお勧めのお茶があればすぐによくなりそう」
それは本心だった。本当に元気になれる気がするの。今も元気なんだけれどね。
「それは、気合を入れてお勧めを選ばなければいけませんね」
先生が笑ったから、私も応えるように笑った。
「お薬も飲みやすいし、お茶も王都で買うものに負けてないからハンナと二人でいつも楽しみにしてるんです」
「本当に美味しくて私もアリシア様と先生のお茶を飲む時間が最近の幸せです! この街の人たちもみーんな優しくていい人で、きてよかったですよね」
ハンナの無邪気な笑顔が眩しくてまた少し心が軽くなる。
「本当に、ここにきてから考え込むことがなくなって、気分がいいの。気にしていないと思っていたけど、私、本当は案外傷ついていたのかしらね」
ふふっと笑ってみる。笑って言えるくらいには私はもう気にしていない。本当に、気にしていないの。
このまま、エルネストのことも忘れてしまえたらいいのに。
私自身も、共についてきてくれたハンナも随分とこの生活にも慣れてきて楽しく穏やかに過ごしている。
穏やかだけど活気のある街の散策も何度かした。まだ傷が完全に塞がっていない私を心配してハンナがいつも付き添ってゆっくりと歩いてくれる。街の人たちもそんな私たちに優しく声をかけてくれるし、この地を治める領主の娘だろ言うことをわかった上で、気さくに話しかけてくれるのが嬉しかった。
小さな頃は何度か家族で来たことがあったけれど、その時もこんなふうに声をかけてくれたことを思い出す。
「アリシアお嬢様、おはよう、調子はどうだい?」
「おはよう。今日はお天気もいいし傷も痛まないしとってもいい気分よ」
「そりゃよかった。これちょっと傷ものになってるから売り物にできない林檎なんだけど、よかったら持ってかないかい?」
「あら、いいの?」
「むしろお嬢様にこんなもん渡して悪いんだけどねぇ」
「とっても嬉しいわ! ありがとう」
市場を歩けば露店の店主たちが声をかけてくれて、たまにこうして何かくれたりする。なんだかこういうのは新鮮で少し楽しいの。賑やかで忙しないこの通りは何かを考え込む余裕なんて与えてくれない。
「アリシア様、帰る前に少しお茶でも飲んで行きませんか?」
ハンナが近くのカフェを指差した。
いつもは侍女服姿だったから、こちらにきてからの動きやすい私服姿は新鮮でとても可愛い。休暇なのだからと言って侍女服は禁止にさせてもらったの。
このくらいのわがままは許されるでしょう?
嬉しそうにくるくると動き回るハンナを見ていると着いてきてくれて本当によかったと思うの。
「そうね。まだ行った事がないお店だし、少し早いけどお昼を頂いていきましょう」
人の通りが多いこの街は宿屋や飲食店が多く立ち並んでいる。毎日回っても全部のお店をなかなか回りきれないくらい。
入ったカフェは少し落ち着いた雰囲気の内装だった。インテリアに拘っているようで、壁にかけられたドライフラワーも椅子やテーブルの透かし彫りも目を惹かれる。主張しすぎないセンスの良さで、若い女性やカップルだけでなく男性や年配の女性も多かった。
「アリシア様! このお店大当たりですね! すっごく美味しいです!!」
頼んだパンケーキを頬張るハンナを見ながら私も頼んだ野菜と卵のガレットを口に運んだ。
「あら、本当、美味しいわ」
思わず頬が緩むのを感じる。お茶の種類も豊富だし、確かに当たりかもしれない、とハンナと二人笑い合った。
随分とゆったりした時間を過ごしていると思う。社交界からも離れ、王都の噂も気にしなくていい、今まで手伝っていた仕事もしていないし、そんなに大きくない屋敷で私とハンナと、たまに通いのお手伝いさんがいるだけ。だから女主人として屋敷を取り仕切るなんてこともないのだから。
少しだけ離れた席から賑やかな声が聞こえて目をむけてみれば、若い夫婦と3歳ほどの男の子が座っていた。
「あら、お口にソースが付いているわよ」
「まま、あいす!!」
「あと一口食べ終わってからだな」
「あいっ」
優しそうな視線の夫婦に挟まれて、男の子が元気よく返事をしながら小さくて短い手を必死にあげていた。店内の他の客たちもそれを暖かく微笑しげに見守っている。
すごく、すごく幸せそうで、私もなんだか優しい気持ちになって、それから、泣きたくなった。どうしてかしら、こんなに幸せな空間なのに。
「アリシア様……」
そんな私に気づいてしまったのか、ハンナが悲しそうな顔をしたから、慌てて笑顔を作り直す。表情を完璧に作るなんてこと、感情を隠して笑顔を作るなんてこと、貴族令嬢として、そしてエルネストの妻として慣れている簡単なことなのだから。
「デザートは何にしようかしら。ハンナも食べるでしょう?」
メニューを見て悩むフリをする。
しばらくデザートのページを見つめていれば、全て美味しそうで迷ってしまって本当に意識が逸れてしまった。
帰ったら今日は刺繍でもしようかしら。
ああ、でも、そういえば先生が来てくれる日だったわね。お菓子でも買って帰りましょう。
***
「こんにちは、アリシアお嬢様」
屋敷に帰ってきて一息ついた頃、訪ねてきたのは眼鏡をかけて髪を紐で結んでいる優しそうな青年。
茶色の髪は癖っ毛で何度とかしてもぴょこぴょこと跳ねてしまうらしいそれを気にして、少しだけ伸ばして一括りにしている、というのは本人から聞いたこと。
少し気弱そうにも見えるけど、それは優しさの顕なんだということは、この数日でよくわかった。だから私も安心して笑顔で迎え入れることができる。
「こんにちは、ヘイリーウッド先生」
玄関までお迎えに出ていけば、先生は眉尻を下げて笑った。
「僕はただの薬師で先生というほど大したものではないと何度も言ってるではありませんか」
「あら、でも私の主治医ですもの」
トーイ・ヘイリーウッド先生。先生はまだ若いけれどとても優秀な薬師様。この街に大きな医院はないけれど、こうして親身になって話を聞いてくれるような薬師様が何人かいる。
こちらにきてからはこのヘイリーウッド先生が薬を持って、こうして定期的に足を運んできてくれるの。薬はとてもよく効くし、診断も細かくて正確、街での評判もいいし、精神的なサポートもしてくれる。だからこうして先生とお茶をする時間は私にとっても心地いい。
「さあ、先生、今日もお茶とお菓子を用意しましたの。どうぞ」
「いつもすみません……。貴女は患者様なのに毎回ご馳走になってしまって……」
「いいんですよ。先生と話すの、私も楽しいんですから」
先生の診察は雑談にしか感じない。嫌なところには触れてこないし、貴族が好きな駆け引きもない。けれどおすすめの紅茶やハーブティー、それからアロマやお香まで教えてくれる。着るドレスの色でも気分が変わるの。先生がお勧めしてくれるものを使うと不思議と心が穏やかになることが多くてなんだか魔法みたいで面白い。
「あの、先生じゃなくてトーイでいいですよ。前も言いましたが……」
先生と、ハンナと三人でテーブルを囲んでお茶をする。ここにきてからはハンナもずっと一緒。食事もお茶の時間も給仕はしてくれるけれど、その後は席に座ってもらっている。一人ではやっぱり何だか、少し寂しいから。
照れたように言う先生は私より少し年上だと聞いたけれど、何だか少年のようでもある。
「あら、そんなこと、恐れ多いです。先生に懸想する女性たちに怒られてしまうもの」
「僕にそんな女性いませんよ」
先生は苦笑した。なぜか少しだけ残念そうな顔で笑っている。
先生はいつも私に気を使ってくれて、緊張をなくそうとしてくれるみたいに気安く接してくれるけれど、あまり親密な態度を取るのは申し訳ないもの。
先生は自分は冴えなくてモテないので、なんて言っていたけど、女の子たちがこっそり影から先生のことを見つめているのを何度か見たことがある。本人は気付いていないようだけど。
この街は旅人が多いし、力仕事をしている男性が多いから、逆に先生みたいな優しく壊れ物を扱うかのように接してくれるのはときめいてしまうんだと思うの。
私はもう結婚も経験したし、貴族社会にも身を置いているから、ときめきとか恋愛感情なんてものはとっくに忘れてしまったけれど。エルネストのことはずっとずっと好きだけど、でも胸の高鳴りとかそんな激しい感情はもうずっと感じていない。
先生はエルネストとは全く違う。彼は一瞬でも私だけを見てくれることはなかった。先生は患者としてこの時この瞬間だけは、確かに私だけのことを考えてくれている。
彼は私にこんなふうに笑うかけてくれたこと、あったかしら。なんて考えて笑ってしまいそうになる。ない、わね。邪険にされていたわけでもないけれど、彼は私と一緒にいて楽しい、なんて思ったこときっとないわ。私の前での彼はいつだって生真面目で甘やかな雰囲気なんてものは知らない。
気は抜いていてくれていたとは思うけど、もしかしたらそれも私の願望だったのかもしれない。
王女様の隣にいることこそが、護れることこそが彼の幸せであったことは確かだけど。私にもほんの少しくらい、そんな感情が向いたことがあったらいいのに。
そう願うことくらいは、許されるわよね。
「今日も街に降りていたと聞きましたが、傷は痛んだりしませんか?」
「ええ、痛みももうほとんどないんです」
「それはよかったです。でも、無理はしないでくださいね」
「先生の薬とお勧めのお茶があればすぐによくなりそう」
それは本心だった。本当に元気になれる気がするの。今も元気なんだけれどね。
「それは、気合を入れてお勧めを選ばなければいけませんね」
先生が笑ったから、私も応えるように笑った。
「お薬も飲みやすいし、お茶も王都で買うものに負けてないからハンナと二人でいつも楽しみにしてるんです」
「本当に美味しくて私もアリシア様と先生のお茶を飲む時間が最近の幸せです! この街の人たちもみーんな優しくていい人で、きてよかったですよね」
ハンナの無邪気な笑顔が眩しくてまた少し心が軽くなる。
「本当に、ここにきてから考え込むことがなくなって、気分がいいの。気にしていないと思っていたけど、私、本当は案外傷ついていたのかしらね」
ふふっと笑ってみる。笑って言えるくらいには私はもう気にしていない。本当に、気にしていないの。
このまま、エルネストのことも忘れてしまえたらいいのに。
感想
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