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私は混雑する会場をキョロキョロとエリオ先生を探しながら歩いた。
「久しぶりだね!」
すると横から話しかけられる。
懐かしいその声にウルッとした。
しかし今はそれよりも優先すべき事柄がある私は先生の方をみた。
その時の私はすごい顔をしていただろう。
先生に会えて嬉しいのと、男性の心配と自分の秘密を知られてしまった焦りに表情を作れずにいた。
「先生! あの、オニキスさんと言う方が」
私は声を落として先生に話しかけた。
先生は私の様子から瞬時にただ事ではないと判断してくれた。
「どこ?」
笑顔が真顔になると私はテラスへと先生を誘導した。
テラスではオニキスさんが苦しそうに胸を抑えるはぁはぁと荒く息をしていた。
「急に具合が悪くなって……」
「ありがとう、オニキス大丈夫かい?」
エリオ先生が声をかけるとオニキスさんは目をうっすらと開いた。
「エリオ……先生、魔力が……」
喋りながらも苦しそうな顔をしている。
「ちょっと見せて」
先生がオニキスさんの胸に手を当てている。
そして渋い顔をすると手を離した。
「魔道具は?」
「この前新しくしたばかりです……」
「くそ、また増えたのか」
先生とオニキスさんは二人だけがわかるような会話をしている。
「先生、誰か助けを呼んできましょうか?」
私が心配になり声をかけた。
「いや、他の人に知られる訳には……そうだ!フィオナ!」
先生は私の顔を見ると思い出したかのように声を上げた。
「フィオナお願いだ、君の力でオニキスの魔力を吸ってあげてくれ」
「え?」
私はオニキスさんの前で秘密を言われて顔を青くする。
しかしオニキスさんはそれどこではないのかこちらの会話に気がついていないようだった。
「で、できません」
そんな事すれば秘密もばれるし、何よりオニキスさんが呪わるかも……
「お願いだフィオナ、彼は私にとって息子のように大事な子なんだ」
先生の必死な姿に私はハッとした。
私を唯一、人として扱ってくれ魔力の事を教えてくれた先生にここで恩を返さずにどうするのか!
私は先生から頂いたブレスレットを外した。
「オニキスさん、失礼します」
私はそう言うとオニキスさんの手に触れようとした。
しかし私が触った人達の表情が浮かんできて躊躇してしまう。
「大丈夫だよ」
すると後ろでエリオ先生が私の肩を叩いた。
私は深呼吸するとオニキスさんの手を握りしめた。
その瞬間オニキスさんの魔力が体に入り込んで来るのを感じた。
「あっ……」
私はその膨大な魔力に意識を手放してしまった。
◆
「フィオナ!」
エリオ先生の声が遠くから聞こえる。
俺は魔力量に押しつぶされ意識を失いそうになっていた。
しかし手に暖かいものが触れた瞬間体が軽くなる。
今まで感じたことの無い安らぎだった。
「オニキス!」
先生の声に目を開くと心配そうな顔が飛び込んできた。
「先生……」
答えるとホッと胸を撫で下ろす先生の腕に女性が横たわっている。
よく見ると私が倒れた時に先生を呼びに行ってくれた令嬢だった。
「まさか」
俺は愕然とした。
俺の魔力量はかなり多く近くにいる人にまで影響を与えるのだ。
彼女もそうかと思い、申し訳ない事をしたと思う反面自分の弱点を晒してしまったようで嫌な気持ちになる。
「先生、その人は?」
痛む胸を押さえながら話しかけると違和感を感じた。
今まで苦しかった胸がスッキリとしている。
「え?」
俺が唖然としていると先生が体に触って俺の魔力量を調べている。
「うん、正常になってる!」
先生は興奮した様子で俺の顔を見つめた。
「どういう事なんですか?」
「話はあとだ、彼女を介抱しないと」
「あっ、すみません。俺の魔力で気を失ったんですよね」
俺が謝るとエリオ先生がニヤリと笑った。
「話は後でゆっくりとしてあげる。今は彼女を運ぶよ」
先生が俺を掴むとパチンと指を鳴らした。
その瞬間、この王宮にある先生の部屋へと移動する。
先生は令嬢をベッドに寝かせた。
「この子はフィオナと言って僕の教え子なんだ。この事を知らせて来るから彼女を見ててね」
「でも、俺といると」
「彼女は大丈夫だから」
エリオ先生はそう言うと部屋を出ていってしまう。
俺は女と二人になり、顔を顰めた。
俺ははっきり言って女は苦手、と言うよりは嫌いだった。
女は男をステータスの道具としてしか見ていない。俺はこの国の公爵だ。
それが女にはかなり魅力的なようで何度もアプローチされたり誘いを受ける。
中にはいい関係になれた人もいたが、俺のいないところでは悪態をつく姿を見てしまい、この時女性の本心を見てしまった気がした。
それからは魔力量の事もあり、女性とは距離を取っていた。
寝ている女はフィオナと言っていたなとチラッと様子を伺う。
今日来ていると言うことは成人の儀を迎えた令嬢だろう。貴族にしては服が粗末でよく見ると縫って直したようなあとがある。
腕や足などかなり細く頬を少し痩せこけているように見え、健康状態も宜しくない感じがする。
「う、うん……」
すると彼女が身動ぎする。
「ご、ごめんなさい……」
まだ目を閉じている彼女を見るにうわ言だろう。
彼女は寝ながらうなされ涙を流していた。
「久しぶりだね!」
すると横から話しかけられる。
懐かしいその声にウルッとした。
しかし今はそれよりも優先すべき事柄がある私は先生の方をみた。
その時の私はすごい顔をしていただろう。
先生に会えて嬉しいのと、男性の心配と自分の秘密を知られてしまった焦りに表情を作れずにいた。
「先生! あの、オニキスさんと言う方が」
私は声を落として先生に話しかけた。
先生は私の様子から瞬時にただ事ではないと判断してくれた。
「どこ?」
笑顔が真顔になると私はテラスへと先生を誘導した。
テラスではオニキスさんが苦しそうに胸を抑えるはぁはぁと荒く息をしていた。
「急に具合が悪くなって……」
「ありがとう、オニキス大丈夫かい?」
エリオ先生が声をかけるとオニキスさんは目をうっすらと開いた。
「エリオ……先生、魔力が……」
喋りながらも苦しそうな顔をしている。
「ちょっと見せて」
先生がオニキスさんの胸に手を当てている。
そして渋い顔をすると手を離した。
「魔道具は?」
「この前新しくしたばかりです……」
「くそ、また増えたのか」
先生とオニキスさんは二人だけがわかるような会話をしている。
「先生、誰か助けを呼んできましょうか?」
私が心配になり声をかけた。
「いや、他の人に知られる訳には……そうだ!フィオナ!」
先生は私の顔を見ると思い出したかのように声を上げた。
「フィオナお願いだ、君の力でオニキスの魔力を吸ってあげてくれ」
「え?」
私はオニキスさんの前で秘密を言われて顔を青くする。
しかしオニキスさんはそれどこではないのかこちらの会話に気がついていないようだった。
「で、できません」
そんな事すれば秘密もばれるし、何よりオニキスさんが呪わるかも……
「お願いだフィオナ、彼は私にとって息子のように大事な子なんだ」
先生の必死な姿に私はハッとした。
私を唯一、人として扱ってくれ魔力の事を教えてくれた先生にここで恩を返さずにどうするのか!
私は先生から頂いたブレスレットを外した。
「オニキスさん、失礼します」
私はそう言うとオニキスさんの手に触れようとした。
しかし私が触った人達の表情が浮かんできて躊躇してしまう。
「大丈夫だよ」
すると後ろでエリオ先生が私の肩を叩いた。
私は深呼吸するとオニキスさんの手を握りしめた。
その瞬間オニキスさんの魔力が体に入り込んで来るのを感じた。
「あっ……」
私はその膨大な魔力に意識を手放してしまった。
◆
「フィオナ!」
エリオ先生の声が遠くから聞こえる。
俺は魔力量に押しつぶされ意識を失いそうになっていた。
しかし手に暖かいものが触れた瞬間体が軽くなる。
今まで感じたことの無い安らぎだった。
「オニキス!」
先生の声に目を開くと心配そうな顔が飛び込んできた。
「先生……」
答えるとホッと胸を撫で下ろす先生の腕に女性が横たわっている。
よく見ると私が倒れた時に先生を呼びに行ってくれた令嬢だった。
「まさか」
俺は愕然とした。
俺の魔力量はかなり多く近くにいる人にまで影響を与えるのだ。
彼女もそうかと思い、申し訳ない事をしたと思う反面自分の弱点を晒してしまったようで嫌な気持ちになる。
「先生、その人は?」
痛む胸を押さえながら話しかけると違和感を感じた。
今まで苦しかった胸がスッキリとしている。
「え?」
俺が唖然としていると先生が体に触って俺の魔力量を調べている。
「うん、正常になってる!」
先生は興奮した様子で俺の顔を見つめた。
「どういう事なんですか?」
「話はあとだ、彼女を介抱しないと」
「あっ、すみません。俺の魔力で気を失ったんですよね」
俺が謝るとエリオ先生がニヤリと笑った。
「話は後でゆっくりとしてあげる。今は彼女を運ぶよ」
先生が俺を掴むとパチンと指を鳴らした。
その瞬間、この王宮にある先生の部屋へと移動する。
先生は令嬢をベッドに寝かせた。
「この子はフィオナと言って僕の教え子なんだ。この事を知らせて来るから彼女を見ててね」
「でも、俺といると」
「彼女は大丈夫だから」
エリオ先生はそう言うと部屋を出ていってしまう。
俺は女と二人になり、顔を顰めた。
俺ははっきり言って女は苦手、と言うよりは嫌いだった。
女は男をステータスの道具としてしか見ていない。俺はこの国の公爵だ。
それが女にはかなり魅力的なようで何度もアプローチされたり誘いを受ける。
中にはいい関係になれた人もいたが、俺のいないところでは悪態をつく姿を見てしまい、この時女性の本心を見てしまった気がした。
それからは魔力量の事もあり、女性とは距離を取っていた。
寝ている女はフィオナと言っていたなとチラッと様子を伺う。
今日来ていると言うことは成人の儀を迎えた令嬢だろう。貴族にしては服が粗末でよく見ると縫って直したようなあとがある。
腕や足などかなり細く頬を少し痩せこけているように見え、健康状態も宜しくない感じがする。
「う、うん……」
すると彼女が身動ぎする。
「ご、ごめんなさい……」
まだ目を閉じている彼女を見るにうわ言だろう。
彼女は寝ながらうなされ涙を流していた。
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