魔力食いの令嬢は魔力過多の公爵に執着される

三園 七詩

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王宮での一件のあと私は熱を出した。

屋敷に帰るなり倒れたらしく部屋に運ばれて放置された。

しかし次の日の朝一番にエリオ先生が来てくれたそうで私の扱いに対してかなりご立腹だったらしく気がついた時はいつもよりまともな部屋で寝かされていた。

「フィオナ!」

先生は私が目を開けると目の前にいてくれた。
心配そうに綺麗な眉を下げている。

「せ、んせ……」

口が乾いて上手く言葉が出ないでいると水を飲ませてくれた。

「無理しないでゆっくり」

口が潤うと先生を見つめる。

「どうしてここに? それにこの部屋……」

ここは離れでも一番いい部屋だった。

「すぐに様子を見に行くって言ったでしょ……それよりもすまなかった」

エリオ先生は私に頭を下げた。

「先生、なんで謝るんですか?」

私は首を傾げる。

「君に無理をさせて熱を出させたんだ、まだこの力のことはよくわかってないのに」

先生の後悔する顔に私はクスッと笑う。
いつもなら無理難題の宿題を押し付ける癖にこんな神妙な顔をする先生は初めて見た。

「それよりオニキス様は?」

私としては力を使った方が心配だった。

「うん、君のおかげで助かったよ。本当にありがとう」

先生がニコッと笑うと私の胸はポカッと暖かくなる。

私の力が人の役に立ったことがすごく嬉しかった。今まで呪いや人を不幸にする力だと言われていたのに人を助ける事が出来たのだ。

「それで少し君の魔力量を調べたいんだけどいいかな?」

先生は私の体調を気にしているようだった。

しかし寝てスッキリしたのか私は熱もすっかり下がり体調も悪いところは無さそうだ。
ひとつお腹がすいてる以外は……

私はそんな恥ずかしい事は言えずにコクリと頷いた。

先生は私の頷く姿にホッとすると真剣な顔で私を見つめる。
そしてびっくりした顔をした。

「魔力量が……増えてる」

「え?」

先生の言葉に私も驚いた。
今まであれほど努力しても増えなかった魔力量が増えたと言われればそうなるだろう。

「フィオナ、何か魔法を使ってみて」

そう言われて私は簡単な生活魔法を使ってみる。
ちょうどシーツなど変えたかったので浄化魔法を布団に使った。

「浄化……」

あまり期待は込めずに唱えるとキラキラと目の前が輝いた!

その瞬間一瞬にして布団が新品のようになった。

「す、すごい!」

エリオ先生は目をまん丸にして驚いている。

「今、私の魔法ですか?」

私は信じられずに先生をみた。

先生は何度もコクコクと頷き肯定する。

「フィオナの魔法だよ!」

「うっ……」

私は両手で顔を覆い溢れる涙を受け止めた。

ひとしきり泣いているとぐぅとお腹が鳴ってしまった。

私が泣きながら赤面すると先生は笑って食事を用意してくれた。

それを食べながら先生が少し話をしてくれた。

私が魔力を吸った方はオニキス様といいこの国の公爵様だった。地位は高そうと思ったがまさかそこまでとはと思い顔を青くする。

「君のおかげで助かったんだよ!」

そんな私に先生は慌てて言い訳をしてくれた。

そして今私が魔法を使えたのはオニキス様の魔力を吸って自分の魔力に変えたらしい。

そんな事が出来たのかと私は自分を見て驚いた。

しかしその後先生が怖い顔をする。

「でもね、君の力は危険だ。魔力を吸えるって事は人を殺せるんだ、魔力が体から無くなるとどうなるかわかるよね?」

私は頷いた。
魔力を持つにあたって必ず一番最初に習う事だった。

人には必ず魔力があり、それは人によって異なる。そしてその魔力が空になると気を失う。
大体は少し休めば魔力量は回復するが長時間魔力量が戻らないとそのまま死んでしまうのだ。

まぁ大体、魔力が少なくなると疲れるのでそうなる前に皆休むからそれが原因で死ぬことはほとんどない。

しかし戦場など常に魔力を使わないといけない場所などではまれにそういう事で死ぬ人もいた。

「君の力は人の魔力を吸う事ができる。それは人を殺せるという事なんだ」

そう言われて頭が真っ白になった。
そして自分がそうしたことを想像して恐ろしくて体が震える。

「君の力を知ればそれを利用しようとする者は必ずいる。だからなるべくその力は人前で使わないようにするんだ」

私は涙を溜めながら先生を見て頷いた。

今になり自分の力が恐ろしくなる。
そしてハッとした。

「オニキス様は!」

私が魔力を吸ってしまった人を思い出した。
あの時は力の事など分からずに無我夢中でやった。もしかして吸いすぎてしまったのではないかと不安になる。

「彼は大丈夫、むしろその事で君にお願いもあるんだ」

「お願い?」

「うん、これから定期的に彼の魔力を吸って欲しいんだ」

「え?」

先生はニコニコとご機嫌に笑っている。

その様子にふざけているわけではなさそうだ。

「無理です!」

私はブンブンと首を横に振った!

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