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26 最後の後始末
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案内されたのは広い会議室。そこには男性が2人と女性が2人座っていた。
「向かって左から冒険者ギルド長のアッシュと副ギルド長のアベル。隣が商業ギルド長のマリベルと副ギルド長のサーシャです。そしてこれがここのギルドマスターで、私は副マスターのマリーです」
美人さん改めマリーさんに、紹介された彼らは紹介された時に軽く頭を下げた。
「えっと、冒険者のヨミです。よろしくお願いします」
マスターの名前は?と思ったけど、マスターも俺は?って顔でマリーさんを見ていたけど、気にしないようにした。
俺が進められた席に座ると、ギルドの職員が大量の料理と飲み物を机に並べて出ていった。
「さぁ、召し上がってください。その小さな方達も」
マスターが我先にと料理を取ろうとしたけど、マリーさんに止められ、マリーさんは先に俺に進めてきた。
マスターは、なにか言いたそうにマリーさんを見たけど、結局何も言わず手元の飲み物を飲みだした。
様子を見ていたラグ達も食べ物の誘惑には勝てなく、ラグは俺の胸をぺちぺちと叩き出せと催促し、レティ達はそれぞれバッグのポケットから出て、ジェムに机の上に連れていってもらっていた。
俺はラグを出して、取り皿に適当に料理を盛り、いつもの深皿を出してそこに飲み物を入れ、ラグ達の前に置いた。
そして俺も自分用に料理を盛り、飲み物をもらった。
俺が取り終わるのを確認したマスターは早速、直に料理をつまみ出してマリーさんに叱られていた。
他の人達は、そんな二人を無視して次々と取り皿に料理を盛っていっていた。そしてさすが女性の二人はマリーさんの分の料理と飲み物も用意してあげていた。
男性二人も、肉中心にマスターの分の料理を盛っていて、女性二人にサラダの山盛りを追加されていた。
ラグ達は周りを気にせずに食べ初めていたけど、俺は食べて良いのかわからず手付かずで様子を見ていた。
そんな俺に気づいたサーシャさんが
「あの二人は気にせずにどうぞ召し上がってください。お話は、、、もう少し後になりそうですので」
一度チラッとマスター達を見て、にっこりと言った。
俺もマスター達を見てから
「わかりました。ではいただきます」
アッシュさん達も食べ始め、マスターとマリーさんも説教され、説教しながらも食べ始めた。
説教と料理も一段落してから本題に入った。
「さて、腹も脹れたところで本題だ。ヨミが神に関係していると言うことは聞いている。言えないこともあるだろう。だが、こちらも“はい、そうですか”と言うわけにはいかなくてな」
マスターは、前置きをしてから
「今日の昼くらいから売り上げに不明金が見つかった。過去に遡ればここ数週間の間にも不明金が見つかった。全ての売り上げは、その日のうちに俺と副マスターで確認しているからこんなことはあり得ない、、なにか知っているか?」
え?そんなギルドの売り上げの事なんてわかるわけないよ!
俺が困惑していると、マリベルさんが
「不明金は誰から何かを買ったようなのです。それを買い付けた職人に確認してもわからないと言われてしまい。そこでふと思い出したのです。選定者の事を」
マリベルさんが言うには、選定者とはこの世界の神を見定めるもので、突然現れては突然消える存在。
その中で、誰かが居た形跡はあるのに誰もその存在を知らない、覚えていないという事もあったとか。
「今回の事はこれに当てはまるように思えたのです。ご存じの事があればお教え願えませんか」
十中八九、エリー絡みだろう。俺はラグ達を見た。ラグ達は互いに顔を見合わせて頷くと、俺にも頷いてくれた。
そして、ジェムがラグ達を捕まえ俺の肩に止まるとラグが
『育成者や邪神の事などは言わないように。話を合わせる為に、育成者を選定者として、選定者として相応しい行いをせず、世間を混乱に陥れたから強制退場して、世にあってはいけないものを売っていたいのでそれも回収し、再現されてはいけないので、選定者の事も含めて関わった全ての人達から記憶を消したってして。お金は初期投資金から出して補填してあげて。まぁ購入者全員って訳にはいかないけどね。悪事に使った人もいるわけだし。それに、実際に記憶などの消去をしたのは神ではなく、神聖獣達だから記されたものまでは消しきらなかったのかもね』
と念話で言ってきたので、言える部分をそのまま説明し、不明金の金額を聞いた。
「いや、お金に関しては気にしなくていい。あんたが実際に関わった訳ではないようだしな。しかし、選定者ってのは一人一匹って訳ではないんだな」
興味津々という目で、マスターは俺の肩にいるラグ達をまじまじと見ていた。
俺はなにも言えずにただ乾いた笑いをもらした。
俺からはこれ以上なにも情報は得られないとわかったマリーさんは
「ご協力ありがとうございます。本日の宿泊料はご協力いただいたのでお返ししますね。遅くまでお付き合い頂きありがとうございます。ごゆっくりお休みください」
マスターは座ったまま、他の人達は席を立ち俺を見送ってくれた。
俺は部屋に入るなりベッドに横になった。
ラグ達はジェムがとっさに避難させた。
「ああ、ごめんごめん。でもなんかどっと疲れが出て、、、あー、、だめだ、、ねむい、、」
俺はそのまま眠りに落ちた。
「向かって左から冒険者ギルド長のアッシュと副ギルド長のアベル。隣が商業ギルド長のマリベルと副ギルド長のサーシャです。そしてこれがここのギルドマスターで、私は副マスターのマリーです」
美人さん改めマリーさんに、紹介された彼らは紹介された時に軽く頭を下げた。
「えっと、冒険者のヨミです。よろしくお願いします」
マスターの名前は?と思ったけど、マスターも俺は?って顔でマリーさんを見ていたけど、気にしないようにした。
俺が進められた席に座ると、ギルドの職員が大量の料理と飲み物を机に並べて出ていった。
「さぁ、召し上がってください。その小さな方達も」
マスターが我先にと料理を取ろうとしたけど、マリーさんに止められ、マリーさんは先に俺に進めてきた。
マスターは、なにか言いたそうにマリーさんを見たけど、結局何も言わず手元の飲み物を飲みだした。
様子を見ていたラグ達も食べ物の誘惑には勝てなく、ラグは俺の胸をぺちぺちと叩き出せと催促し、レティ達はそれぞれバッグのポケットから出て、ジェムに机の上に連れていってもらっていた。
俺はラグを出して、取り皿に適当に料理を盛り、いつもの深皿を出してそこに飲み物を入れ、ラグ達の前に置いた。
そして俺も自分用に料理を盛り、飲み物をもらった。
俺が取り終わるのを確認したマスターは早速、直に料理をつまみ出してマリーさんに叱られていた。
他の人達は、そんな二人を無視して次々と取り皿に料理を盛っていっていた。そしてさすが女性の二人はマリーさんの分の料理と飲み物も用意してあげていた。
男性二人も、肉中心にマスターの分の料理を盛っていて、女性二人にサラダの山盛りを追加されていた。
ラグ達は周りを気にせずに食べ初めていたけど、俺は食べて良いのかわからず手付かずで様子を見ていた。
そんな俺に気づいたサーシャさんが
「あの二人は気にせずにどうぞ召し上がってください。お話は、、、もう少し後になりそうですので」
一度チラッとマスター達を見て、にっこりと言った。
俺もマスター達を見てから
「わかりました。ではいただきます」
アッシュさん達も食べ始め、マスターとマリーさんも説教され、説教しながらも食べ始めた。
説教と料理も一段落してから本題に入った。
「さて、腹も脹れたところで本題だ。ヨミが神に関係していると言うことは聞いている。言えないこともあるだろう。だが、こちらも“はい、そうですか”と言うわけにはいかなくてな」
マスターは、前置きをしてから
「今日の昼くらいから売り上げに不明金が見つかった。過去に遡ればここ数週間の間にも不明金が見つかった。全ての売り上げは、その日のうちに俺と副マスターで確認しているからこんなことはあり得ない、、なにか知っているか?」
え?そんなギルドの売り上げの事なんてわかるわけないよ!
俺が困惑していると、マリベルさんが
「不明金は誰から何かを買ったようなのです。それを買い付けた職人に確認してもわからないと言われてしまい。そこでふと思い出したのです。選定者の事を」
マリベルさんが言うには、選定者とはこの世界の神を見定めるもので、突然現れては突然消える存在。
その中で、誰かが居た形跡はあるのに誰もその存在を知らない、覚えていないという事もあったとか。
「今回の事はこれに当てはまるように思えたのです。ご存じの事があればお教え願えませんか」
十中八九、エリー絡みだろう。俺はラグ達を見た。ラグ達は互いに顔を見合わせて頷くと、俺にも頷いてくれた。
そして、ジェムがラグ達を捕まえ俺の肩に止まるとラグが
『育成者や邪神の事などは言わないように。話を合わせる為に、育成者を選定者として、選定者として相応しい行いをせず、世間を混乱に陥れたから強制退場して、世にあってはいけないものを売っていたいのでそれも回収し、再現されてはいけないので、選定者の事も含めて関わった全ての人達から記憶を消したってして。お金は初期投資金から出して補填してあげて。まぁ購入者全員って訳にはいかないけどね。悪事に使った人もいるわけだし。それに、実際に記憶などの消去をしたのは神ではなく、神聖獣達だから記されたものまでは消しきらなかったのかもね』
と念話で言ってきたので、言える部分をそのまま説明し、不明金の金額を聞いた。
「いや、お金に関しては気にしなくていい。あんたが実際に関わった訳ではないようだしな。しかし、選定者ってのは一人一匹って訳ではないんだな」
興味津々という目で、マスターは俺の肩にいるラグ達をまじまじと見ていた。
俺はなにも言えずにただ乾いた笑いをもらした。
俺からはこれ以上なにも情報は得られないとわかったマリーさんは
「ご協力ありがとうございます。本日の宿泊料はご協力いただいたのでお返ししますね。遅くまでお付き合い頂きありがとうございます。ごゆっくりお休みください」
マスターは座ったまま、他の人達は席を立ち俺を見送ってくれた。
俺は部屋に入るなりベッドに横になった。
ラグ達はジェムがとっさに避難させた。
「ああ、ごめんごめん。でもなんかどっと疲れが出て、、、あー、、だめだ、、ねむい、、」
俺はそのまま眠りに落ちた。
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