悪役令嬢の弟。

❄️冬は つとめて

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セルビィの友達。

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「友達に、なるのです。」
固まった時の中、セルビィは再び声を掛けた。


「なるか、馬鹿!! 」
時が、動き出した。

「あれ? 」

セルビィは、愛らしく こてん と反対側に首を傾げた。そして、ナルトを見る。セルビィは、何故断られたのか解って無い様だ。

「いや、いや、いや、断られるだろう。」
セルビィの目線に、ナルトは応えた。

「あれ? 」

セルビィは、また こてん と愛らしく首を傾げた。
リーダー格の少年を見る。

「友達に、なるのです。」
「ならない。」
「なぜ? 」
「お前、頭の中。花畑か!! この状態で、よく言えたな!! 」
縄で縛られ、護衛に押さえ付けられながら少年は言った。
「捕まえなければ、友達になれないです。」
「それは、友達じゃないからな。」
ナルトが、突っ込む。
セルビィは、哀しそうな顔をして
「僕も、父様やボルト様の様な 言うと動いてくれる。僕の為に動いてくれる、友達が欲しいです。」
「いや、それ。友達じゃないからな、部下だからな。」

(叔父さん、友達の定義ちゃんと教えとけよな。)

「友達、欲しいです。」
人差し指を唇にあてて、物欲しそうにセルビィは少年達を見る。
「お前の言う事を聞いて、動く者は山ほどいるだろ。」
「同じ年頃の、こ 友達が欲しいです。」
「「今、駒て言い掛けたよな!! 」」
ナルトと少年が、同時に突っ込んだ。
「違います、友達です。」
三人のやり取りを、他の少年と護衛は呆然として聞いていた。
「僕の為に、手足になって動いてくれる 友達が欲しいです。」
「「それって、完璧に手駒て言ってるよな!! 」」
「違います、友達です。」



「ごめんなさい、お願いします。許して下さい。」
騒ぎを聞き付けて、一人の女性が駆けつける。十八歳位の、大人しそうな女性だ。髪は、黒に近い青。
「馬鹿、出て来るな!! アリス!! 」
倒れる様に、セルビィの前に来て頭を地に擦り付ける。
「お願いです、ロビンを皆を許して下さい。私が、私が、働けなくなったから。」
「馬鹿、アリス!! 引っ込んでろ!! 」
ロビンは、叫んだ。
「賠償金を払います。だから、だから、皆を許して下さい。」
地に頭を擦り付けて、アリスは懇願する。
「金って、アリス!! 」
アリスは、頭を上げてロビンに微笑んだ。
「良いの、私がわがままだったわ。ご主人の言う通りに、」
震えながら、アリスは体を抱き締める。
「駄目だ!! そんなの、駄目だ!! 」
「そうだ、駄目だよ!!アリスお姉ちゃん!! 」
少年達が、騒ぎ出す。
「いいの!! いいのよ。」
アリスの声に、少年達は黙った。







「ごめんなさい。」
可愛らしい声が、聞こえた。
「ごめんなさい。」
可愛らしい声が、謝っている。アリスは、皆は、声のする方を見た。
セルビィが、瞳を潤ませて謝っている。ぽろぽろ と涙が溢れる。
「僕が、僕が、悪いんです。僕が、友達が欲しいと思ったから。」
セルビィは、目を擦り ひゃくりあげながら謝っている。
「僕が、悪いんです。」
わあっ と泣き出す。アリスは、驚いてセルビィに近付いた。
「ごめんなさい、僕が悪いんです。」

(こいつ、ぜってぇ嘘泣きだ。)

ナルトとロビンは、思った。急な展開に、ナルトとロビン以外は事態が飲み込めない。ただ、呆然とするのみだった。
「どう言う事? 泣かないで。」
アリスは、セルビィの頭を撫でた。
「僕が、無理やり皆と友達になろうと 捕まえたのです。」
「まあ、」
「だから、悪いのは僕なのです。」
セルビィは、アリスに抱き付いた。
「ごめんなさい、僕が友達を欲しがったのが 悪いんです。」
「そんな事、ないわ。友達は、大切よ。」
泣きじゃくるセルビィの背中を、アリスは優しく擦った。
「でも、断られたです。」
セルビィの言葉に、アリスはロビンを見る。
「こんな状態で、頷く奴はいないだろ!? 」
こんな状態。縛られ、押さえ付けられた状態。
「やっぱり、豪の者の僕に 友達は できないんです。」
「豪の、者? 」
泣きじゃくるセルビィの頭を、アリスは そっ と撫でる。するり と、金色の桂が取れる。その下に、漆黒の髪が現れる。
「豪の者の僕に、友達を作る事は 神がお許しにならないんです。」
「そんな事ない、そんな事ないわ。」
アリスは、セルビィを抱き締めた。
「そうだ、そうよ。私が友達になってあげる。」
「ほんとう。」
セルビィは、潤んだ瞳でアリスを見る。
「ほんとうに、ほんとう? 」
愛らしく、首を傾げる。
「本当に、本当よ。」
アリスは、にっこり微笑んで見せた。
「嬉しい。僕、嬉しい。」
セルビィは、天使の笑顔をアリスに見せる。
「はふっ、天使!! 」

「「騙されるな!! 其奴は、老獪な悪魔だ!! 」」
ロビンとナルトが、同時に叫んだ。
「何を言ってるのロビン? こんなに、可愛らしい天使に。」
「酷いです。」
セルビィは、また ぽろぽろ と涙を流す。震えながら、アリスに抱き付いた。
「こんなに、震えて。可哀想でしょう。」
アリスは、困った様にロビンを見た。
「僕は、酷いことをしたです。嫌われて、しまったです。」
「そんな事はないわよ。ねっ、ロビン。」
アリスは、哀しそうにロビンを見る。ロビンは、歯軋りをしながら。
「ああ。怒ってない。」
と、応えた。ナルトは、心情を察して胸を痛めた。
「姉様に、紹介したいです。一緒に、帰るのです。」
セルビィは、アリスの服を引っ張った。
「だ、駄目よ。私は、」
アリスは、自分の姿とセルビィの姿を見て尻込みをする。セルビィは、哀しい顔をする。
「やっぱり、僕とは友達に なれません。」
ぽろぽろ と涙が溢れる。
「違う、違うのよ。貴方とは、身分が。」
「姉様は、優しいです。」
アリスは、ぼろの服をつかんだ。
「それに、仕事も探さないと。」
「お仕事? 」
セルビィは、首を傾げる。
「お仕事なら、いっぱいあります。」
そう言って後にいるナルトに、セルビィは微笑んだ。
「ねっ、ナルト様。」
「あ、ああ。」
ナルトは、ゾッ として頷いた。
「一緒に、帰るのです。」
セルビィは、アリスを急かす。アリスは、後を気にしながら。
「でも・・・」
「大丈夫です。友達の友達は、友達です。」
セルビィは、少年達を見て微笑んだ。
「彼らも、一緒に帰ります。」
少年達の大切な『お姉ちゃん』を、手元に置いたセルビィは。
「ねっ。」
天使の微笑みを、少年達に向けた。
「ああ。」
この瞬間、少年達は敗北を悟った。がっくり と項垂れる。



この日 セルビィは、たくさんの友達を、手に入れた。
そして、月日は流れる。
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