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春。
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短い冬が終え、温かい春の訪れ。明日学園に、新しい学園生が入園する。
「姉様、姉様。」
ノックもなしに、一人の少年がセルビアの部屋に入って来る。
「姉様、見て下さい。学園の制服です。似合いますか? 」
淡い黄色のブレザー、襟の縁は緑色で飾られている。セルビィは、姉に見せる様にその場で くるり と回った。黒い髪が ふわっ と、流れる。
「とても、似合ってるわ セルビィ。でも、入る時は、ちゃんと声を掛けなさい。」
セルビアは、優しく微笑んだ。
セルビィは、今し方領地から王都に着き。洋服屋で学園の制服を着て此所に駆け入って来たのだった。
「すみません、姉様。早く、見て欲しくって。」
笑顔で、セルビィは応えた。
セルビィ、十五歳。明日から姉セルビアと同じ、学園に通う事になっていた。
「ほら、ネクタイが曲がっているわ。」
セルビアは、セルビィの襟首を整える。
「ありがとう、姉様。」
微笑むセルビィは、可愛らしい天使と言うより 美しい天使になっていた。その姿は、まるで鏡に写るセルビアの様であった。姉と同じ、背丈。姉と同じ顔、双子の様に二人は似ていた。ただ、姉セルビアの瞳はつり目で、女神の様に凛々しく。弟セルビィは、天使の様に美しかった。髪も黒髪ながら、姉は真っ直ぐな流れる髪を腰まで伸ばし。弟セルビィは、肩までの髪が毛先に近づくと ふわっ と膨らんでいた。
「セルビィ、此所に座って。」
セルビアは、弟を鏡の前へと促す。セルビィは、言われるまま鏡の前に座った。
セルビアは、自らの髪飾りを外しセルビィに着けた。
「これでいいわ。」
セルビィの横の髪を抑える様に、後にまとめ髪飾りで飾る。
「これで、セルビィの綺麗な顔が良く見えるわ。」
「これ、姉様のお気に入りの髪飾り。」
「セルビィに、あげるわ。入園祝いに。」
「ありがとう、姉様。僕、大切にします。」
その美しい笑顔に、セルビアは ため息を付いた。
「姉様? 」
セルビィは、不安そうに鏡に写るセルビアを見る。
「ごめんなさい、少し不安で。セルビィは、体が弱くて最近まで領内に戻って療養していたでしょう。」
セルビアは、後からセルビィを抱き締めた。
「それに、」
「それに? 」
セルビィは、首を傾げた。
「セルビィは、知らないでしょうね。学園では、豪の者に対してとても冷たいの。」
「冷たいのですか? 」
「ええ、セルビィは繊細だから心を病んでしまわないか心配で。」
「ぶっ、ぶぶ!! 」
笑いを堪え、吹き出す音がする。その音の方へ、セルビアは顔を向けた。
「ナルト様。」
扉の所で、腹を抱えて俯いているナルトが其所に居た。
「心が病む? 病ませるの間違いだろ。」
聞こえないように、呟く。
「ナルト様。」
セルビィが、微笑みながら声を掛けた。
天使笑みの下に隠れる、悪魔の微笑みにナルトは、
「悪い、思い出し 笑いだ。」
そう言って、壁の後に隠れた。
「姉様。僕、間張ります。姉様と、同じ学園に行く為に。」
セルビィは、微笑む。
「こう見えても、領地ではナルト様やロビン様と一緒に剣の修行をしていたんですよ。」
「ロビン!! 」
傍に控えていたメイドが、声を上げた。
「あっ、申し訳御座いません。セルビア様、セルビィ様。」
「アリス、お姉様。お久しぶりです。」
五年前、セルビィにできた最初の友達であった。あのまま、アリスは姉セルビア専属のメイドになり。ロビン達は、病気になったセルビィと共に領地に戻っていた。そこで、ロビン達は・・・
「あの子達『元気だ。』としか、手紙に書いてなくって。あれから、全然逢えないし。心配で。」
アリスは、節目がちに俯く。
「アリスお姉様、ごめんなさい。」
セルビィは、辛そうにアリスを見る。
「僕が、皆にいっぱいお願い事をしてしまって。皆、忙しくって。」
申し訳なさそうに、アリス言う。
「でも、後一年です。一年したら、皆に会えます。」
セルビィは、嬉しそうに手を合わせて言った。
「後、一年。」
「はい、後一年です。」
「セルビィ様が、そう言うのなら。」
アリスは、寂しそうに微笑んだ。
「姉様も、後一年。学園生活を、楽しんで下さい。」
セルビィは、満面の笑みをセルビアに向けた。
「ええ、そうね。」
セルビアも、寂しそうに微笑んだ。
後、一年もすれば学園を卒業し。あの、自分を嫌っているアラン王子と婚姻する事になる。逃げる事は出来ない、豪の者の為にも。王妃としての地位を、それが名ばかり王妃だとしても。(王妃は、王妃。)
私の上になる地位の者は、僅かになる。そうすれば、その地位を利用して豪の者の待遇の改善をしてみせる。セルビアは ぐっ と、手を握り締めた。
「姉様? 」
首を傾げるセルビィに、セルビアは微笑んで見せる。
「そうね、アイリーン様やリリアナ様、テレジア様とお茶会でも開こうかしら。」
心を同じにする、彼女達。
一年後、今より辛い道が待っている。少し位、今日を楽しんでも罰は当たらないはず。今まで、勉強に明け暮れ無理をしてきた。
その帯を少し位、緩めても。
「そうね、最後の学園生活。楽しめたら、良いわね。」
セルビアは、セルビィを そっ と抱き締めた。
「はい、姉様。きっと、楽しい学園生活になります。」
セルビィは、微笑んだ。その天使の微笑みの下に、悪魔の笑みを隠して。
そして、セルビィは 姉セルビアの婚約破棄に突き進んで行く。
姉セルビアは、その事を まだ 知らない。
「姉様、姉様。」
ノックもなしに、一人の少年がセルビアの部屋に入って来る。
「姉様、見て下さい。学園の制服です。似合いますか? 」
淡い黄色のブレザー、襟の縁は緑色で飾られている。セルビィは、姉に見せる様にその場で くるり と回った。黒い髪が ふわっ と、流れる。
「とても、似合ってるわ セルビィ。でも、入る時は、ちゃんと声を掛けなさい。」
セルビアは、優しく微笑んだ。
セルビィは、今し方領地から王都に着き。洋服屋で学園の制服を着て此所に駆け入って来たのだった。
「すみません、姉様。早く、見て欲しくって。」
笑顔で、セルビィは応えた。
セルビィ、十五歳。明日から姉セルビアと同じ、学園に通う事になっていた。
「ほら、ネクタイが曲がっているわ。」
セルビアは、セルビィの襟首を整える。
「ありがとう、姉様。」
微笑むセルビィは、可愛らしい天使と言うより 美しい天使になっていた。その姿は、まるで鏡に写るセルビアの様であった。姉と同じ、背丈。姉と同じ顔、双子の様に二人は似ていた。ただ、姉セルビアの瞳はつり目で、女神の様に凛々しく。弟セルビィは、天使の様に美しかった。髪も黒髪ながら、姉は真っ直ぐな流れる髪を腰まで伸ばし。弟セルビィは、肩までの髪が毛先に近づくと ふわっ と膨らんでいた。
「セルビィ、此所に座って。」
セルビアは、弟を鏡の前へと促す。セルビィは、言われるまま鏡の前に座った。
セルビアは、自らの髪飾りを外しセルビィに着けた。
「これでいいわ。」
セルビィの横の髪を抑える様に、後にまとめ髪飾りで飾る。
「これで、セルビィの綺麗な顔が良く見えるわ。」
「これ、姉様のお気に入りの髪飾り。」
「セルビィに、あげるわ。入園祝いに。」
「ありがとう、姉様。僕、大切にします。」
その美しい笑顔に、セルビアは ため息を付いた。
「姉様? 」
セルビィは、不安そうに鏡に写るセルビアを見る。
「ごめんなさい、少し不安で。セルビィは、体が弱くて最近まで領内に戻って療養していたでしょう。」
セルビアは、後からセルビィを抱き締めた。
「それに、」
「それに? 」
セルビィは、首を傾げた。
「セルビィは、知らないでしょうね。学園では、豪の者に対してとても冷たいの。」
「冷たいのですか? 」
「ええ、セルビィは繊細だから心を病んでしまわないか心配で。」
「ぶっ、ぶぶ!! 」
笑いを堪え、吹き出す音がする。その音の方へ、セルビアは顔を向けた。
「ナルト様。」
扉の所で、腹を抱えて俯いているナルトが其所に居た。
「心が病む? 病ませるの間違いだろ。」
聞こえないように、呟く。
「ナルト様。」
セルビィが、微笑みながら声を掛けた。
天使笑みの下に隠れる、悪魔の微笑みにナルトは、
「悪い、思い出し 笑いだ。」
そう言って、壁の後に隠れた。
「姉様。僕、間張ります。姉様と、同じ学園に行く為に。」
セルビィは、微笑む。
「こう見えても、領地ではナルト様やロビン様と一緒に剣の修行をしていたんですよ。」
「ロビン!! 」
傍に控えていたメイドが、声を上げた。
「あっ、申し訳御座いません。セルビア様、セルビィ様。」
「アリス、お姉様。お久しぶりです。」
五年前、セルビィにできた最初の友達であった。あのまま、アリスは姉セルビア専属のメイドになり。ロビン達は、病気になったセルビィと共に領地に戻っていた。そこで、ロビン達は・・・
「あの子達『元気だ。』としか、手紙に書いてなくって。あれから、全然逢えないし。心配で。」
アリスは、節目がちに俯く。
「アリスお姉様、ごめんなさい。」
セルビィは、辛そうにアリスを見る。
「僕が、皆にいっぱいお願い事をしてしまって。皆、忙しくって。」
申し訳なさそうに、アリス言う。
「でも、後一年です。一年したら、皆に会えます。」
セルビィは、嬉しそうに手を合わせて言った。
「後、一年。」
「はい、後一年です。」
「セルビィ様が、そう言うのなら。」
アリスは、寂しそうに微笑んだ。
「姉様も、後一年。学園生活を、楽しんで下さい。」
セルビィは、満面の笑みをセルビアに向けた。
「ええ、そうね。」
セルビアも、寂しそうに微笑んだ。
後、一年もすれば学園を卒業し。あの、自分を嫌っているアラン王子と婚姻する事になる。逃げる事は出来ない、豪の者の為にも。王妃としての地位を、それが名ばかり王妃だとしても。(王妃は、王妃。)
私の上になる地位の者は、僅かになる。そうすれば、その地位を利用して豪の者の待遇の改善をしてみせる。セルビアは ぐっ と、手を握り締めた。
「姉様? 」
首を傾げるセルビィに、セルビアは微笑んで見せる。
「そうね、アイリーン様やリリアナ様、テレジア様とお茶会でも開こうかしら。」
心を同じにする、彼女達。
一年後、今より辛い道が待っている。少し位、今日を楽しんでも罰は当たらないはず。今まで、勉強に明け暮れ無理をしてきた。
その帯を少し位、緩めても。
「そうね、最後の学園生活。楽しめたら、良いわね。」
セルビアは、セルビィを そっ と抱き締めた。
「はい、姉様。きっと、楽しい学園生活になります。」
セルビィは、微笑んだ。その天使の微笑みの下に、悪魔の笑みを隠して。
そして、セルビィは 姉セルビアの婚約破棄に突き進んで行く。
姉セルビアは、その事を まだ 知らない。
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