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筋書き通り。
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豪華絢爛の王城の廊下を歩く、漆黒の髪のランドール公爵がいた。月に一度の定期の謁見の、終わりだった。セラムの横に、腹心のボルトも一緒に居た。
「ランドール公爵。」
二人の行く手を遮る様に、宰相が立ち塞がった。宰相の隣には、軍事総長も共に居た。
「何か? 」
セラムは、鋭い目つきで問い掛けた。
「この五年もの間、砦に関する資金がかなりの額となっている理由を知りたい。」
ついに来たなと、セラムは心の中で思った。
『父様、頑張って。』と、天使の応援が聞こえる。
セラムは、顔を動かさず睨み付ける様に二人を見た。
「砦の修繕の為に、使っておりますが。」
「に、しても。かなりの額です。」
「仕方ないでしょう、あちこち綻びがあるのですから。」
「まさか、横領しているのではありませんか? 」
宰相の言葉に、セラムは睨みを強くした。
『父様は、その鋭い眼光で相手を威圧して下さい。』
天使の指示通りに、セラムは二人を威圧する。
「其れは、俺が罪を犯していると? 」
セラムの目は、相手を射殺せる程殺気を孕ましている。
「この国の為に、常住砦に滞在している。俺を、お前らは疑うのか? 」
『そして、この国の為に頑張っている事を。殺気を孕んで、言って下さい。』
(俺の天使よ、これでいいのか? )
『父様、後はボルト様に任せて下さい。』
二人は、鬼気迫るセラムに言葉を失う。
「お疑いでしたら、どうぞお調べ下さい。宰相殿。」
セラムの代わりに、ボルトが話し掛ける。
「総て砦に関する物しか、手配しておりません。」
セラムは、ボルトの隣で頷いていた。
「砦の視察も、どうぞ。何時でも、歓迎致します。」
ボルトは、微笑みながら言う。セラムも、言葉を発した。
「砦の殺伐とした雰囲気を、感じるのも良いのではないか。レイズ殿。」
「そうですね、軍事総長が起こしになれば 士気が上がります。」
『ボルト様、後の事はお願いします。』
(セルビィの奴、丸投げしゃがって。)
「何なら、今からでも。」
ボルトは、何の憂いも無く進める。
『大丈夫ですよね。(にっこり。)』
(ああ、大丈夫さ。お前(セルビィ)に、抜かりはないさ。)
そう、抜かり無い。確かに、砦に関する物を発注し 砦に運んでいる。その発注に、嘘偽りはない。何処を探っても、何も出て来る事は無い。
「しかし、砦の修繕が本格的ではないのか? 」
軍事総長のレイズが言うと、
「そうです。ここ何年、他国が攻め入って来たと聞いた事は有りません。」
宰相のエリオットが、続いた。
『はい、父様。悲しい顔をして。』
「くっ、」
セラムは、顔を押さえた。
(この大根。)
「だからこそ、なのです。」
ボルトは、セラムを庇う様に前に出た。
『国が、愚だ愚だいってきたら。他国の噂、特に近く戦があるかもと危機を煽って下さい。』
(たくっ、怖ぇな。)
「他国が攻めて来ない、今こそ修繕の時なのです。」
ボルトは、二人に詰め寄る。
「今、何処かの国が大量に資材や食糧を買いあさってる様なのです。」
「確かに、その噂は聞いたことがある。」
軍事総長が、頷く。
「それは、私も聞いたことが有ります。」
宰相も、顔を歪ませる。
(そりゃそうだろう。買いあさってるのは、俺達だからな。)
「大きな戦が、近く起こるかもしれません。」
『父様、兵士達の心の安心を訴えて下さい。』
「せめて、砦を強固にする事で兵士達に安心を与えたいと思う。俺の、気持ちが判って貰えないだろうか。」
顔を押さえ、壁に手を突き苦悩するセラム。肩が小刻みに、震えている。
(大根め。)
『最後に、国の防衛の為だと言って終わりです。』
「総ては、オースト国を護るため。」
ボルトは、セルビィの筋書き通りに話しを終わらした。
国の防衛の為だと言われれば、二人は頷くしかなかった。そして、苦虫をかみつぶしたような顔をして。
「一応、後日。視察には、入らせて貰います。」
そう言って、二人は去って行った。
「おい、何時まで笑っている。」
壁に手を突き、震えているセラムにボルトは冷たい目を向ける。
「いや。セルビィの筋書き通りだな、と思って。」
「ああ、本当 怖ぇな。」
ボルトは、心の底から思った。
『叔父さん。悪魔じゃない、あいつは魔王だ。』
ナルトの言葉が、浮かび上がる。
「魔王か。そうかも、知れない。」
「いやー。うちの子、天使の上に予言者かもな。」
セラムは、何も考えず。親馬鹿な事を、言っていた。
ボルトは、ため息を付いた。
ちなみに、豪の三伯爵も同じ事を聞かれ。
「砦の強固の為。」
「近く戦が。」
「兵士達の心の安心を。」
そして、最後に。
「この国を、護るため。」
三伯爵は、微笑んで殺し文句を口にした。
暫くして、砦に視察団が現れた。
ボルトが、その団体を案内する。砦の修繕場所に連れていき、其処を見せる。
綺麗に修繕された場所を、兵士達が箒等で汚している処だった。
「何を、しているのです?」
視察団の一人が、聞いた。
「修繕した場所が敵に判ると、その周りが脆いとバレるので。ああやって、ワザと汚して判らなくするのですよ。」
「なるほど。」
視察団の者達は、感心する。そして、軍用馬車に乗っている大きな石を見て、
「あれは? 」
「廃棄する石です。これから、ルナの大地へ廃棄に行きます。」
ボルトは、笑いながら。
「あそこは、土地だけは広大にありますからね。」
「なるほど。」
視察団は、頷いた。
セルビィの筋書き通りに、事は進む。何処をとっても、不振な処はない。
砦が資材を発注して、その資材は砦に届けられている。それに誤魔化しは、無い。
ある程度、砦も確かに修繕は行われていた。だが、殆どが砦を通り 開拓地へと運ばれている事にオースト国の者は気づかない。
「たくっ、本当 怖ぇよな。」
視察団を見送りながら、ボルトは呟く。
四つの砦の四分の一ずつの、資材を集め。一つの砦として、開拓地で建設中である。
「あいつ、益々悪魔めいてきたな。」
天使の微笑みの下に、確実に悪魔の微笑みが見え隠れする。
「敵じゃ無くって、良かった。」
ボルトは、心から そう思うのであった。
「ランドール公爵。」
二人の行く手を遮る様に、宰相が立ち塞がった。宰相の隣には、軍事総長も共に居た。
「何か? 」
セラムは、鋭い目つきで問い掛けた。
「この五年もの間、砦に関する資金がかなりの額となっている理由を知りたい。」
ついに来たなと、セラムは心の中で思った。
『父様、頑張って。』と、天使の応援が聞こえる。
セラムは、顔を動かさず睨み付ける様に二人を見た。
「砦の修繕の為に、使っておりますが。」
「に、しても。かなりの額です。」
「仕方ないでしょう、あちこち綻びがあるのですから。」
「まさか、横領しているのではありませんか? 」
宰相の言葉に、セラムは睨みを強くした。
『父様は、その鋭い眼光で相手を威圧して下さい。』
天使の指示通りに、セラムは二人を威圧する。
「其れは、俺が罪を犯していると? 」
セラムの目は、相手を射殺せる程殺気を孕ましている。
「この国の為に、常住砦に滞在している。俺を、お前らは疑うのか? 」
『そして、この国の為に頑張っている事を。殺気を孕んで、言って下さい。』
(俺の天使よ、これでいいのか? )
『父様、後はボルト様に任せて下さい。』
二人は、鬼気迫るセラムに言葉を失う。
「お疑いでしたら、どうぞお調べ下さい。宰相殿。」
セラムの代わりに、ボルトが話し掛ける。
「総て砦に関する物しか、手配しておりません。」
セラムは、ボルトの隣で頷いていた。
「砦の視察も、どうぞ。何時でも、歓迎致します。」
ボルトは、微笑みながら言う。セラムも、言葉を発した。
「砦の殺伐とした雰囲気を、感じるのも良いのではないか。レイズ殿。」
「そうですね、軍事総長が起こしになれば 士気が上がります。」
『ボルト様、後の事はお願いします。』
(セルビィの奴、丸投げしゃがって。)
「何なら、今からでも。」
ボルトは、何の憂いも無く進める。
『大丈夫ですよね。(にっこり。)』
(ああ、大丈夫さ。お前(セルビィ)に、抜かりはないさ。)
そう、抜かり無い。確かに、砦に関する物を発注し 砦に運んでいる。その発注に、嘘偽りはない。何処を探っても、何も出て来る事は無い。
「しかし、砦の修繕が本格的ではないのか? 」
軍事総長のレイズが言うと、
「そうです。ここ何年、他国が攻め入って来たと聞いた事は有りません。」
宰相のエリオットが、続いた。
『はい、父様。悲しい顔をして。』
「くっ、」
セラムは、顔を押さえた。
(この大根。)
「だからこそ、なのです。」
ボルトは、セラムを庇う様に前に出た。
『国が、愚だ愚だいってきたら。他国の噂、特に近く戦があるかもと危機を煽って下さい。』
(たくっ、怖ぇな。)
「他国が攻めて来ない、今こそ修繕の時なのです。」
ボルトは、二人に詰め寄る。
「今、何処かの国が大量に資材や食糧を買いあさってる様なのです。」
「確かに、その噂は聞いたことがある。」
軍事総長が、頷く。
「それは、私も聞いたことが有ります。」
宰相も、顔を歪ませる。
(そりゃそうだろう。買いあさってるのは、俺達だからな。)
「大きな戦が、近く起こるかもしれません。」
『父様、兵士達の心の安心を訴えて下さい。』
「せめて、砦を強固にする事で兵士達に安心を与えたいと思う。俺の、気持ちが判って貰えないだろうか。」
顔を押さえ、壁に手を突き苦悩するセラム。肩が小刻みに、震えている。
(大根め。)
『最後に、国の防衛の為だと言って終わりです。』
「総ては、オースト国を護るため。」
ボルトは、セルビィの筋書き通りに話しを終わらした。
国の防衛の為だと言われれば、二人は頷くしかなかった。そして、苦虫をかみつぶしたような顔をして。
「一応、後日。視察には、入らせて貰います。」
そう言って、二人は去って行った。
「おい、何時まで笑っている。」
壁に手を突き、震えているセラムにボルトは冷たい目を向ける。
「いや。セルビィの筋書き通りだな、と思って。」
「ああ、本当 怖ぇな。」
ボルトは、心の底から思った。
『叔父さん。悪魔じゃない、あいつは魔王だ。』
ナルトの言葉が、浮かび上がる。
「魔王か。そうかも、知れない。」
「いやー。うちの子、天使の上に予言者かもな。」
セラムは、何も考えず。親馬鹿な事を、言っていた。
ボルトは、ため息を付いた。
ちなみに、豪の三伯爵も同じ事を聞かれ。
「砦の強固の為。」
「近く戦が。」
「兵士達の心の安心を。」
そして、最後に。
「この国を、護るため。」
三伯爵は、微笑んで殺し文句を口にした。
暫くして、砦に視察団が現れた。
ボルトが、その団体を案内する。砦の修繕場所に連れていき、其処を見せる。
綺麗に修繕された場所を、兵士達が箒等で汚している処だった。
「何を、しているのです?」
視察団の一人が、聞いた。
「修繕した場所が敵に判ると、その周りが脆いとバレるので。ああやって、ワザと汚して判らなくするのですよ。」
「なるほど。」
視察団の者達は、感心する。そして、軍用馬車に乗っている大きな石を見て、
「あれは? 」
「廃棄する石です。これから、ルナの大地へ廃棄に行きます。」
ボルトは、笑いながら。
「あそこは、土地だけは広大にありますからね。」
「なるほど。」
視察団は、頷いた。
セルビィの筋書き通りに、事は進む。何処をとっても、不振な処はない。
砦が資材を発注して、その資材は砦に届けられている。それに誤魔化しは、無い。
ある程度、砦も確かに修繕は行われていた。だが、殆どが砦を通り 開拓地へと運ばれている事にオースト国の者は気づかない。
「たくっ、本当 怖ぇよな。」
視察団を見送りながら、ボルトは呟く。
四つの砦の四分の一ずつの、資材を集め。一つの砦として、開拓地で建設中である。
「あいつ、益々悪魔めいてきたな。」
天使の微笑みの下に、確実に悪魔の微笑みが見え隠れする。
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ボルトは、心から そう思うのであった。
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