悪役令嬢の弟。

❄️冬は つとめて

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愛の天使様。

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見詰め合う、アラン殿下とフローネ。三公の子息達は、呆然と視ていた。
「レイモンド様。」
セルビィは、レイモンドの隣に座って体を寄せる。何時の間にか、隣にいるセルビィに驚く。
「実は、前から思っていたのです。」
レイモンドの耳元に、囁く。彼は びくっと、する。
「レイモンド様は、とても逞しいですね。」
膝に置いてある手に手を重ね、滑る様に腕の部分に触れる。
「この逞しい腕に い抱かれる女性は安心でしょう。」
レイモンドは、目を見張る。
ドッドドドド と、心臓が波打つ。上目づかいで、可愛らしくセルビィは微笑んだ。
レイモンドは 抱き締めたい衝動で、無意識に手が動く。
セルビィは すっと、離れた。
「フローネ様。」
静かな部屋にセルビィの声が、響く。その声に、アランはフローネから目線を外した。


(なに、なに、これ。)
フローネは、アランと見詰めあいながら思っていた。
(アラン様の顔が、赤いわ。もしかして、これは行けるんじゃないかしら。)
アランの膝の上にある手に、力を込める。
(王太子妃? うそ、うそ、これは狙えるの? )
フローネは、目をウルウルとさせた。
(この国のトップよ。いえ、二番目だけど、王さまは お父様と同じ年だから。でも、ゆくゆくは、王妃。うそ、うそ、ホント? )
フローネは、歓喜に心震わせていた。
「フローネ様。」
セルビィの声に、アランは目線を外した。
(ちょっと、ペット君。良いとこなのに、なによ~。)

「フローネ様、此方はバッカーダ公爵家の嫡男。レイモンド様です。」
セルビィは、優しく声を掛けた。フローネは、立ち上がって此方の方へやって来る。
(侯爵? 違うわ、バッカーダ家は、公爵よ!! )
「は、はい。」
フローネは いそいそと、やって来る。
(狙いは、アベル様だけど。キープ君は必用よね。)
ちらりと、セルビィを見る。セルビィは、奇麗な微笑みを称えていた。
(ううっ、奇麗。でも、豪の公爵よりも この国の公爵よ。)
「初めま きやぁあ!! 」
お辞儀をしょうとした処で、何かにつまずいてレイモンドの腕の中に倒れ込む。
セルビィが、足を引っかけたのだ。
レイモンドの手持ちぶたさの腕の中に、セルビィはフローネを滑り込ませた。
ドッドドドドと、先程から波打つ心臓が勢いを増す。
レイモンドの胸板に、フローネの柔らかい胸があたる。
レイモンドは、真っ赤に成った。

「大丈夫ですか? フローネ様。」
セルビィは、直ぐにフローネをレイモンドの腕から引き離した。
「怪我はないですか? 」
「は、はい。」
フローネは、返事をする。

レイモンドは腕の中に、寂しさを感じた。
(何だ? この寂しさは? )
一瞬、フローネが腕に来た事に満たされた様な感じがした。
「レイモンド様の御陰で、フローネ様は無事でした。」
セルビィは、フローネを促す。
「レイモンド様の、逞しい腕の御陰です。フローネ様、腕の中は、安心だったでしょう。」
「はい。とても安心でしたわ。ありがとうございます。レイモンド様さま。」
手を組んで、胸を寄せる。真っ赤に成って、御礼を言った。
「いや、足元には気を付けるがいい。」
「ありがとうございます。レイモンドさま~。」
フローネは キラキラした瞳で、御礼を言う。

ドッドドドドと、心臓が波打つ。
(何だ!? この心臓は? 病気か? いや、これはまさか!! )

セルビィは、フローネをレイモンドの隣に座らせた。何時もの定位置のレイモンドの隣。テーブルを囲むソファは、一人がけが二つ。其れには、エリックとシモンが座っている。二人がけのソファも二つ。一つはアランが座り、もう一つにレイモンドとセルビィが座っていた。
フローネを挟んで、二人がけのソファに座る事に成った。
フローネの体が、レイモンドに密着する。

ドッドドドドと、心臓が波打つ。レイモンドは、フローネを見た。未だに、腕の中に寂しさを覚える。

レイモンドは、フローネが寂しさを満たしてくれると勘違いをした。


(なに、なに、これ。)
フローネは、レイモンドに体を寄せながら歓喜していた。
(アラン殿下の次は、公爵家の嫡男よ。)
フローネは、下から覗き見るようにレイモンドを見る。目が合うと、レイモンドは顔を赤らめた。
(これは、行けるの? 行っちゃう? 狙いは、あくまで殿下だけど。)
ちらりと、殿下の方を見るとアランもフローネを視ていた。目が合うと、頰を染めて目を反らす。
(いゃーん、視てた。今、視てたわ。きっと、私のこと気になるのね。)
「フローネ様。」
キョロキョロしているフローネに、優しくセルビィは声を掛けた。手を取って、優しく口づける。
「落ち着いて、下さい。皆様、とても優しい方々ですから。」
セルビィは、愛らしく微笑んだ。フローネは、頰を染めた。
(はふぅ!! 天使だわ。)
セルビィに出会ってから、フローネは鰻登りであった。
(天使よ、天使。私を導く天使よ。)
男爵令嬢で有りながら、高位の公爵家の方々と知り合える切っ掛けを。公爵家ならず王太子殿下まで、知り合いになれるとは。
(愛のキューピットよ。)
フローネは、絶対にセルビィを放さないと誓った。セルビィの傍にいれば、きっと自分は高見にたどり着く。女の勘が働いていた。
(今日から、ペット君は天使に格上げよ。)
フローネは、セルビィの手を握り締めた。
(天使様、私を王太子妃に。この国の王妃にして下さい。)
フローネは、優しく微笑むセルビィを祈る様に見詰めた。
セルビィも、応える様にフローネの手を握り締めた。









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