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楽しい旅行。
満天に輝く星の下では。
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空にはきらきらと輝く星、その星を背にエリシアが立っていた。
「エドワード様…… 」
驚きながらも微笑んで近づいてくる。エドワードも引き寄せられるようにエリシアに近づく。
「じゃな!! 」
「ひゅー、ひゅー、ですわ!! 」
後ろから声をかけるリョウとシエリアは、ニヤつきながら離れていく。
「えっ、シエリア? 」
「リョウ。」
離れていくシエリア達をを見送る、エリシア。
「気を、きかせてくれたのかな。」
「えっ、 」
優しく微笑みながらエドワードはエリシアを見る。エリシアは戸惑いながら話す。
「エリーが、どうしても星降る丘に行きたいって…… 」
「ああ、リョウがどうしてもと。」
二人は、「ふふふっ」と見つめ合い笑った。
沈黙。
頬を染めて俯くエリシアに、そっと手を差し出すエドワード。右手を差し出すエリシアに、エドワードはエリシアの左手を持ち上げた。
「エドワード様? 」
不思議そうに見上げるエリシアに微笑みながら左手の指にそっと口づけをする。
「エド、エドワード様!! 」
ぼっと、エリシアは顔を真っ赤に染め上げる。
「ずっと、この指に指輪をはめたかった。」
エドワードはエリシアの左の薬指に、そっと指輪をはめる。指輪は、星の光のようにきらきらと品よく輝いている。
ピンク色のダイヤモンドだ。
意味合いは『完全無欠の愛』宝石言葉は、
「可憐、優美。エリシアにぴったりの意味あいの宝石だ。」
エドワードはうっとりしながら、エリシアを見つめる。
「婚約指輪。受け取って、くれるだろ? 」
少し不安そうにエドワードはエリシアに問いかける。
「はい。」
満面に輝く星よりも輝きのある笑顔で、エリシアは応える。そっと、指輪を守るように手で抱きしめる。
「エリシア、愛してる。」
「私も愛してます、エドワード様。」
エドワードは嬉しそうに微笑んで、エリシアの肩を掴み引き寄せる。そっとエドワードは右手をエリシアの頬にあてる。静かにエドワードの顔が近づいてくる。エリシアは、瞳を閉じた。
まるで物語の挿絵のような美しさ。満天の星空を背景に、二人の顔が、唇が近づく。
暗転。
「なに? みえない!? みえない!! 」
「お子様にはまだはやい。」
遠くの影でこっそり、のぞいていた、シエリアとリョウである。お子様にははやいと、リョウがシエリアの目を両手で塞いだのである。
「エドワードの奴、うまくやりやがって。絶対後で、からかってやる。」
「いや、みたい!! みたい!! みた…… 」
見たいと暴れるシエリアを抑えながら、リョウは素直に思いを言葉にする。
そのシエリアの動きが止まった。
「!? 」
(口はおさえてないぞ!? )
リョウは慌てて、シエリアを見る。手を離すと、そのままリョウに倒れかかってくる。
「おい!! 」
リョウはシエリアを支えた。
「ぐう…… 」
「ぐう? 」
リョウは眉間に皺を寄せて、シエリアを見てみると眠っていた。
そう、シエリアは9時になると眠ってしまう体質である。無理をして今まで起きていたが、目の前が暗転してしまったので睡魔がシエリアの意識をパックマンしてしまったのだ。
「眠ってるのか? こんな所で。」
リョウはシエリアを支えながら、エドワード達に目を向ける。仲良く寄り添う二人を見て、安心をする。
「よっこいしょ。」
シエリアをこのまま放って置くわけにはいかないので、リョウはシエリアを背に背負う。
「シア、おめで… とう…… 」
「ああ、エドワードおめでとう。」
背から聞こえるシエリアの祝福の言葉に、リョウも素直にエドワードに向けて祝福の言葉を呟く。
「まったく、世話が焼けるお嬢さんだな。」
シエリアを背負い帰路につくリョウの心は、ほっこりとしていた。
満天に輝く星の下では、誰もが幸せな気持ちになっていた。
「エドワード様…… 」
驚きながらも微笑んで近づいてくる。エドワードも引き寄せられるようにエリシアに近づく。
「じゃな!! 」
「ひゅー、ひゅー、ですわ!! 」
後ろから声をかけるリョウとシエリアは、ニヤつきながら離れていく。
「えっ、シエリア? 」
「リョウ。」
離れていくシエリア達をを見送る、エリシア。
「気を、きかせてくれたのかな。」
「えっ、 」
優しく微笑みながらエドワードはエリシアを見る。エリシアは戸惑いながら話す。
「エリーが、どうしても星降る丘に行きたいって…… 」
「ああ、リョウがどうしてもと。」
二人は、「ふふふっ」と見つめ合い笑った。
沈黙。
頬を染めて俯くエリシアに、そっと手を差し出すエドワード。右手を差し出すエリシアに、エドワードはエリシアの左手を持ち上げた。
「エドワード様? 」
不思議そうに見上げるエリシアに微笑みながら左手の指にそっと口づけをする。
「エド、エドワード様!! 」
ぼっと、エリシアは顔を真っ赤に染め上げる。
「ずっと、この指に指輪をはめたかった。」
エドワードはエリシアの左の薬指に、そっと指輪をはめる。指輪は、星の光のようにきらきらと品よく輝いている。
ピンク色のダイヤモンドだ。
意味合いは『完全無欠の愛』宝石言葉は、
「可憐、優美。エリシアにぴったりの意味あいの宝石だ。」
エドワードはうっとりしながら、エリシアを見つめる。
「婚約指輪。受け取って、くれるだろ? 」
少し不安そうにエドワードはエリシアに問いかける。
「はい。」
満面に輝く星よりも輝きのある笑顔で、エリシアは応える。そっと、指輪を守るように手で抱きしめる。
「エリシア、愛してる。」
「私も愛してます、エドワード様。」
エドワードは嬉しそうに微笑んで、エリシアの肩を掴み引き寄せる。そっとエドワードは右手をエリシアの頬にあてる。静かにエドワードの顔が近づいてくる。エリシアは、瞳を閉じた。
まるで物語の挿絵のような美しさ。満天の星空を背景に、二人の顔が、唇が近づく。
暗転。
「なに? みえない!? みえない!! 」
「お子様にはまだはやい。」
遠くの影でこっそり、のぞいていた、シエリアとリョウである。お子様にははやいと、リョウがシエリアの目を両手で塞いだのである。
「エドワードの奴、うまくやりやがって。絶対後で、からかってやる。」
「いや、みたい!! みたい!! みた…… 」
見たいと暴れるシエリアを抑えながら、リョウは素直に思いを言葉にする。
そのシエリアの動きが止まった。
「!? 」
(口はおさえてないぞ!? )
リョウは慌てて、シエリアを見る。手を離すと、そのままリョウに倒れかかってくる。
「おい!! 」
リョウはシエリアを支えた。
「ぐう…… 」
「ぐう? 」
リョウは眉間に皺を寄せて、シエリアを見てみると眠っていた。
そう、シエリアは9時になると眠ってしまう体質である。無理をして今まで起きていたが、目の前が暗転してしまったので睡魔がシエリアの意識をパックマンしてしまったのだ。
「眠ってるのか? こんな所で。」
リョウはシエリアを支えながら、エドワード達に目を向ける。仲良く寄り添う二人を見て、安心をする。
「よっこいしょ。」
シエリアをこのまま放って置くわけにはいかないので、リョウはシエリアを背に背負う。
「シア、おめで… とう…… 」
「ああ、エドワードおめでとう。」
背から聞こえるシエリアの祝福の言葉に、リョウも素直にエドワードに向けて祝福の言葉を呟く。
「まったく、世話が焼けるお嬢さんだな。」
シエリアを背負い帰路につくリョウの心は、ほっこりとしていた。
満天に輝く星の下では、誰もが幸せな気持ちになっていた。
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