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リムス王国へ1
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保養施設がオープンしてから数か月が経過して経営も落ち着き、私は半年以上かけて進めていた新規事業に力を注いでいた。
観光客が来てエタセルの知名度が上がっている今を利用し、エタセルの王都だけではなく地方にも雇用や生活の安定を生み出すため酒造施設を建設。
そこではハーブとエタセルの名産果物を利用した果実酒が製造され、世界中に運ばれている。
「……酒造工場も保養施設も利益がかなり出て安定しているから、こっちも実現したいなぁ」
私は私室に設置されている机の引き出しから書類を取り出すと、寝具を椅子代わりにして座った。
ほどよい弾力があるこの寝具も、もうすぐ購入して二年が経とうとしている。
部屋中を照らしてくれている燭台の明かりだけではなく、右手にある窓から注ぎ込む煌々と輝く満月の光が、手元にある書類に文字を浮かび上がらせてくれている。
『学校(案)』と一番上に文字が大きく書かれ、その下には走り書きで文字が記されている。
私が考えている新しい事業案で、まだ誰にも見ていない。
「この案件を煮詰めてライに意見を聞いてみたいなぁ……」
私がぽつりと零すと同時に部屋をノックする音が聞こえてきたため、私は弾かれたように顔を向ける。
返事をするために唇を開けば、扉がゆっくりと開きメディが現れた。
彼女は両手で銀のトレイを持っているんだけど、トレイの上にはティーポットとカップが。
「ティア、ハーブティーを入れて来たの。良かったらどうぞ」
「ありがとう」
「もしかして仕事中? 荷作りをしているかと思ったよ」
「あー。そろそろ始めないと間に合わないよね……」
時が過ぎるのは本当に早いもので、あと一ヶ月ほどで王女達の結婚式だ。
王女達の結婚式にはライも招待されているため、私は彼にエスコートして貰って参加する予定になっている。
ドレスや宝飾品はもうすでに準備が出来ていた。
半年ほど前に「ティアの晴れ舞台だから」と、ライがドレスや宝飾品などの一式を作ってくれたんだけれども、それがつい最近のように感じてしまっていた。
「早いよね。もうすぐティアの最大の目標だった王女殿下達の結婚式だよ。ティア、二年間どうだった?」
「早かったなぁと思った。あと、メーター振り切ったせいか、前の自分では考えられない行動が取れたかも」
リムスに居た頃は、同じ貴族令嬢達とお茶会をしたり、元婚約者のために過ごしていた。
それが今ではエタセルの為に行動を起こして他の人達に協力して貰い、目に見える形となり広がっている。
私がこんなにも変われたことは、ある意味元婚約者と王女達のお蔭だ。
……まぁ、でもやられたことはきっちり返すけど。
「そういえば、あの占い師さん当たっていたかも」
「占い?」
「うん。実は元婚約者達に裏切られた時、よく当たるって占い師さんに見て貰ったの。将来王妃となり輝く未来を歩むみたいなこと言われたんだ。王妃はまだ未確定だけど、『憎しみ』『鳥』『新天地』『ありのままを受け入れてくれる運命の伴侶』のキーワードは当たっているわ」
現に王女達への憎しみをエネルギーに変えてここまで来た。
鳥はコルのことだろう。コルがきっかけでライと出会えたのだから。
新天地はエタセルだし、ライは私のことをありのままで受け入れてくれている。
――占い師のお姉さん、今どこの国にいるのかな? あちらこちらを旅しているみたいだったけど。
「確かに当たっているわ。王妃もきっと当たるよ。だって、お兄様と結婚したら王妃だもの。私、お兄様には幸せになって欲しいし、安らげる人が傍に居て欲しいって思っているんだ。いままで苦労した分、今度こそ幸せにならなきゃ」
「メディ……」
「荷作りの手伝い欲しかったら言ってね。手伝うから」
「ありがとう」
私はメディにお礼を伝えると微笑んだ。
観光客が来てエタセルの知名度が上がっている今を利用し、エタセルの王都だけではなく地方にも雇用や生活の安定を生み出すため酒造施設を建設。
そこではハーブとエタセルの名産果物を利用した果実酒が製造され、世界中に運ばれている。
「……酒造工場も保養施設も利益がかなり出て安定しているから、こっちも実現したいなぁ」
私は私室に設置されている机の引き出しから書類を取り出すと、寝具を椅子代わりにして座った。
ほどよい弾力があるこの寝具も、もうすぐ購入して二年が経とうとしている。
部屋中を照らしてくれている燭台の明かりだけではなく、右手にある窓から注ぎ込む煌々と輝く満月の光が、手元にある書類に文字を浮かび上がらせてくれている。
『学校(案)』と一番上に文字が大きく書かれ、その下には走り書きで文字が記されている。
私が考えている新しい事業案で、まだ誰にも見ていない。
「この案件を煮詰めてライに意見を聞いてみたいなぁ……」
私がぽつりと零すと同時に部屋をノックする音が聞こえてきたため、私は弾かれたように顔を向ける。
返事をするために唇を開けば、扉がゆっくりと開きメディが現れた。
彼女は両手で銀のトレイを持っているんだけど、トレイの上にはティーポットとカップが。
「ティア、ハーブティーを入れて来たの。良かったらどうぞ」
「ありがとう」
「もしかして仕事中? 荷作りをしているかと思ったよ」
「あー。そろそろ始めないと間に合わないよね……」
時が過ぎるのは本当に早いもので、あと一ヶ月ほどで王女達の結婚式だ。
王女達の結婚式にはライも招待されているため、私は彼にエスコートして貰って参加する予定になっている。
ドレスや宝飾品はもうすでに準備が出来ていた。
半年ほど前に「ティアの晴れ舞台だから」と、ライがドレスや宝飾品などの一式を作ってくれたんだけれども、それがつい最近のように感じてしまっていた。
「早いよね。もうすぐティアの最大の目標だった王女殿下達の結婚式だよ。ティア、二年間どうだった?」
「早かったなぁと思った。あと、メーター振り切ったせいか、前の自分では考えられない行動が取れたかも」
リムスに居た頃は、同じ貴族令嬢達とお茶会をしたり、元婚約者のために過ごしていた。
それが今ではエタセルの為に行動を起こして他の人達に協力して貰い、目に見える形となり広がっている。
私がこんなにも変われたことは、ある意味元婚約者と王女達のお蔭だ。
……まぁ、でもやられたことはきっちり返すけど。
「そういえば、あの占い師さん当たっていたかも」
「占い?」
「うん。実は元婚約者達に裏切られた時、よく当たるって占い師さんに見て貰ったの。将来王妃となり輝く未来を歩むみたいなこと言われたんだ。王妃はまだ未確定だけど、『憎しみ』『鳥』『新天地』『ありのままを受け入れてくれる運命の伴侶』のキーワードは当たっているわ」
現に王女達への憎しみをエネルギーに変えてここまで来た。
鳥はコルのことだろう。コルがきっかけでライと出会えたのだから。
新天地はエタセルだし、ライは私のことをありのままで受け入れてくれている。
――占い師のお姉さん、今どこの国にいるのかな? あちらこちらを旅しているみたいだったけど。
「確かに当たっているわ。王妃もきっと当たるよ。だって、お兄様と結婚したら王妃だもの。私、お兄様には幸せになって欲しいし、安らげる人が傍に居て欲しいって思っているんだ。いままで苦労した分、今度こそ幸せにならなきゃ」
「メディ……」
「荷作りの手伝い欲しかったら言ってね。手伝うから」
「ありがとう」
私はメディにお礼を伝えると微笑んだ。
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