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心の行方2
しおりを挟む無性に不安が押し寄せ、冬至の顔を伺う。
「冬至、」
「お前。」
「ぇ?」
被せられた声に、言葉が止まる。
若干俺より高い身長でこちらを見下ろす冬至は、席を立っていた。
「お前。......どうしてあいつを気にかけているんだ。」
「え、あいつ......?」
突然の質問に、無意識に言葉を繰り返す。
あいつ、あいつ。
冬至の言うあいつっていうのは、
「バ会長のことだ。お前は最近あいつを気にしていただろう。昨日も朝来ないと思えば、生徒会室に居たらしいしな。」
「え。」
なんでだ。なんでバレたんだ。
俺、そんなこと一言も......。
冬至の顔を見る。その表情にはなんの感情も浮かんでいないようで。
「で、どうなんだ。桜庭。」
「えっ。............おれはっ」
冬至の切り目にあったはずの視線が、徐々に徐々に下がっていくのが分かる。
なんて答えればいいんだ。
会長が好きだからと、だから気にしているとそう言えばいいんだろうか。
だけど、そんなことを言えば会長の迷惑にならないだろうか。
会長が転校生と。転校生とどうにかなるのは必然で。
きっと時間の問題で。
冬至が会長に言うとは思えないけど、もし会長に伝わったら。伝わったら、困る。
俺が会長を好きなんて、そんなことーーーー、
「おい、桜庭。答えろ。」
いつまでも言葉を発しない俺に焦れたのか、鋭い声で名前を呼んでくる冬至に淡々顔を上げる。その目付きは、声と同じで鋭く強い。
「あぁ、......わかったぞ。お前がバ会長を気にかけている理由が。」
「え?」
目の前で、不敵に歪む口元に違和感。
冬至って、こんな笑い方をしただろうか。
遥か昔に見たような気がする冬至の笑顔を思い出し、そう思う。
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