9 / 57
第二章 こんな気持ちは初めて…… (麗夜side)
9.蒼の苦労人生
しおりを挟む
俺が新製品のアイテムをカバンから取り出して見せると、彼はキョトンとしていた。一体何に使うものかわからなかったのだろう。
うちが何の会社かも知らずに、契約欲しさに俺に媚びを売って「御社の製品が昔から大好きで」と言っていたんだとすぐにピンときた。
なんだ、がっかりという気持ちと裏腹に、彼がまだ男を知らないんだという事実に胸がわくわくした。
ここのところ誰に対しても反応しなかった俺のアソコが、彼とこうしてホテルの一室にいるというだけでもう疼いてたまらないのだ。
スーツや下着を奪い取り、露わになった彼の体のなんと美しいことか。筋肉のついた男らしいその肉体に俺は見惚れた。ふっくらとした胸筋の上の快感を知らない無垢な乳首や、使い込まれていない性器や蕾に俺はめまいすら感じた。
力ずくで彼の体を押さえつけて犯したら、強姦だと訴えられてしまうだろうか。
それでも構わない。今まで築いてきた地位や財産を全て投げ捨ててでも俺はこの男を抱かずにはいられない。
……こんな気持ち、初めてだった。
***
野々原蒼……。名刺なんて腐るほどもらうからいつもならさっさと秘書に渡しちゃうんだけど、蒼からもらった名刺は大事に手帳に挟んで持っている。
今日は彼と契約したウォーターサーバーの納品の日だ。もしかしたら蒼が来てくれるんじゃないかと思って、わざわざ会議の時間をずらして立ち会ったのに、来たのは彼じゃないサービス係の男だった。
「社長直々にお立会いくださるなんて、恐れ入ります……」
「野々原くんが来るんじゃないかと思ってね。ほら、俺は彼が一生懸命だから15台も契約したわけだからさ」
「そうでしたか、野々原を連れてくればよかったですね、気が利かずにすみません。入社以来、1台も契約の取れなかった彼がクビになりそうだったのを救ってくださったわけですもんね」
サービス係の男はサーバーを組み立てながら、俺に蒼が学生時代に両親を亡くして、親の借金と自身の奨学金の返済に追われていることを話した。
「親の借金って、そんなの相続しなきゃよかったものを」
「いや、それが業者から借りていたんじゃなく、親族から借りていたものらしくて。両親の葬儀の際に確か“おじさん”って言ってましたけど、両親が返していない多額の借金を返さないつもりなら両親の遺骨を代々の墓には納骨させないと言ってきたそうで……」
「なんだか気の毒な話だな。それで一人で借金を返すことに追われているのか」
まさか彼がそんな苦労を背負っているなんて……。
「ええ、一人っ子の彼には兄弟とか他に頼れる者はいないらしくて。みんなが嫌がる飛び込み営業部隊の営業二課の仕事も、全然契約取れないのに健気に頑張ってて」
やっぱり蒼は俺が思った通りの純真な青年らしい。
ああ、蒼に会いたい……。心に愛おしさが込み上げてきた。
うちが何の会社かも知らずに、契約欲しさに俺に媚びを売って「御社の製品が昔から大好きで」と言っていたんだとすぐにピンときた。
なんだ、がっかりという気持ちと裏腹に、彼がまだ男を知らないんだという事実に胸がわくわくした。
ここのところ誰に対しても反応しなかった俺のアソコが、彼とこうしてホテルの一室にいるというだけでもう疼いてたまらないのだ。
スーツや下着を奪い取り、露わになった彼の体のなんと美しいことか。筋肉のついた男らしいその肉体に俺は見惚れた。ふっくらとした胸筋の上の快感を知らない無垢な乳首や、使い込まれていない性器や蕾に俺はめまいすら感じた。
力ずくで彼の体を押さえつけて犯したら、強姦だと訴えられてしまうだろうか。
それでも構わない。今まで築いてきた地位や財産を全て投げ捨ててでも俺はこの男を抱かずにはいられない。
……こんな気持ち、初めてだった。
***
野々原蒼……。名刺なんて腐るほどもらうからいつもならさっさと秘書に渡しちゃうんだけど、蒼からもらった名刺は大事に手帳に挟んで持っている。
今日は彼と契約したウォーターサーバーの納品の日だ。もしかしたら蒼が来てくれるんじゃないかと思って、わざわざ会議の時間をずらして立ち会ったのに、来たのは彼じゃないサービス係の男だった。
「社長直々にお立会いくださるなんて、恐れ入ります……」
「野々原くんが来るんじゃないかと思ってね。ほら、俺は彼が一生懸命だから15台も契約したわけだからさ」
「そうでしたか、野々原を連れてくればよかったですね、気が利かずにすみません。入社以来、1台も契約の取れなかった彼がクビになりそうだったのを救ってくださったわけですもんね」
サービス係の男はサーバーを組み立てながら、俺に蒼が学生時代に両親を亡くして、親の借金と自身の奨学金の返済に追われていることを話した。
「親の借金って、そんなの相続しなきゃよかったものを」
「いや、それが業者から借りていたんじゃなく、親族から借りていたものらしくて。両親の葬儀の際に確か“おじさん”って言ってましたけど、両親が返していない多額の借金を返さないつもりなら両親の遺骨を代々の墓には納骨させないと言ってきたそうで……」
「なんだか気の毒な話だな。それで一人で借金を返すことに追われているのか」
まさか彼がそんな苦労を背負っているなんて……。
「ええ、一人っ子の彼には兄弟とか他に頼れる者はいないらしくて。みんなが嫌がる飛び込み営業部隊の営業二課の仕事も、全然契約取れないのに健気に頑張ってて」
やっぱり蒼は俺が思った通りの純真な青年らしい。
ああ、蒼に会いたい……。心に愛おしさが込み上げてきた。
15
あなたにおすすめの小説
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
自己肯定感低めの不幸な義弟が完璧な義兄と大揉めに揉める話
あと
BL
「こんな僕をお兄ちゃんは嫌ってるだろうな」
トップ俳優な完璧超人の義理の兄×不幸な自己肯定感低めのネガティブ義理の弟です。
お金ない受けが追い詰められて変なアルバイトしようとしたら、攻めと再会して……?みたいな話です。
攻めがヤンデレ気味で、受けがマジで卑屈なので苦手な人はブラウザバックで。
兄弟は親が離婚してるため、苗字が違います。
攻め:水瀬真広
受け:神崎彼方
⚠️作者は芸能界にもお葬式ににもエアプなので、気にしないでください。
途中でモブおじが出てきます。
義理とはいえ兄弟なので、地雷の人はブラウザバックで。
初投稿です。
初投稿がちょっと人を選ぶ作品なので不安です。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
内容も時々サイレント修正するかもです。
定期的にタグ整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。
丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。
イケメン青年×オッサン。
リクエストをくださった棗様に捧げます!
【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。
楽しいリクエストをありがとうございました!
※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる