11 / 57
第二章 こんな気持ちは初めて…… (麗夜side)
11.ドライブデート
しおりを挟む
翌日、駅前で待ち合わせをして、蒼と一緒に知り合いの元へ行った。
俺の愛車の助手席に乗った蒼はこれから始まる商談のことで頭がいっぱいでガチガチに緊張していたが、俺は内心これってドライブデートじゃんと、わくわくしていた。
たったこれだけのことでこんな気持ちになるなんてどうかしていると自分でもわかっている。でも蒼がそばにいるだけで俺は浮かれずにはいられないのだ。
「有沢法律事務所……ってことは相手の方は弁護士さんですか!?」
入り口の看板を見て彼は目を丸くしていた。
「そうだよ、言ってなかったっけ?」
「ひえー、余計に緊張しちゃいます」
「はは、大丈夫だよ。俺がうまいこと口添えしてあげるから」
秘書の女性が迎えに出て、俺たちは応接間に通された。
「本当に連れてきたのか」
この事務所の代表である有沢圭介は俺の隣へ座った蒼をしげしげと見つめた。
「相変わらず、こういうタイプが好みなんだな、お前は」
「えっ!?」
圭介の言葉に蒼はぽかんと首を傾げた。
「おいおい、本人の前で余計なこと言うなよ」
圭介は俺が時折開いていたゲイパーティーの参加者で、こいつも俺と同じタチなんだけど、俺はゲイ風俗遊びが大好きで何かと出会いの多いから、よくこいつにいい子を紹介してやっていた。
「ふーん、これがそのウォーターサーバーの価格表か。……なんか思っていたよりコストがかかるなぁ、やっぱりやめておこうかな……」
おどおどと自信なさそうに製品の説明していた蒼に圭介はぐさりと呟いた。ギクッとした蒼は黙って下を向き、何も反論しない。
相手に迷惑をかけまいと、蒼のやつ諦めるつもりだな……と思った俺は横から口を挟んだ。
「思っていたより高いって? そりゃそうだよ、だってサーバー自体の性能だってその辺のやつよりずっといいし、タンクの水だっていいやつなんだから。ちなみにお前んとこ、コーヒーってどうしてる?」
「どうしてるって、秘書なんかがドリップマシーンで抽出しているが?」
「うちの会社もついこの前までそうだった。このウォーターサーバーのコーヒーマシーン付きモデルなら好きなときにボタン一つでコーヒーが飲めるから便利だぞ。コーヒー殻の掃除とか、面倒な手入れは一切ないから、部下の余計な仕事を減らしてやれるし」
「へー、それはいいな。じゃあその高機能モデルを契約するか」
圭介は首を縦に振った。
「あ、ありがとうございますっ!」
俺が今発した言葉が決め手になって圭介は契約を決めたわけじゃない。最初から契約するつもりだったくせに、蒼がおどおどするものだから、困らせてやろうと意地悪を言っていたのだ。
弁護士の圭介にとって費用が高いだなんてそんなの本気で言っているわけではない。
俺は前もって圭介に好みの男を紹介してやるから、蒼からウォーターサーバーの一番高いモデルを契約するようお願いしていたのだ。
俺の愛車の助手席に乗った蒼はこれから始まる商談のことで頭がいっぱいでガチガチに緊張していたが、俺は内心これってドライブデートじゃんと、わくわくしていた。
たったこれだけのことでこんな気持ちになるなんてどうかしていると自分でもわかっている。でも蒼がそばにいるだけで俺は浮かれずにはいられないのだ。
「有沢法律事務所……ってことは相手の方は弁護士さんですか!?」
入り口の看板を見て彼は目を丸くしていた。
「そうだよ、言ってなかったっけ?」
「ひえー、余計に緊張しちゃいます」
「はは、大丈夫だよ。俺がうまいこと口添えしてあげるから」
秘書の女性が迎えに出て、俺たちは応接間に通された。
「本当に連れてきたのか」
この事務所の代表である有沢圭介は俺の隣へ座った蒼をしげしげと見つめた。
「相変わらず、こういうタイプが好みなんだな、お前は」
「えっ!?」
圭介の言葉に蒼はぽかんと首を傾げた。
「おいおい、本人の前で余計なこと言うなよ」
圭介は俺が時折開いていたゲイパーティーの参加者で、こいつも俺と同じタチなんだけど、俺はゲイ風俗遊びが大好きで何かと出会いの多いから、よくこいつにいい子を紹介してやっていた。
「ふーん、これがそのウォーターサーバーの価格表か。……なんか思っていたよりコストがかかるなぁ、やっぱりやめておこうかな……」
おどおどと自信なさそうに製品の説明していた蒼に圭介はぐさりと呟いた。ギクッとした蒼は黙って下を向き、何も反論しない。
相手に迷惑をかけまいと、蒼のやつ諦めるつもりだな……と思った俺は横から口を挟んだ。
「思っていたより高いって? そりゃそうだよ、だってサーバー自体の性能だってその辺のやつよりずっといいし、タンクの水だっていいやつなんだから。ちなみにお前んとこ、コーヒーってどうしてる?」
「どうしてるって、秘書なんかがドリップマシーンで抽出しているが?」
「うちの会社もついこの前までそうだった。このウォーターサーバーのコーヒーマシーン付きモデルなら好きなときにボタン一つでコーヒーが飲めるから便利だぞ。コーヒー殻の掃除とか、面倒な手入れは一切ないから、部下の余計な仕事を減らしてやれるし」
「へー、それはいいな。じゃあその高機能モデルを契約するか」
圭介は首を縦に振った。
「あ、ありがとうございますっ!」
俺が今発した言葉が決め手になって圭介は契約を決めたわけじゃない。最初から契約するつもりだったくせに、蒼がおどおどするものだから、困らせてやろうと意地悪を言っていたのだ。
弁護士の圭介にとって費用が高いだなんてそんなの本気で言っているわけではない。
俺は前もって圭介に好みの男を紹介してやるから、蒼からウォーターサーバーの一番高いモデルを契約するようお願いしていたのだ。
10
あなたにおすすめの小説
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
自己肯定感低めの不幸な義弟が完璧な義兄と大揉めに揉める話
あと
BL
「こんな僕をお兄ちゃんは嫌ってるだろうな」
トップ俳優な完璧超人の義理の兄×不幸な自己肯定感低めのネガティブ義理の弟です。
お金ない受けが追い詰められて変なアルバイトしようとしたら、攻めと再会して……?みたいな話です。
攻めがヤンデレ気味で、受けがマジで卑屈なので苦手な人はブラウザバックで。
兄弟は親が離婚してるため、苗字が違います。
攻め:水瀬真広
受け:神崎彼方
⚠️作者は芸能界にもお葬式ににもエアプなので、気にしないでください。
途中でモブおじが出てきます。
義理とはいえ兄弟なので、地雷の人はブラウザバックで。
初投稿です。
初投稿がちょっと人を選ぶ作品なので不安です。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
内容も時々サイレント修正するかもです。
定期的にタグ整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。
丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。
イケメン青年×オッサン。
リクエストをくださった棗様に捧げます!
【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。
楽しいリクエストをありがとうございました!
※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる