だからウサギは恋をした

東 里胡

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第五章 うさぎ、天敵に身をすくめる

5-2

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 淡々と説明が進む中、ふと思い出すのは、あのメールのこと。

『baby don't cry(泣かないで、赤ちゃん)』

その翌日は、赤ちゃんの画像が送られて来たり、そのまた次の日は『Peek-a-boo!(いないいないばあ)』なんて文章だったり、差出人のメールアドレスはいつも同じ。
 連日続くこの不思議なイタズラメールに「仕事の邪魔だな」と会長がアドレスをブロックしてしまったのが一昨日。
 それに気づかれたら、直接生徒会室に来たりとか、しないだろうか?
 そう思うと不安になってしまっていた。

「うさぎちゃん、一年生はこっちだって」
「あ、はい」

 大樹くんの声にハッとして顔をあげたら、一年一組から八組までのクラス委員が教室の隅に固まっていた。学年ごとの質問フォロー時間だ。
 二年は明日香先輩と吉居先輩、三年は会長となっちゃん先輩が担当し、詳細な質問などに答えるという。

「私、去年の秋の体育祭を観に来たんですが、その時は各クラスごと違う色のTシャツを着ていたみたいです。春はどうするんですか?」
「春は、体操服です。各クラスに色別の鉢巻きを配りますので、それを頭に巻いて下さい」

 うちのクラスの委員長中村さんの質問に答える。
 想定された質問集にあったことだったので、スラスラ伝えられてホッとした。
 他にも質問されたのは、全部前もって考えついていたもので一安心したのだけれど。
 八組の前川さんという女子生徒が、食い入るようにじっと私を見ていることに気づいた。
 その目があまりにも真っすぐで、何だか私を責めているみたいに感じて。

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