主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい

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義兄にドキドキするなんておかしい!!

14)夜の国の王

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「答えて」

ここまでくるとシャドウを信用するのが怖くなってくる。今まで普通に話せていたことが奇跡だと思えるくらい、今は全身が震える。これは得体の知れない化け物と向き合っている事実を自覚したからだろうか。

「で、もし我が貴様たちに危害を加えるつもりだと言ったらどうするつもりだ」

「今すぐ魔力の道筋を断ってこちら側には来させないようにする」

「そんなことができるとでも?」

「一時的とはいえ時間稼ぎにはなるだろ」

この前だってシャドウは自ら俺のところに来るのに苦労していたと言っていた。初めて公爵家のセキュリティーに感謝する。普通の人間であれば公爵家に張り巡らされた結界をすり抜けて侵入することはできない。侵入できたとしてもこの屋敷は全体的に母の魔力が張り巡らされているため、一瞬で見つかってしまうのだ。

シャドウでさえも公爵家に入るのは至難の業だろう。この魔力の道筋さえ断ってしまえば対策なんていくらでもできる。

「はあ、我は我の脅威にならぬものに牙を向くほど暇ではない」

「僕たちに危害を加えないっていう証拠がないだろ。僕はシャドウ、君の正体さえも知らないんだ」

「ふむ。そこまで言うのであれば我も教えないわけにはいかないな。貴様からの信頼を得ることができるのであれば良いだろう。しかし条件がある」

「条件?」

シャドウはニヤリと笑って俺の顔をじっと見つめる。一体どんな条件を出してくるのだろうか。

「貴様の方から月に一度ほどでいい。我をこちら側へ呼び出せ」

「へ?シャドウを?」

「そうだ」

「何で?別にシャドウだったらうちを行き来できるでしょう」

するとシャドウは苦虫を噛み潰したような顔をする。俺ってそんな顔もできたんだな。
もっと難しいことを言われると思っていたから拍子抜けだ。

(でも、一体何で……)

「もしかして、僕に会いたかったの?」

「…ッチ」

舌打ちをしてそっぽを向いてしまった。もしかして図星か?影だから頬が赤くなっている…とまでは分からないが、照れてるということで良いのだろうか。

「ナハト、こいつに騙されるなよ。お前が思ってるよりバケモンだぞ」

「化け物というのであれば貴様の方がよっぽど化け物だろう?」

何でこの二人はこんなに仲が悪いんだ。まあ、話を聞くところ二人は昔主従関係でシェイドはシャドウに捨てられたと言っていた。それならシェイドがシャドウを恨む気持ちもおかしくないのか?それにしてはシェイドの反応は過剰だと思ってしまう。

「なあ、嫉妬の悪魔」

「お前も言えたものじゃないだろうが。何でこいつにそこまで構うんだ。夜の国の王が!!」
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