主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい

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義兄にドキドキするなんておかしい!!

15)嫉妬の悪魔と王様

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「嫉妬の悪魔…夜の国の王…」

シェイドとシャドウを交互に見て呟く。こいつらどっちも同じくらい化け物じゃないか?
もし両親にバレたら…なんて考えたくもない。義兄がいなくなって落ち着いたはずの穏やかな日常の崩れ去る音がする。

(ん?でも待てよ)

「夜の国の王…『夜の国』ってトニトルス王国のことか?」

「貴様、我が国を知っているのか?」

俺の一言で部屋の温度が一気に冷える。

(なんだ?これ、殺気…?誰の…)

「童、どこでその名を知った」

「…は?」

「ああ、そういえば此奴は王宮に封印されていたのであったな。まだこの世にわが国について書かれている書物があるとは盲点だった。他に何か知っていることはあるか?」

「トニトルス王国がどこかにあるってことくらいしか知らない…」

俺の言っていることは間違っていない。俺の読んだ書物にはそれくらいのことしか書いてなかったから。ゲームで得た知識ももちろんあるが、それをここで言うのは危険だろう。

「…そうか。まあ、良いだろう。いずれは分かることだったしな」

俺と同じ背丈の影が頭を撫でる。これは俺を怖がらせたことへの慰めだろうか。

「いつか我の国にも貴様を招いてやろう。楽しみにしておくんだな」

「僕がシャドウの国に行ってもいいの?あっ、そういえば王様なんだよね。敬語の方がいいのかな」

「貴様はそのままでいい」

和やかな雰囲気の中、先ほどから一人だけ毛が逆立っている猫のようにシャドウのことを警戒している悪魔がいる。

「ナハト!!!そんな怪しい奴の言うことを聞くな。ナハトも騙されるぞ!!」

「悪魔もどきが。先ほどから我が貴様を裏切ったなどと言いおって。貴様が勝手に王族に喧嘩を売りに行き、勝手に捕まったのだろう」

「お前が僕っちを利用していたのには変わりないだろう。その証拠にお前は僕っちのことこの数百年迎えにも来なかったじゃないか!!」

(ああ、シェイドは寂しかったんだな)

それもそうだ。誰もいない本の中で数百年も一人きり。自分の声は何故か闇属性の人間にしか聞こえないし、俺に声をかけたのも藁にもすがる想いだったんだろう。そう考えると、シェイドが可哀想に見えてくる。

「シャドウ」

「…何だ」

「シェイドに謝って。それかきちんと理由も説明して」

「はあ!?ナハト、お前何言って…こいつは意地でも誤ったことなんてないんだぞ!」

「そもそも、此奴が勝手に捕まったのが悪いだろう。何故我が謝らねばならんのだ」

「ふぅん。シャドウが反省しないならもう切るね。反省しないなら1ヶ月の約束もなしね」


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