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ラクロス編
第2話 焦り①
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就寝後――
「焦らないでね。」
真夏の言葉が、ふいに頭をよぎる。
昼間のグラウンドの光景が、薄闇の中で滲むように浮かんだ。
(あと半年しかない…)
彩音は布団を頭からかぶり、そのまま小さく丸まる。
エアコンの低い音だけが、静かな部屋に残っていた。
――――――
次の日―― 大学キャンパス内。
昼下がりの構内は、人の行き交う音で満ちている。
「彩音ー。」
「沙織さん。」
後ろから声をかけられたかと思うと、そのまま首元に腕が回される。
「なんか元気ないぞ?どうした?」
「ははっ……そんなことないですよ?」
少し大げさに笑ってみせる彩音の横で、守護霊さんが静かに微笑みながら、その様子を見ていた。
「そっか?ならいいんだけど。」
「彩音はわかりやすいからなぁ…」
「?」
「じゃ、言いたくなったら、ちゃんと私に言うんだぞ?」
「あ…はい…」
彩音はきょとんとしたまま頷く。
その隣で、守護霊さんは静かにうなづいた。
――――――
16時――
ラクロスの練習が始まる。
夕方のグラウンドには、笛の音と掛け声が響き渡る。踏み固められた芝の上で、選手たちが配置についた。
「梶原が右、長谷川が左!」
「木村!中央、いいな!」
「はい!」
彩音は別メニューをこなしながら、少し離れた場所で実戦形式の動きを見つめている。
ピピ――!
笛が鳴り、一斉に動き出す。
真夏の動きは、ひとり別次元だった。
パスを受け、迷いなく切り込み、そのままシュートまで持ち込む。
(やっぱり…真夏さんはすごい…)
丘の上、グラウンド全体を見渡せる場所。
守護霊さんはベンチに腰掛け、静かに試合の流れを追っていた。
――――――
クールタイム――
「梶原さん、ごめんね…うまく合わせられなくて…」
「大丈夫だよ。」
「長谷川さんは同じペースで。私が切り込むから。」
真夏は、いつもと変わらない笑顔でそう答える。
「うん。」
そのやり取りを見守る間もなく、監督の声が飛んだ。
「次、宮司、右に入れ!」
「はい…」
彩音は短く返事をする。
(いいとこ…見せないと。私だって……)
「焦らないでね。」
真夏の言葉が、ふいに頭をよぎる。
昼間のグラウンドの光景が、薄闇の中で滲むように浮かんだ。
(あと半年しかない…)
彩音は布団を頭からかぶり、そのまま小さく丸まる。
エアコンの低い音だけが、静かな部屋に残っていた。
――――――
次の日―― 大学キャンパス内。
昼下がりの構内は、人の行き交う音で満ちている。
「彩音ー。」
「沙織さん。」
後ろから声をかけられたかと思うと、そのまま首元に腕が回される。
「なんか元気ないぞ?どうした?」
「ははっ……そんなことないですよ?」
少し大げさに笑ってみせる彩音の横で、守護霊さんが静かに微笑みながら、その様子を見ていた。
「そっか?ならいいんだけど。」
「彩音はわかりやすいからなぁ…」
「?」
「じゃ、言いたくなったら、ちゃんと私に言うんだぞ?」
「あ…はい…」
彩音はきょとんとしたまま頷く。
その隣で、守護霊さんは静かにうなづいた。
――――――
16時――
ラクロスの練習が始まる。
夕方のグラウンドには、笛の音と掛け声が響き渡る。踏み固められた芝の上で、選手たちが配置についた。
「梶原が右、長谷川が左!」
「木村!中央、いいな!」
「はい!」
彩音は別メニューをこなしながら、少し離れた場所で実戦形式の動きを見つめている。
ピピ――!
笛が鳴り、一斉に動き出す。
真夏の動きは、ひとり別次元だった。
パスを受け、迷いなく切り込み、そのままシュートまで持ち込む。
(やっぱり…真夏さんはすごい…)
丘の上、グラウンド全体を見渡せる場所。
守護霊さんはベンチに腰掛け、静かに試合の流れを追っていた。
――――――
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「大丈夫だよ。」
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真夏は、いつもと変わらない笑顔でそう答える。
「うん。」
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彩音は短く返事をする。
(いいとこ…見せないと。私だって……)
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