私の守護霊さん

Masa&G

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第27話 花火大会①(挿絵あり)

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ピンポーン。 

「宅急便です。」 

「はーい」

 ガチャッ。 

「ありがとうございました。」 

ドアが閉まった瞬間、玄関先にどん、と大きな箱が残った。

「うぅ…おも…」 

彩音は両腕で箱を抱え、よたよたと部屋の中へ運ぶ。 フローリングを擦る音と、段ボールの角が壁に当たる鈍い音。

「ん…しょ!」 

ドスン。

床に置いた瞬間、彩音は小さく息を吐いた。 夏の夕方の空気が、窓の隙間からじわっと入り込んでくる。

守護霊さんがそっと近づく。

「お米…入ってるから重いんだ…20キロ。」

 箱の側面をぽんぽんと叩く。 

「ほんと助かるよ。お米最近高いし。」

守護霊さんは、こくりとうなづいた。

「それと…私の浴衣も送ってもらったんだ。」

 彩音が、にひっと笑う。 

「競馬場で花火大会あるからね~」

ガサゴソと箱を開け、中身を取り出す。
 ビニール越しに、畳まれた布の感触が見えた。

「去年は部活の遠征で行けなかったけど…」

 ガサガサ…

「今年は…」

「あ、これだ!よいしょ…」 

彩音は浴衣を広げ、守護霊さんの前に見せる。

「一緒に行こうね。見に。」

守護霊さんは、微笑みながらこくり。

青い花柄の入った浴衣。
 少し懐かしい色合いが、部屋の明かりにやわらかく映える。

「高校の時買った浴衣だからまだ着れるはず…」

「ちょっと着てみよう…」

守護霊さんは、わくわくした様子で見守る。

「……どうやって着るの?これ…」

 彩音が首をかしげる。

「?」 

守護霊さんも、同じ角度で首をかしげた。

「お母さんが着付けしてくれたからなぁ…」 

スマホを取り出し、画面を操作する。 

「んと…浴衣…着付け…1人…」

守護霊さんも、肩越しに覗き込む。

「お…あった…画像付きだ!」 

「じゃあ…着てみますか…」

こくり。

「ここを…こう?」 

ふるふる。

「え?違う?この方向でしょ?」 

守護霊さんが、身振り手振りでジェスチャーする。

「あ、そっか!対面で今じゃ見てるから反対だ…」

こくこく。

「ここで…くるっと…しばる…」 

シュッ。

「で…背中を…引っ張る…」 

彩音は背中に手を回し、そわそわと動く。

「後ろおかしくない?」 

守護霊さんが後ろを見て、オッケーのジェスチャー。

「ふふふ。1人でできるじゃないか…」

「で、帯を…ここに合わせて…前で…」 

シュッ…

「で…こう…かな…」 

シュー…

「合ってる?」 

守護霊さんはスマホの画面と見比べながら、オッケーのジェスチャー。

「オッケーね。それで…こうして…最後にキュッと。」 

シュッ。

「で…くるっと後ろに…」

彩音は鏡の前で、少しだけ姿勢を正す。

「できた!」

守護霊さんは、小さく拍手ぱちぱち。

「ちょっと緩いけど…」 

「大丈夫そう。」

窓の外では、夕焼けが少しずつ色を深めていた。

「ふふ。花火大会楽しみ。」

守護霊さんも、静かに微笑み、うなづいた。
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