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第1章 神獣協会
ヘッドハンター作戦 終局
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『多分王族かその側近だぜ。この感じは』
『アシュキルか?』
『分からねえ、意図的に精神座標がずらされてやがる』
『では実際に見て確かめるまでだな』
『旦那、セカンドを』
『お前をしてそこまで警戒させるとはな。いいだろう、許可する』
『ここからはちょっとガチで行くぜ。制限進化、スケールセカンド』
アーサーがそう言った途端、マスクに付いたファンが高速で回り始めた。
『クッ…!ひでえ気分だ!』
アーサーはまたもや血の涙を流した。だが、その涙は黒く濁っていた。
『あの、アーノルドさん。制限進化とはもしかして…』
源がそう聞こうとした途端、アーサーが壁を強く拳で叩いた。壁は大きくへこみ、周囲はその衝撃で少し揺れた。
『妙だな、なぜ変異時間がそこまで長い』
アーノルドは手首に巻いていた何らかの装置を起動した。そこには強制執行レベルと赤い文字で表示されていた。明らかにアーサーを警戒している。
『うう、あ、ぐ…!』
アーサーはそのまま壁にもたれかかると、ずるずると崩れ落ちた。
『アレク!』
アーノルドはそばには寄らず、時計型のデバイスを素早く操作し始めた。その顔には若干の焦りが見えている。
『おい…!何してやがるんですか、旦那!俺は大丈夫ですよ。ただ、体が拒絶しているだけだ!鎮静剤を、投薬量を増やしてください!そうすれば落ち着くはずだ!』
アーノルドはそれに躊躇ったが、その通りにした。すると、アーサーの乱れた呼吸が段々落ち着いていき、何とか落ち着いた。血の涙も止まっている。
『はあはあ……クソ!』
アーサーは何とかよろよろと立ち上がると、軽くストレッチをした。
『旦那、入りましょう。一旦なっちまえば、こっちのモンです。……ああ痛え』
『……大丈夫なんだな?』
『心配いりませんよ。ほんの少し敵の脳波に乱されただけだ。この俺が負けるはずがねえ』
『分かった。では開けるぞ』
アーノルドはそう言うと、慎重に扉を開けた。中にはいくつかの黒い血痕があるばかりだった。
『……逃げたんですかね』
『だろうな、だが、ここではないのだろう?』
『ああ、そこの壁に隠し扉がある。その中だ、その中に奴はいる』
アーノルドは壁のある部分に、自分の手を突き刺すと、そのまま引っ張った。すると、バキバキという音と共に、壁の一部が扉の形にはがれ、その先に白い空間が広がっていた。
(この空間、僕が浄化するときの!いや、それよりもまずは……)
『…レストア』
その白い空間の中には、浄化されたはずのレストアが背中を向けてあぐらをかき、その真ん中に座っていた。切り落とされたはずの左腕は再生されて、そこだけ甲冑のないむき出しの状態となっていた。
『どうやらアシュキルではないようだな』
『待ってください、旦那。これは俺がいかねえと危ない』
『あれは、王族か?』
『直接聞きますよ』
アーサーはグローブをしっかりとはめなおすと、部屋の中に入っていった。
「……誰だ」
「アーサー・アレキサンドラ。アメリカ海兵隊だ」
「成程、貴様がかの米国の選ばれし戦士か」
「戦士?何を言っているのかさっぱりだが、てめえは英語が分かるらしい」
「分かるとも。だが少々、貴様のソレは品位に欠けるな。貧民の出か?」
「言ってくれるぜカマ野郎が。そのバケツみてえな被りモン、俺がはがしてやるよ」
「……我はアカモトとの決着をつけておらん。ゆえに、これは決闘ではなく、死闘でもなく、ただの戦闘行為とする。よいな?」
「つまり手段は選ばねえってことか。いいぜ、どうせアシュキルの逃げる時間稼ぎだろうが、それにしても、お前はここでぶっ殺さねえとあとが面倒そうだ。きっちり倒してやるよ」
レストアはゆっくりとその場に立ち上がった。それまでの一瞬も隙は見せなかった。
「……我は今すこぶる機嫌が悪いのだが、これは僥倖として捉えるべきか。本来であれば主菜はアカモトであったが、貴様ら2人を屠ったあとのデザートも、それはそれで実に甘美な味わいであろうな」
レストアはそう言ってアーサー越しに源を見た。
「ンだよ、戦闘狂か?」
「否定はせぬ」
「んじゃ肯定だ」
「…貴様とはそりが合いそうにもないな」
レストアはアーサーに体を向けると、なんとボクシングの構えを取った。
「不思議か?それも致し方あるまい。これの原型は全て、我が創りだしたものだ」
レストアがそう言い終わらないうちに、アーサーは5メートルほどあった間合いを一気に詰め、その巨体の下をくぐるように、みぞおちに回し蹴りを撃ち込んだ。アーサーの蹴りはレストアに直撃し、着ていた甲冑は大きくへこんだ。
「元祖かなんだか知らねえが、今はキックボクシングが主流だぜ。クソじじい」
「生憎、初撃は受けるのが我の流儀でな」
レストアはそう言うと、アーサーのみぞおちに鋭い左アッパーを食らわせた。その一撃は、ガードした両腕ごと深く体にめり込み、アーサーはそのまま壁にすさまじいスピードで衝突した。
「さて、蹴りだ何だとのたまう割にはこの程度か。所詮は年端も行かぬ青二才、お前風に言うなら、クソガキだな。出直してこい、下郎」
アーサーは少し吐血しながら壁からめりこんだ体を引きはがした。
「ファック!どんな速さだよクソっタれが!」
「これが仕事だ。貴様のそのかりそめの力では、受けるのが精一杯だろうて」
「……てめえ、ただの側近じゃねえな。名を名乗れ」
「レストア・ユグト・カンニバス」
「レストア!お前もしかして、ユグトの大英雄か!」
「それは古き名だ。すでに英雄などとは到底呼べるまい」
「だろうな、お前は英雄であり反英雄だ」
『レストアだと?』
『アーノルドさん、なにか知っているんですか?』
『ああ、詳しくは言えないが、もしあれが本当にレストアなら、アーサーには分が悪い…』
(一体怪獣とはなんなんだ?なぜ二つ名が存在する?それは地球の文化だろうに)
源はこの時初めて怪獣の出自に興味を持った。ただ漠然と怪獣を処理していた源にとって、その考えはとても新鮮で意義深いと思った。
『おい、アーサー。俺が代わるから、そこをどけ。お前が万一にも殺されては申し訳が付かん』
『でもよお旦那、俺たちの役目は……』
『これは想定外だ、仕方がない』
『……分かったよ』
アーサーはその場から動かないレストアを警戒しつつ、扉にたどり着いた。
『すまねえ、旦那……』
『ああ、任せろ』
アーノルドはアーサーと入れ替わりで部屋の中に入った。
「米兵、部下の教育は怠るべきではないぞ。アレにはお前のような練り上げられた闘志が感じられん。もっとも、自らの力を過信した結果だろうがな」
「その責任は俺にあるとでも言うつもりか?」
「すべてではないが、そうだ。実に勿体のないことをしたな」
「……そうかもな」
そもそも伝承クラスの戦士は実戦に想定していない、とはアーノルドも言えなかった。
「行くぞ、レストア」
(確実にダメージだけ与えに行く…!)
アーノルドは背負っていた機関銃を折りたたみ変形させると、斧のような形にした。レストアは無言でまたボクシングの構えをとると、アーノルドを四つの目で見据えた。
アーノルドは斧を両手で持ち、横に振りかぶると、柄の部分のボタンを押した。すると斧の後方から推進剤が噴き出し、アーノルドはそれと同時に走り出すと、その推進力で加速した切っ先をレストアの横腹に向けた。その刃先が当たる直前で、レストアはわずかに後ろにずれ、ぎりぎりでそれを避けた。そして若干体勢を崩したアーノルドの頭に右のアッパーが繰り出された。アーノルドもそれをわずかにかわすと、体を斧の勢いそのままに回転させ、レストアに背を向けると、その柄を甲冑に突き刺した。その場所は、心臓だった。さらに柄を抜くと、そこに自分の右手を突っ込んだ。
「二つ目だ」
「…芸達者だな」
アーノルドは二つ目のコアを手に握りこむと、それを浄化した。その途端、レストアの体ががくりと傾き、そのまま地面に跪いた。アーノルドは手を引き抜くと、膝をついてなおアーノルドと背丈が同じの、レストアの顔を見た。その斜めのスレッドからは、一対の目が見えた。その目には、黒い瞳が二つずつあった。
「……何故死なない」
「いつコアが二つだけだと言った」
アーノルドはもう一度斧を構えようとした。
「それは無駄だ。すでにコアの一部を転送している。今の我はいわば残留思念のようなもの」
「……チッ!」
「そう憤るな。お前たちは良く戦った。我に肉体の転移を決断させるのは相当だぞ?」
「俺がそれを聞いてバカみたいに喜ぶとでも?」
「素直にその名誉を嚙み締めたらどうだ。我を一度殺したと。もっとも、この肉体はそもそも不完全だ。まずはより良い素体に変えねばな」
「大英雄が負け惜しみか?随分小さくなったものだな」
「次は万全で相手をすると言っているのだ。最初はアカモトだがな」
「アカモト?彼にはそこまでの能力は感じなかったが」
「伸びしろはある。奴を倒した上で大君を殺害するのが、我の最も得心のゆくシナリオよ」
「まさか、もとよりミナモトを殺す気は無かったな?」
「あれは我がそう簡単に殺してよい御仁ではないゆえな」
「……とんだ茶番だな。ただ純粋に時間稼ぎをしただけとは」
「おかげで、無事殿下は安全な所へお移りになられた」
「そうかよ、我々はただ時間と労力を無意味に消費しただけだ」
「……」
レストアからの返事は無かった。その時すでに、レストアの残留思念は肉体から消え去っていたのだ。
「後味の悪い……」
アーノルドは斧でレストアの首を切り落とすと、残された人たちがいないか確認するため、倉庫に向かった。
『アシュキルか?』
『分からねえ、意図的に精神座標がずらされてやがる』
『では実際に見て確かめるまでだな』
『旦那、セカンドを』
『お前をしてそこまで警戒させるとはな。いいだろう、許可する』
『ここからはちょっとガチで行くぜ。制限進化、スケールセカンド』
アーサーがそう言った途端、マスクに付いたファンが高速で回り始めた。
『クッ…!ひでえ気分だ!』
アーサーはまたもや血の涙を流した。だが、その涙は黒く濁っていた。
『あの、アーノルドさん。制限進化とはもしかして…』
源がそう聞こうとした途端、アーサーが壁を強く拳で叩いた。壁は大きくへこみ、周囲はその衝撃で少し揺れた。
『妙だな、なぜ変異時間がそこまで長い』
アーノルドは手首に巻いていた何らかの装置を起動した。そこには強制執行レベルと赤い文字で表示されていた。明らかにアーサーを警戒している。
『うう、あ、ぐ…!』
アーサーはそのまま壁にもたれかかると、ずるずると崩れ落ちた。
『アレク!』
アーノルドはそばには寄らず、時計型のデバイスを素早く操作し始めた。その顔には若干の焦りが見えている。
『おい…!何してやがるんですか、旦那!俺は大丈夫ですよ。ただ、体が拒絶しているだけだ!鎮静剤を、投薬量を増やしてください!そうすれば落ち着くはずだ!』
アーノルドはそれに躊躇ったが、その通りにした。すると、アーサーの乱れた呼吸が段々落ち着いていき、何とか落ち着いた。血の涙も止まっている。
『はあはあ……クソ!』
アーサーは何とかよろよろと立ち上がると、軽くストレッチをした。
『旦那、入りましょう。一旦なっちまえば、こっちのモンです。……ああ痛え』
『……大丈夫なんだな?』
『心配いりませんよ。ほんの少し敵の脳波に乱されただけだ。この俺が負けるはずがねえ』
『分かった。では開けるぞ』
アーノルドはそう言うと、慎重に扉を開けた。中にはいくつかの黒い血痕があるばかりだった。
『……逃げたんですかね』
『だろうな、だが、ここではないのだろう?』
『ああ、そこの壁に隠し扉がある。その中だ、その中に奴はいる』
アーノルドは壁のある部分に、自分の手を突き刺すと、そのまま引っ張った。すると、バキバキという音と共に、壁の一部が扉の形にはがれ、その先に白い空間が広がっていた。
(この空間、僕が浄化するときの!いや、それよりもまずは……)
『…レストア』
その白い空間の中には、浄化されたはずのレストアが背中を向けてあぐらをかき、その真ん中に座っていた。切り落とされたはずの左腕は再生されて、そこだけ甲冑のないむき出しの状態となっていた。
『どうやらアシュキルではないようだな』
『待ってください、旦那。これは俺がいかねえと危ない』
『あれは、王族か?』
『直接聞きますよ』
アーサーはグローブをしっかりとはめなおすと、部屋の中に入っていった。
「……誰だ」
「アーサー・アレキサンドラ。アメリカ海兵隊だ」
「成程、貴様がかの米国の選ばれし戦士か」
「戦士?何を言っているのかさっぱりだが、てめえは英語が分かるらしい」
「分かるとも。だが少々、貴様のソレは品位に欠けるな。貧民の出か?」
「言ってくれるぜカマ野郎が。そのバケツみてえな被りモン、俺がはがしてやるよ」
「……我はアカモトとの決着をつけておらん。ゆえに、これは決闘ではなく、死闘でもなく、ただの戦闘行為とする。よいな?」
「つまり手段は選ばねえってことか。いいぜ、どうせアシュキルの逃げる時間稼ぎだろうが、それにしても、お前はここでぶっ殺さねえとあとが面倒そうだ。きっちり倒してやるよ」
レストアはゆっくりとその場に立ち上がった。それまでの一瞬も隙は見せなかった。
「……我は今すこぶる機嫌が悪いのだが、これは僥倖として捉えるべきか。本来であれば主菜はアカモトであったが、貴様ら2人を屠ったあとのデザートも、それはそれで実に甘美な味わいであろうな」
レストアはそう言ってアーサー越しに源を見た。
「ンだよ、戦闘狂か?」
「否定はせぬ」
「んじゃ肯定だ」
「…貴様とはそりが合いそうにもないな」
レストアはアーサーに体を向けると、なんとボクシングの構えを取った。
「不思議か?それも致し方あるまい。これの原型は全て、我が創りだしたものだ」
レストアがそう言い終わらないうちに、アーサーは5メートルほどあった間合いを一気に詰め、その巨体の下をくぐるように、みぞおちに回し蹴りを撃ち込んだ。アーサーの蹴りはレストアに直撃し、着ていた甲冑は大きくへこんだ。
「元祖かなんだか知らねえが、今はキックボクシングが主流だぜ。クソじじい」
「生憎、初撃は受けるのが我の流儀でな」
レストアはそう言うと、アーサーのみぞおちに鋭い左アッパーを食らわせた。その一撃は、ガードした両腕ごと深く体にめり込み、アーサーはそのまま壁にすさまじいスピードで衝突した。
「さて、蹴りだ何だとのたまう割にはこの程度か。所詮は年端も行かぬ青二才、お前風に言うなら、クソガキだな。出直してこい、下郎」
アーサーは少し吐血しながら壁からめりこんだ体を引きはがした。
「ファック!どんな速さだよクソっタれが!」
「これが仕事だ。貴様のそのかりそめの力では、受けるのが精一杯だろうて」
「……てめえ、ただの側近じゃねえな。名を名乗れ」
「レストア・ユグト・カンニバス」
「レストア!お前もしかして、ユグトの大英雄か!」
「それは古き名だ。すでに英雄などとは到底呼べるまい」
「だろうな、お前は英雄であり反英雄だ」
『レストアだと?』
『アーノルドさん、なにか知っているんですか?』
『ああ、詳しくは言えないが、もしあれが本当にレストアなら、アーサーには分が悪い…』
(一体怪獣とはなんなんだ?なぜ二つ名が存在する?それは地球の文化だろうに)
源はこの時初めて怪獣の出自に興味を持った。ただ漠然と怪獣を処理していた源にとって、その考えはとても新鮮で意義深いと思った。
『おい、アーサー。俺が代わるから、そこをどけ。お前が万一にも殺されては申し訳が付かん』
『でもよお旦那、俺たちの役目は……』
『これは想定外だ、仕方がない』
『……分かったよ』
アーサーはその場から動かないレストアを警戒しつつ、扉にたどり着いた。
『すまねえ、旦那……』
『ああ、任せろ』
アーノルドはアーサーと入れ替わりで部屋の中に入った。
「米兵、部下の教育は怠るべきではないぞ。アレにはお前のような練り上げられた闘志が感じられん。もっとも、自らの力を過信した結果だろうがな」
「その責任は俺にあるとでも言うつもりか?」
「すべてではないが、そうだ。実に勿体のないことをしたな」
「……そうかもな」
そもそも伝承クラスの戦士は実戦に想定していない、とはアーノルドも言えなかった。
「行くぞ、レストア」
(確実にダメージだけ与えに行く…!)
アーノルドは背負っていた機関銃を折りたたみ変形させると、斧のような形にした。レストアは無言でまたボクシングの構えをとると、アーノルドを四つの目で見据えた。
アーノルドは斧を両手で持ち、横に振りかぶると、柄の部分のボタンを押した。すると斧の後方から推進剤が噴き出し、アーノルドはそれと同時に走り出すと、その推進力で加速した切っ先をレストアの横腹に向けた。その刃先が当たる直前で、レストアはわずかに後ろにずれ、ぎりぎりでそれを避けた。そして若干体勢を崩したアーノルドの頭に右のアッパーが繰り出された。アーノルドもそれをわずかにかわすと、体を斧の勢いそのままに回転させ、レストアに背を向けると、その柄を甲冑に突き刺した。その場所は、心臓だった。さらに柄を抜くと、そこに自分の右手を突っ込んだ。
「二つ目だ」
「…芸達者だな」
アーノルドは二つ目のコアを手に握りこむと、それを浄化した。その途端、レストアの体ががくりと傾き、そのまま地面に跪いた。アーノルドは手を引き抜くと、膝をついてなおアーノルドと背丈が同じの、レストアの顔を見た。その斜めのスレッドからは、一対の目が見えた。その目には、黒い瞳が二つずつあった。
「……何故死なない」
「いつコアが二つだけだと言った」
アーノルドはもう一度斧を構えようとした。
「それは無駄だ。すでにコアの一部を転送している。今の我はいわば残留思念のようなもの」
「……チッ!」
「そう憤るな。お前たちは良く戦った。我に肉体の転移を決断させるのは相当だぞ?」
「俺がそれを聞いてバカみたいに喜ぶとでも?」
「素直にその名誉を嚙み締めたらどうだ。我を一度殺したと。もっとも、この肉体はそもそも不完全だ。まずはより良い素体に変えねばな」
「大英雄が負け惜しみか?随分小さくなったものだな」
「次は万全で相手をすると言っているのだ。最初はアカモトだがな」
「アカモト?彼にはそこまでの能力は感じなかったが」
「伸びしろはある。奴を倒した上で大君を殺害するのが、我の最も得心のゆくシナリオよ」
「まさか、もとよりミナモトを殺す気は無かったな?」
「あれは我がそう簡単に殺してよい御仁ではないゆえな」
「……とんだ茶番だな。ただ純粋に時間稼ぎをしただけとは」
「おかげで、無事殿下は安全な所へお移りになられた」
「そうかよ、我々はただ時間と労力を無意味に消費しただけだ」
「……」
レストアからの返事は無かった。その時すでに、レストアの残留思念は肉体から消え去っていたのだ。
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