勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

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まるで門番のようにも思えるその石像を見ていると何だか不気味さを感じずにはいられなかったのだが、それと同時に興味も湧いてくるのだった。
(一体どんな人物なんだろうか……?)
そんな事を考えているうちにいよいよ門の目の前までやって来たわけだが、すると不意に声が聞こえてきたような気がしたので
慌てて周囲を見回すとそこには誰も居なかった……筈なのだが何かが聞こえてきたような気がしてならなかったんだよな。
というのも声が段々大きくなってきていたような気がするし、おまけに足音のようなものまで聞こえてくる始末だったからだよ。
「おや? どうしたんだね? 何か困りごとかな?」
声のした方を見るとそこにいたのは優しそうな笑みを浮かべる一人の老婆だった。
白髪混じりの髪の上には三角帽子を被り、手には木の杖を持っているその姿はまさしく魔女と呼ぶに相応しい風貌をしていたのである。
そんな彼女は微笑みながら訊ねてきた。
その質問に対して素直に答えようと思ったんだが、ふと我に返って思い留まったのだ。
何故なら今の俺の姿は幼女になっているわけだし下手に喋るとボロが出かねないと思ったからだ。
(いや待てよ? そもそもこれは本当に現実なのか? 実は夢の中なんじゃないか?)
そんな風に考え始めていた時、突然目の前の景色が変わったのである。
そして気が付くとそこは見知らぬ部屋の中であり、そこでは一人の男性が椅子に座りながら何かの書類を眺めている最中だったようだ。
どうやらこの人は俺の父親らしく、仕事中であるにも拘らず俺を膝の上に乗せて可愛がってくれていたようだったのだ。
その様子はまるで娘を愛でるかの如く優しいものであり、同時にとても幸せそうな表情を浮かべていた。
それを見た瞬間俺は理解したんだ。
あぁ、俺はこの人の娘として生まれ変わったんだなってな。
そう思うとなんだか感慨深い気持ちになり、思わず涙が溢れてきてしまったんだ。
それを見た父親が驚いてしまいオロオロしていたが、その様子を目の当たりにした俺は咄嗟に誤魔化す為に話題を振る事にした。
と言っても何を話せばいいのか分からず戸惑っていると、そんな様子を見兼ねたのか助け舟を出してくれた人物がいた。
それはアリアだったのである。
彼女は俺に近づいてきて優しく頭を撫でてくれながらこう言ったのだ。
その言葉を聞いた俺は安心したのか一気に力が抜けてしまい、そのまま眠ってしまったようだった。
その後目が覚めるとベッドの上に寝かされていた事に気付いたんだけど、
すぐ側に誰かが居る気配を感じたので目を向けてみるとそこには見覚えのある顔があった。
その人物とは誰であろうルナだったのだ。
しかも何故か添い寝をしている状態だったのだ。
これには俺もびっくりしてしまったが、当の本人は特に気にする様子もなく微笑んでいるだけだったのだ。
「おはようございます」
そう言って挨拶をする彼女に対して戸惑いつつも挨拶を返すとそのまま起き上がったのだがその際に違和感を感じてしまったのである。
何故ならば俺の身体は既に成人男性のものになっていたからである。
その事実を理解した瞬間思わず声を上げそうになったもののどうにか堪えることが出来たため安堵の溜息を吐いていると彼女が声をかけてきた。
そこでようやく我に返った俺は返事をする事にしたんだ。
(ふぅ……危ないところだったぜ)
そう思いながら気を取り直した後、改めて周りを見渡してみるとそこは見慣れない部屋だった事もあり不安に駆られてしまったのだが
そんな時に彼女が話しかけてきたんだ。
それを聞いて少し落ち着きを取り戻した俺はとりあえずお礼を述べる事にしたんだ。
するとそれに対して微笑みながら返してくれたのでこちらも自然と笑みが浮かんでくるのを感じたのだった。
「あの、ここはどこなんでしょうか?」
気になったので尋ねてみると彼女はこう答えてくれたんだ。
なんでもここは宿屋の一室であり、自分達が借りている部屋だという事が分かったのだが、
どうしてそんな場所にいるのか不思議に思った俺はそれについて訊ねてみると、意外な事実を知る事となった。
なんと、俺は昨日の夜に気を失ってしまったらしいのだがその時にはもう既にこの状態だったらしいんだ。
どういう事なのか詳しく話を聞いてみると、どうやら俺が眠っている間に魔法によって強制的に眠らされたという事だったみたいなんだ。
しかもそれだけではなく、どうやら記憶の方も改竄されているらしいということがわかったのである。
そのため今の自分が置かれている状況を理解することが出来なかったが、
「大丈夫ですよ、私たちが付いていますから安心してください」
その言葉に安心感を覚えたと同時に嬉しく思う自分がいることに気付いてしまったため、恥ずかしくなった俺は顔を逸らすことにした。
だが、その直後に抱きつかれてしまったことで完全に身動きが取れなくなってしまった。
それどころかキスまでされてしまう始末だったのだが、不思議と嫌な気分にはならなかったので抵抗せずに受け入れることにしたのである。
そうしてしばらくの間されるがままになっていたのだが、不意に耳元で囁かれたことで現実に引き戻されることになった。
「……そろそろいいかしら?」
その声に振り向くとそこにいたのはアリアだった。
どうやら彼女も一緒らしいということが分かり安堵していたのだが、
それも束の間のことですぐにまた唇を塞がれることになってしまった。
その後も何度か繰り返された結果、すっかり骨抜きにされてしまった俺は抵抗することも出来ず為すがままにされるしかなかったのだが
それでも構わないと思ってしまうほど夢中になってしまっていたようで、気付いた時には自分から求めるようになっていた。
そして、翌朝、俺は重たい体を引きずりながらベッドから起き上がるとそのまま部屋を出て食堂に向かったんだ。
ちなみに昨夜はそのまま眠りについてしまったため服は何も身に着けていない状態であったが特に気にしなかった。
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