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イヴ視点23
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ユーリの事が心配で、見回りのついでに家の前まで来た。
何もなければそれでいい、でももしなにかしたら…
貴族の一番街に入り、眉を寄せて足を止めた。
俺が屋敷を出た時は普通だった、なのに…これはいったいなんだ?
屋敷が真っ黒に染まっていて、なにかが覆っている。
剣を掴んで、屋敷の前で斬りつけると黒いものは消えた。
これも、呪いか……ユーリが今何しているのか気になって屋敷の中に入った。
足元を見ると、黒いなにかで汚れているようで血には見えなかったがユーリのところに急いだ。
ランドリー室にはいない、廊下にもいない…なら部屋か?
ユーリの部屋のドアを開けると、部屋中がさっきとは比べ物にならないほど汚れていた。
黒い水溜まりを踏んで、進むとベッドの上に膨れている布団がある。
触れると大きく揺れて、黒くなった布団ごと抱きしめた。
小さな声で自分に言い聞かせるかのように「大丈夫、俺はこんなの…全然」と聞こえる。
強がっているのか、でも体は小刻みに震えている。
「ユーリ、大丈夫だよ…俺がいる」
「……イヴ?」
ユーリが俺の方を向こうとしていたから、頭を隠している布団を引っ張った。
ユーリの顔が見たい、ただそれだけだった。
でもユーリの姿を見て、目を見開いて驚いた。
顔半分に伸びた紋様、その紋様は肩まで続いていた。
肩に視線を向けると、ユーリは隠すように布団を強く握っていた。
見られたくないのだろう、包帯の中を…でもこれがユーリを苦しめているなら…
貧困街の暗い部屋にいた時のようにユーリはパニックを起こしていた。
俺を見ている筈なのに、全く目線が合わない。
こんなに近くにいるのに、ユーリは俺の中から離れていってしまいそうに感じた。
嫌だ嫌だ嫌だ……ユーリは絶対に俺から逃がさない。
俺の心の中でも嫌な感情が溢れてきて止まらない。
ユーリの腕を掴んでベッドに押し倒すと、ユーリはまだ独り言を言っている。
俺を見るまで何度も何度もユーリの心の奥に入り込む。
俺という存在を嫌でも忘れないように傷を作る。
ユーリの頬を掴んで、唇を押し当てて口を開かせた。
舌を滑り込ませて、吸い付いたり絡んだりしてユーリの意識をこちらに持ってくる。
重なり合った手からは、なにかが流れ込んでくる。
ユーリの頬を見ると、忌々しい紋様はだんだん引いてきていた。
その紋様はユーリの体を移動して繋がる俺の手に描かれた。
ただ、俺の場合は紋様が拒絶反応を見せている。
この紋様が呪いなら、ユーリに掛かった呪い…俺は呪いに掛かっていないから呪いは発動しない。
その代わり、俺の腕に無数の傷を付けている。
肌を切り裂く痛みを感じるが、ユーリがそれで楽になるというなら…俺はどんな傷でも耐えられる。
「ユーリ、見て、俺を見て、俺はここにいるよ……ここに…」
「ぅ…ぁ…イ…ヴ」
「んっ、そう…ユーリのイヴだよ」
キスをして、唇を離すとユーリの顔はいつも通りに戻っていた。
やっと俺の事を見てくれた、ユーリはよそ見なんてしちゃダメだよ。
手を離すと、ユーリはボーッとしていたがすぐに俺の腕に視線を向けた。
袖から赤いシミが滲んでいて、さっきの怪我だったとすぐに気付いた。
こんな傷、すぐに治るからどうって事ない。
そんな事よりもユーリに呪いを掛けた奴は絶対に許さない。
今まで実害がないと思って、屋敷の中にいれば安全だと思っていた。
この腕の傷はその償いだ、俺だけがユーリを守れるのに…
必ず報いを受けさせるから、だから安心して…ユーリ。
「イヴ、今手当てするからジッとしてて!」
「大丈夫だよ、こんな怪我…なんともないから」
「い、やだ…イヴまでいなくなるのは嫌だっ」
「ユーリ?」
ユーリが俺の服を掴んで、縋りつくように見ていた。
ゾクリと、言いようのない気持ちで溢れてくる。
ユーリを置いていなくならないのに、ユーリは心配性だなぁ。
気が緩むとニヤニヤしてしまいそうになるから、ユーリをジッと見つめる。
手に触れて、指先を舐めるとビクッとしていた。
俺はたとえ死んでも、ユーリから離れたりしないよ。
ユーリは部屋から救急箱を取って、俺の袖を捲っていた。
手当てされるのは嫌いじゃないが、ユーリの手を煩わしくしたくないんだけどな。
腕の傷は思ったより、深くてユーリの眉が寄っている。
「見たくないなら、見なくていいよ」
「見たくないわけじゃないよ、ただ…俺のせい…だよね」
「なんでそう思うの?」
「俺、さっきまでの記憶が曖昧で…何したのか覚えてないけど、イヴに酷い事したよね」
「してないよ、ユーリは俺に愛されただけ」
嘘は言っていないよ、だから…笑ってよ…ユーリ。
腕に包帯が巻かれて、ユーリは「ちょっと不恰好だけどごめんね」と言っていた。
ユーリに手当てされた事が大切なんだから、気にする事ない。
それに、お揃いというのも悪くないな…と自分の腕に巻かれた包帯に触れた。
ユーリの腕にある包帯の中、なにがあるのか。
呪いと関係あるのなら、取り除かないと…何もかもを…
「イヴ、クロ見てない?」
ユーリの腕に伸ばそうとしていた手を引っ込めて、微笑んだ。
何もなければそれでいい、でももしなにかしたら…
貴族の一番街に入り、眉を寄せて足を止めた。
俺が屋敷を出た時は普通だった、なのに…これはいったいなんだ?
屋敷が真っ黒に染まっていて、なにかが覆っている。
剣を掴んで、屋敷の前で斬りつけると黒いものは消えた。
これも、呪いか……ユーリが今何しているのか気になって屋敷の中に入った。
足元を見ると、黒いなにかで汚れているようで血には見えなかったがユーリのところに急いだ。
ランドリー室にはいない、廊下にもいない…なら部屋か?
ユーリの部屋のドアを開けると、部屋中がさっきとは比べ物にならないほど汚れていた。
黒い水溜まりを踏んで、進むとベッドの上に膨れている布団がある。
触れると大きく揺れて、黒くなった布団ごと抱きしめた。
小さな声で自分に言い聞かせるかのように「大丈夫、俺はこんなの…全然」と聞こえる。
強がっているのか、でも体は小刻みに震えている。
「ユーリ、大丈夫だよ…俺がいる」
「……イヴ?」
ユーリが俺の方を向こうとしていたから、頭を隠している布団を引っ張った。
ユーリの顔が見たい、ただそれだけだった。
でもユーリの姿を見て、目を見開いて驚いた。
顔半分に伸びた紋様、その紋様は肩まで続いていた。
肩に視線を向けると、ユーリは隠すように布団を強く握っていた。
見られたくないのだろう、包帯の中を…でもこれがユーリを苦しめているなら…
貧困街の暗い部屋にいた時のようにユーリはパニックを起こしていた。
俺を見ている筈なのに、全く目線が合わない。
こんなに近くにいるのに、ユーリは俺の中から離れていってしまいそうに感じた。
嫌だ嫌だ嫌だ……ユーリは絶対に俺から逃がさない。
俺の心の中でも嫌な感情が溢れてきて止まらない。
ユーリの腕を掴んでベッドに押し倒すと、ユーリはまだ独り言を言っている。
俺を見るまで何度も何度もユーリの心の奥に入り込む。
俺という存在を嫌でも忘れないように傷を作る。
ユーリの頬を掴んで、唇を押し当てて口を開かせた。
舌を滑り込ませて、吸い付いたり絡んだりしてユーリの意識をこちらに持ってくる。
重なり合った手からは、なにかが流れ込んでくる。
ユーリの頬を見ると、忌々しい紋様はだんだん引いてきていた。
その紋様はユーリの体を移動して繋がる俺の手に描かれた。
ただ、俺の場合は紋様が拒絶反応を見せている。
この紋様が呪いなら、ユーリに掛かった呪い…俺は呪いに掛かっていないから呪いは発動しない。
その代わり、俺の腕に無数の傷を付けている。
肌を切り裂く痛みを感じるが、ユーリがそれで楽になるというなら…俺はどんな傷でも耐えられる。
「ユーリ、見て、俺を見て、俺はここにいるよ……ここに…」
「ぅ…ぁ…イ…ヴ」
「んっ、そう…ユーリのイヴだよ」
キスをして、唇を離すとユーリの顔はいつも通りに戻っていた。
やっと俺の事を見てくれた、ユーリはよそ見なんてしちゃダメだよ。
手を離すと、ユーリはボーッとしていたがすぐに俺の腕に視線を向けた。
袖から赤いシミが滲んでいて、さっきの怪我だったとすぐに気付いた。
こんな傷、すぐに治るからどうって事ない。
そんな事よりもユーリに呪いを掛けた奴は絶対に許さない。
今まで実害がないと思って、屋敷の中にいれば安全だと思っていた。
この腕の傷はその償いだ、俺だけがユーリを守れるのに…
必ず報いを受けさせるから、だから安心して…ユーリ。
「イヴ、今手当てするからジッとしてて!」
「大丈夫だよ、こんな怪我…なんともないから」
「い、やだ…イヴまでいなくなるのは嫌だっ」
「ユーリ?」
ユーリが俺の服を掴んで、縋りつくように見ていた。
ゾクリと、言いようのない気持ちで溢れてくる。
ユーリを置いていなくならないのに、ユーリは心配性だなぁ。
気が緩むとニヤニヤしてしまいそうになるから、ユーリをジッと見つめる。
手に触れて、指先を舐めるとビクッとしていた。
俺はたとえ死んでも、ユーリから離れたりしないよ。
ユーリは部屋から救急箱を取って、俺の袖を捲っていた。
手当てされるのは嫌いじゃないが、ユーリの手を煩わしくしたくないんだけどな。
腕の傷は思ったより、深くてユーリの眉が寄っている。
「見たくないなら、見なくていいよ」
「見たくないわけじゃないよ、ただ…俺のせい…だよね」
「なんでそう思うの?」
「俺、さっきまでの記憶が曖昧で…何したのか覚えてないけど、イヴに酷い事したよね」
「してないよ、ユーリは俺に愛されただけ」
嘘は言っていないよ、だから…笑ってよ…ユーリ。
腕に包帯が巻かれて、ユーリは「ちょっと不恰好だけどごめんね」と言っていた。
ユーリに手当てされた事が大切なんだから、気にする事ない。
それに、お揃いというのも悪くないな…と自分の腕に巻かれた包帯に触れた。
ユーリの腕にある包帯の中、なにがあるのか。
呪いと関係あるのなら、取り除かないと…何もかもを…
「イヴ、クロ見てない?」
ユーリの腕に伸ばそうとしていた手を引っ込めて、微笑んだ。
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