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もちろん、アリシャだってそのつもりだ。互いに髪の色が変わるまで一緒に暮らせていけたらいいと願っている。
アリシャは自分の涙をゴシゴシと拭うとやっと涙が引いてきていることに気がついた。
「私……この村が好きなの」
「知ってるさ。戻ってくるぞ。イライザの狙いはたぶんお前だ。エクトルではない。エクトルもそのことはわかっているだろう。でも、エクトルは皆を連れて自国で迎え討つと言っている。要するに今なら攻撃の主も味方になってくれるということだ。この先何度も村を襲ってきたりしたらどうする? アリシャだけじゃ乗り切れないだろ? なら、この機にイライザとは対峙するべきだ」
どうにもならないのだと理解したアリシャはエドに手を伸ばした。エドはその手を握り、アリシャを連れて宿屋へとゆっくり足を踏み出した。
「イライザ女性は私を殺したいのかしら……」
アリシャもエドについて歩き出した。
「どうだかな。味方につけたいか手中に収めたいのかもしれないが、エクトルといることがバレたら殺そうとするかもな。殺せば魔力は転生するし、それのほうが探すのは大変だけどストルカ国的には窮地が脱出する事ができるし」
「窮地?」
「攻撃と防御の主に組まれたら、回復的には圧倒的不利だ。ましてや国土を拡大したいらしいイライザからしたらスルシュア王国は目障りこの上ないからな」
泣いたばかりのアリシャの顔に冷たい風がぶつかって目の下あたりがヒリヒリとしていた。
「ずっとストルカとスルシュア王国は互いの領地に手を出さなかったのに……どうして──」
小さな小競り合い、領主同士の揉め事は聞いたことがあったが、国同士の対立は聞いたことがなかった。少なくともアリシャの祖父母の代までは遡っても平和だったはずだ。
「互いに世襲で魔力が衰えてるところに、イライザが野心家だからだろうな。あれは昔から金に執着するところがあったらしい。今ならスルシュア王国を倒せると思ったのかもな。だから防御の主を探し回っていたんだろう。味方につけるために」
二人は宿屋の前まで戻ってくると、中に入らず立ち止まった。
「村に必ず戻ってきたい。ワガママを言っているかもしれないけど、必ず……」
アリシャが意思を伝えるとエドは「譲歩したんだな」と、琥珀の瞳で笑った。
「俺は俺の大事なものを守りたい。それだけだ。お前のことを守るのが第一優先だから、忘れるな」
それと。と、付け足すとアリシャのおでこを指で弾いた。
「泣くなって言ったろ?」
「ごめん……なさい」
「次は俺が泣いてやる」
アリシャが驚いてエドを見つめると、エドはいたずらな視線で返して「バカだな。ウソに決まってんだろ」と、宿屋の扉を開けた。
夕飯を終えると、アリシャは翌日用のパン生地を準備していた。朝起きて直ぐに焼いたら、それを持って炉の火を落とすことになる。
「アリシャ」
声を掛けられて振り返るとウィンとアヴリルが戸口に立っていた。
「僕らは一緒にいけないから先に挨拶をしに来たんだよ」
粉だらけの手からパラパラと小麦粉がテーブルへと落ちていった。
「そんな……」
アヴリルの腹を「この子には峠を越えるのは酷だから、リリーたちと近くの村に身を寄せるつもりなんだ」と、ウィンが撫でた。
大きくせり出したアヴリルの腹。馬に乗るのも徒歩で山を越えるのも、無理だ。途中で何かあったらと考えたら、リリーたちと行動を共にした方がいいに決まっていた。
「一緒に行けなくてごめんね、アリシャ」
アヴリルが申し訳なさそうに言うのでアリシャはぶんぶんと首を横に振った。
「謝らなきゃならないのは私の方よ。巻き込んでしまって本当にごめんなさい。近くの村に身を寄せれば安全なのかしら」
「レオさんの話じゃ、目的がアリシャならある程度離れていれば問題ないだろうって。隣村は近すぎて危険だけど、アマトナなら大丈夫じゃないかって言われてるんだ」
アマトナはアリシャも何回か耳にしたことがある大きな村だった。このドナ村からは一日で行けるらしい。
安全が一番だと思っても寂しかった。どうしても自分の不甲斐なさに虚しさを感じて肩を落とす。
そんなアリシャの手をアヴリルがそっと掬い上げて握った。
「牛と豚は連れて行くことにしたのよ。だからガッカリしないで。私達は家畜を守れて良かったと思っているから。落ち着いたらまたここに戻ってくるつもり」
家畜を失わずにすむのは不幸中の幸いだ。ずっと世話してきた牛や豚にも愛着があるし良かった。ただ単純に二人と離れるのは寂しかった。
「ボリスも一緒に行くのかしら」
「いいえ、ボリスはアリシャたちと行くわ。調子の良い兄だけど頼りになるはずよ、ボリスをよろしくね」
「アヴリルは不安じゃない? ボリスと離れて」
アヴリルは話し出してから始めて表情を崩して微笑んだ。
「まぁそうだけど、私にはウィンがいるもの。ボリスはボリスの人生を歩む権利があるわ」
ウィンも表情を緩ませてアヴリルの肩を抱いてアリシャに言う。
「アヴリルは僕が守るから心配ない。それに絶対ここに戻れると確信してるから、僕らはそんなに深刻には考えてないんだ。攻撃のエクトルが居るし、その背後には軍事国家スルシュア王国がいるだろ? 何を恐れることがある?」
アヴリルはアリシャの手を口に運ぶとそっと唇を押し当てた。
アリシャは自分の涙をゴシゴシと拭うとやっと涙が引いてきていることに気がついた。
「私……この村が好きなの」
「知ってるさ。戻ってくるぞ。イライザの狙いはたぶんお前だ。エクトルではない。エクトルもそのことはわかっているだろう。でも、エクトルは皆を連れて自国で迎え討つと言っている。要するに今なら攻撃の主も味方になってくれるということだ。この先何度も村を襲ってきたりしたらどうする? アリシャだけじゃ乗り切れないだろ? なら、この機にイライザとは対峙するべきだ」
どうにもならないのだと理解したアリシャはエドに手を伸ばした。エドはその手を握り、アリシャを連れて宿屋へとゆっくり足を踏み出した。
「イライザ女性は私を殺したいのかしら……」
アリシャもエドについて歩き出した。
「どうだかな。味方につけたいか手中に収めたいのかもしれないが、エクトルといることがバレたら殺そうとするかもな。殺せば魔力は転生するし、それのほうが探すのは大変だけどストルカ国的には窮地が脱出する事ができるし」
「窮地?」
「攻撃と防御の主に組まれたら、回復的には圧倒的不利だ。ましてや国土を拡大したいらしいイライザからしたらスルシュア王国は目障りこの上ないからな」
泣いたばかりのアリシャの顔に冷たい風がぶつかって目の下あたりがヒリヒリとしていた。
「ずっとストルカとスルシュア王国は互いの領地に手を出さなかったのに……どうして──」
小さな小競り合い、領主同士の揉め事は聞いたことがあったが、国同士の対立は聞いたことがなかった。少なくともアリシャの祖父母の代までは遡っても平和だったはずだ。
「互いに世襲で魔力が衰えてるところに、イライザが野心家だからだろうな。あれは昔から金に執着するところがあったらしい。今ならスルシュア王国を倒せると思ったのかもな。だから防御の主を探し回っていたんだろう。味方につけるために」
二人は宿屋の前まで戻ってくると、中に入らず立ち止まった。
「村に必ず戻ってきたい。ワガママを言っているかもしれないけど、必ず……」
アリシャが意思を伝えるとエドは「譲歩したんだな」と、琥珀の瞳で笑った。
「俺は俺の大事なものを守りたい。それだけだ。お前のことを守るのが第一優先だから、忘れるな」
それと。と、付け足すとアリシャのおでこを指で弾いた。
「泣くなって言ったろ?」
「ごめん……なさい」
「次は俺が泣いてやる」
アリシャが驚いてエドを見つめると、エドはいたずらな視線で返して「バカだな。ウソに決まってんだろ」と、宿屋の扉を開けた。
夕飯を終えると、アリシャは翌日用のパン生地を準備していた。朝起きて直ぐに焼いたら、それを持って炉の火を落とすことになる。
「アリシャ」
声を掛けられて振り返るとウィンとアヴリルが戸口に立っていた。
「僕らは一緒にいけないから先に挨拶をしに来たんだよ」
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「そんな……」
アヴリルの腹を「この子には峠を越えるのは酷だから、リリーたちと近くの村に身を寄せるつもりなんだ」と、ウィンが撫でた。
大きくせり出したアヴリルの腹。馬に乗るのも徒歩で山を越えるのも、無理だ。途中で何かあったらと考えたら、リリーたちと行動を共にした方がいいに決まっていた。
「一緒に行けなくてごめんね、アリシャ」
アヴリルが申し訳なさそうに言うのでアリシャはぶんぶんと首を横に振った。
「謝らなきゃならないのは私の方よ。巻き込んでしまって本当にごめんなさい。近くの村に身を寄せれば安全なのかしら」
「レオさんの話じゃ、目的がアリシャならある程度離れていれば問題ないだろうって。隣村は近すぎて危険だけど、アマトナなら大丈夫じゃないかって言われてるんだ」
アマトナはアリシャも何回か耳にしたことがある大きな村だった。このドナ村からは一日で行けるらしい。
安全が一番だと思っても寂しかった。どうしても自分の不甲斐なさに虚しさを感じて肩を落とす。
そんなアリシャの手をアヴリルがそっと掬い上げて握った。
「牛と豚は連れて行くことにしたのよ。だからガッカリしないで。私達は家畜を守れて良かったと思っているから。落ち着いたらまたここに戻ってくるつもり」
家畜を失わずにすむのは不幸中の幸いだ。ずっと世話してきた牛や豚にも愛着があるし良かった。ただ単純に二人と離れるのは寂しかった。
「ボリスも一緒に行くのかしら」
「いいえ、ボリスはアリシャたちと行くわ。調子の良い兄だけど頼りになるはずよ、ボリスをよろしくね」
「アヴリルは不安じゃない? ボリスと離れて」
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「まぁそうだけど、私にはウィンがいるもの。ボリスはボリスの人生を歩む権利があるわ」
ウィンも表情を緩ませてアヴリルの肩を抱いてアリシャに言う。
「アヴリルは僕が守るから心配ない。それに絶対ここに戻れると確信してるから、僕らはそんなに深刻には考えてないんだ。攻撃のエクトルが居るし、その背後には軍事国家スルシュア王国がいるだろ? 何を恐れることがある?」
アヴリルはアリシャの手を口に運ぶとそっと唇を押し当てた。
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