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回想、オレリアン
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義両親と義兄になる3人に挨拶した後、俺はコンスタンスに公爵家自慢の庭園を案内されることになった。
後は若い2人で…、というお決まりのパターンだろう。
並んで歩き、ポツリ、ポツリとお互いの趣味などの話をする。
俺は騎士なので趣味と言えるかどうかわからないが、剣術や柔術、馬術など、やはり荒事を好む。
一方のコンスタンスは貴族の令嬢らしく、空いた時間は読書や刺繍などして過ごしていると言う。
当然話は合わないし、広がらない。
彼女は隣に立つと今までの印象よりずっと小柄で華奢だったが、やはり背筋をピンと伸ばし歩く姿は優雅な貴婦人そのものだ。
口元に笑みは浮かべているが、それはまるで貼り付けたような笑顔。
その美しいエメラルドのような瞳は真っ直ぐに俺を見ていても、俺に興味なんてこれっぽっちも無いのはすぐにわかる。
わかっていることだが、この縁談は彼女にとっても相当不本意なことだっただろう。
幼い頃からたった1人の男性を見つめ、彼の妻になるためだけに、未来の王妃になるためだけに、努力し続けてきたのだから。
あっという間の破局劇に、その後すぐ充てがわれたのは下位貴族出身の、一介の騎士でしかなかった男。
辻褄合わせに侯爵に格上げしたり領地を与えたりしても、それは所詮張りぼてだ。
彼女からすれば、そんな爵位や持参金目当ての結婚だと、俺を蔑む気持ちだってあるだろう。
だが、彼女の目に俺を嫌悪する気持ちや軽蔑の色は伺えない。
感情を表に出さないことも、10年近く培ってきたお妃教育による賜物なのか。
やはり、人形のようだなー。
俺はこの人形のようなお姫様を、これから一体どう扱っていけばいいと言うのか。
だがー。
俺自身、この美しい公爵令嬢と結婚出来ると喜び勇んで来たわけではない。
どうせ断れない縁談だし、正直もう自分の結婚なんてどうでもよかった。
裏切られたと言っては語弊があるかもしれないが、手痛い失恋をした俺は、この先女に恋することも、信じることも出来る気がしない。
だったら、お互い全く興味がない同士、ちょうど良いではないか。
籍さえ入れれば後は、お互い無関心、不干渉を貫けばいい。
どうせもう、あたたかい結婚生活など望むべくもないのだから。
だから多分、そんな気持ちが、つい口に出てしまったのだろう。
「貴女も不本意でしょうが…、貴女がこの先穏やかに暮らせるよう、力を尽くすつもりです」
そんな言葉を、彼女に向かって吐いていた。
彼女は一瞬だけ僅かに目を見開いたが、
「あたたかいお言葉とご配慮に感謝致します」
と言って微かに口角を上げた。
あの時多分、俺は言葉を間違えたんだろう。
それから僅か半月後に正式に婚約が整い、その3ヶ月後には結婚式を挙げた。
婚約も結婚も、王太子と隣国の王女のそれよりも先に、という王家の意向で急がれたのだ。
コンスタンスを気遣う気持ちもあったのだろうが、隣国の王女の憂いをなくす配慮もあったのだろうと思われる。
短い婚約期間中に何度か彼女と顔を合わせる機会はあったが、話す内容は主に結婚式に向けての段取りや、結婚した後の生活についてだった。
そこに、婚約者同士の甘い関係など、微塵もなかった。
ただ淡々と、事務連絡のようなものでしかなかった。
結婚式は王家も使う立派な教会で盛大に挙げられた。
真っ白いウェディングドレスに身を包んだ彼女は本当に妖精のように美しかった。
皮肉にも、そのドレスは王太子との結婚式のために用意されたものであったが。
俺たちは手と手を取り合って、神の前で永遠の愛を誓った。
そうして俺は、この国最高の貴婦人を妻として迎えたのである。
後は若い2人で…、というお決まりのパターンだろう。
並んで歩き、ポツリ、ポツリとお互いの趣味などの話をする。
俺は騎士なので趣味と言えるかどうかわからないが、剣術や柔術、馬術など、やはり荒事を好む。
一方のコンスタンスは貴族の令嬢らしく、空いた時間は読書や刺繍などして過ごしていると言う。
当然話は合わないし、広がらない。
彼女は隣に立つと今までの印象よりずっと小柄で華奢だったが、やはり背筋をピンと伸ばし歩く姿は優雅な貴婦人そのものだ。
口元に笑みは浮かべているが、それはまるで貼り付けたような笑顔。
その美しいエメラルドのような瞳は真っ直ぐに俺を見ていても、俺に興味なんてこれっぽっちも無いのはすぐにわかる。
わかっていることだが、この縁談は彼女にとっても相当不本意なことだっただろう。
幼い頃からたった1人の男性を見つめ、彼の妻になるためだけに、未来の王妃になるためだけに、努力し続けてきたのだから。
あっという間の破局劇に、その後すぐ充てがわれたのは下位貴族出身の、一介の騎士でしかなかった男。
辻褄合わせに侯爵に格上げしたり領地を与えたりしても、それは所詮張りぼてだ。
彼女からすれば、そんな爵位や持参金目当ての結婚だと、俺を蔑む気持ちだってあるだろう。
だが、彼女の目に俺を嫌悪する気持ちや軽蔑の色は伺えない。
感情を表に出さないことも、10年近く培ってきたお妃教育による賜物なのか。
やはり、人形のようだなー。
俺はこの人形のようなお姫様を、これから一体どう扱っていけばいいと言うのか。
だがー。
俺自身、この美しい公爵令嬢と結婚出来ると喜び勇んで来たわけではない。
どうせ断れない縁談だし、正直もう自分の結婚なんてどうでもよかった。
裏切られたと言っては語弊があるかもしれないが、手痛い失恋をした俺は、この先女に恋することも、信じることも出来る気がしない。
だったら、お互い全く興味がない同士、ちょうど良いではないか。
籍さえ入れれば後は、お互い無関心、不干渉を貫けばいい。
どうせもう、あたたかい結婚生活など望むべくもないのだから。
だから多分、そんな気持ちが、つい口に出てしまったのだろう。
「貴女も不本意でしょうが…、貴女がこの先穏やかに暮らせるよう、力を尽くすつもりです」
そんな言葉を、彼女に向かって吐いていた。
彼女は一瞬だけ僅かに目を見開いたが、
「あたたかいお言葉とご配慮に感謝致します」
と言って微かに口角を上げた。
あの時多分、俺は言葉を間違えたんだろう。
それから僅か半月後に正式に婚約が整い、その3ヶ月後には結婚式を挙げた。
婚約も結婚も、王太子と隣国の王女のそれよりも先に、という王家の意向で急がれたのだ。
コンスタンスを気遣う気持ちもあったのだろうが、隣国の王女の憂いをなくす配慮もあったのだろうと思われる。
短い婚約期間中に何度か彼女と顔を合わせる機会はあったが、話す内容は主に結婚式に向けての段取りや、結婚した後の生活についてだった。
そこに、婚約者同士の甘い関係など、微塵もなかった。
ただ淡々と、事務連絡のようなものでしかなかった。
結婚式は王家も使う立派な教会で盛大に挙げられた。
真っ白いウェディングドレスに身を包んだ彼女は本当に妖精のように美しかった。
皮肉にも、そのドレスは王太子との結婚式のために用意されたものであったが。
俺たちは手と手を取り合って、神の前で永遠の愛を誓った。
そうして俺は、この国最高の貴婦人を妻として迎えたのである。
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