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鼠1匹逃さない
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□ちょっと拷問描写あります□
奴隷商に子ども達が引き渡される今日。
私たちは昨日と同じように過ごすことになった。
兄ズをお見送りする時にクリーン魔法をかけて知らん顔。
たまには言う事きかない悪い5才児にならないとね。
夕方はいつもと空気が違った。
私はなんとなく早めの夕飯を済ましてルドと部屋に戻り、遊びながら耳強化している。
どうやら作戦成功して子ども達全員奪還、無事に救出できたらしい。
耳強化しなくても、何人もの子どもの泣き声が聞こえてきた。
子ども達の親も集まっていたようで、子どもの名を呼ぶ声も。
きっとハグしてチュッチュしてワイワイしてるんだろうな。
これが普通の家庭なんだぞ。
これが家族愛なんだぞ。
髪の毛一本も残さず燃えた母親に、届かないとわかっていながら心の中で言ってみた。
彼らは一晩、ギルドに宿泊して体調を整えてから、明日帰宅するそうだ。
治癒魔法が使える人にギルド内に一晩待機してもらって、体調の急変に備えるんだって。
子ども達みんな、誘拐されてからずっと眠らされて、飲食してないからね。
というわけで、私たちももう一泊して翌朝に帰るんだけど、ギルドから新居に案内してくれるということだ。
引越しして落ち着いたら商業ギルドのマスターにお礼に行かなきゃね。
★大捕物の顛末★
エラからの情報は、冒険者ギルドから商業ギルドへ伝わった。
奴隷商は商業ギルドの管轄でもある。
さらに商業ギルドのマスターは領主の息子でもあるため、直通で会話ができる魔道具ですぐに領主へも連絡が行った。
領内の犯罪は領主の責任が問われてしまう。
だからこそ領軍が動かなければならない。
しかし、表立って領軍を出したら犯人が警戒して逃げてしまう恐れがあるので容易に動けない。
だが確実に捕らえたい。
領軍は冒険者のような格好をして時間差、街に入る方向を変えて少しずつ街へ入ることにした。
警備兵と合流して、冒険者ギルドと連携して動くこととなる。
極秘作戦のため警備兵全員、詰所から出ないように言い渡されるのだが、数名が命令違反で捕獲される。
犯罪者と繋がっていた者達である。
領軍の尋問で、今回の奴隷商と誘拐犯がとある貴族との繋がりがあることを突き止めた。
領主貴族の寄子の男爵家であり、この街の市長でもあった。
彼は他にも悪い噂が絶えない人物で、領主は早く切り捨てたいと思っていた。
決定的な証拠があれば男爵家も捕らえられるところまで来ていた。
冒険者ギルドでは隠密に動ける信頼のおける高ランクの冒険者を集めた。
鳥獣をテイムしている斥候に、外の街からこちらに向かってくる者達を探るように指示。
何組かの徒歩の冒険者、旅の親子、そして奴隷商と思わしき馬車に乗った商人風の一団を見つけた。
その知らせを受けて、密かに森に潜む先発隊の冒険者たち。
合流地点になりそうな休憩所の近くで息を潜める。
後発隊の領軍と警備兵が、子どもを乗せた馬車を追うように気配を消して、離れた森の中から追っていく。
後発隊の冒険者は怪しまれないように馬車の後ろを追う。
逐一連絡を受けて領軍は街の外から合流地点へ軍を進めて待機していた。
合流地点で子ども達を乗せた馬車と商人風の一団の馬車がスルッと入れ替わり、言葉は交わさず、ものの数秒でその場を離れていく。
手慣れたやり口のようだった。
あまりの手際の良さに初動がまごついたが、すぐに気を取り直した領軍リーダーの警笛で皆が動き出す。
伝令の鳥が待機している領軍へ飛び出す。
先発隊が前方と、後発隊が後方から出てきて、ジリジリと全方位を取り囲んだ。
多少の抵抗はあったが1人残らず確保し、領軍本陣が到着してから馬車の検分が行なわれ、犯罪者は領主の元へと送られた。
奴隷商が乗ってきた馬車には金貨が積まれていた。
もうひとつの馬車は、後方から見ると床下があるようには見えないのだが、前方が深い坂になっていて、幼い子どもなら頭を前方に寝かせて隠せるように二重底になっていた。
誘拐されてからずっと飲食なく魔法で寝かされていた子ども達の衰弱が心配なところ。
同行した治癒魔法が使える冒険者たちが惜しみなく魔法をかけていく。
領主からは、押収した金貨で治療費と、協力した冒険者への報酬、そして家族へのお見舞いとして皆に分けるように指示があった。
情報提供したエラに対しても報奨金が出た。
後日、犯罪者たちは領主の元で尋問を受け、奴隷商の本拠地を吐かされた。
その尋問はひどい拷問だった。
20本の指先が薄くスライスされて、情報を吐くまで回復ポーションで一本ずつ治癒されてまたスライスされて、の繰り返し。
吐いた時にはボロ雑巾のようになったままの指は放置されたのだった。
男爵家を潰すまであと少し。
奴隷商の本拠地を解体して物的証拠を押さえる。
本拠地ならば取引きの文書があるかもしれない。
奴隷商に子ども達が引き渡される今日。
私たちは昨日と同じように過ごすことになった。
兄ズをお見送りする時にクリーン魔法をかけて知らん顔。
たまには言う事きかない悪い5才児にならないとね。
夕方はいつもと空気が違った。
私はなんとなく早めの夕飯を済ましてルドと部屋に戻り、遊びながら耳強化している。
どうやら作戦成功して子ども達全員奪還、無事に救出できたらしい。
耳強化しなくても、何人もの子どもの泣き声が聞こえてきた。
子ども達の親も集まっていたようで、子どもの名を呼ぶ声も。
きっとハグしてチュッチュしてワイワイしてるんだろうな。
これが普通の家庭なんだぞ。
これが家族愛なんだぞ。
髪の毛一本も残さず燃えた母親に、届かないとわかっていながら心の中で言ってみた。
彼らは一晩、ギルドに宿泊して体調を整えてから、明日帰宅するそうだ。
治癒魔法が使える人にギルド内に一晩待機してもらって、体調の急変に備えるんだって。
子ども達みんな、誘拐されてからずっと眠らされて、飲食してないからね。
というわけで、私たちももう一泊して翌朝に帰るんだけど、ギルドから新居に案内してくれるということだ。
引越しして落ち着いたら商業ギルドのマスターにお礼に行かなきゃね。
★大捕物の顛末★
エラからの情報は、冒険者ギルドから商業ギルドへ伝わった。
奴隷商は商業ギルドの管轄でもある。
さらに商業ギルドのマスターは領主の息子でもあるため、直通で会話ができる魔道具ですぐに領主へも連絡が行った。
領内の犯罪は領主の責任が問われてしまう。
だからこそ領軍が動かなければならない。
しかし、表立って領軍を出したら犯人が警戒して逃げてしまう恐れがあるので容易に動けない。
だが確実に捕らえたい。
領軍は冒険者のような格好をして時間差、街に入る方向を変えて少しずつ街へ入ることにした。
警備兵と合流して、冒険者ギルドと連携して動くこととなる。
極秘作戦のため警備兵全員、詰所から出ないように言い渡されるのだが、数名が命令違反で捕獲される。
犯罪者と繋がっていた者達である。
領軍の尋問で、今回の奴隷商と誘拐犯がとある貴族との繋がりがあることを突き止めた。
領主貴族の寄子の男爵家であり、この街の市長でもあった。
彼は他にも悪い噂が絶えない人物で、領主は早く切り捨てたいと思っていた。
決定的な証拠があれば男爵家も捕らえられるところまで来ていた。
冒険者ギルドでは隠密に動ける信頼のおける高ランクの冒険者を集めた。
鳥獣をテイムしている斥候に、外の街からこちらに向かってくる者達を探るように指示。
何組かの徒歩の冒険者、旅の親子、そして奴隷商と思わしき馬車に乗った商人風の一団を見つけた。
その知らせを受けて、密かに森に潜む先発隊の冒険者たち。
合流地点になりそうな休憩所の近くで息を潜める。
後発隊の領軍と警備兵が、子どもを乗せた馬車を追うように気配を消して、離れた森の中から追っていく。
後発隊の冒険者は怪しまれないように馬車の後ろを追う。
逐一連絡を受けて領軍は街の外から合流地点へ軍を進めて待機していた。
合流地点で子ども達を乗せた馬車と商人風の一団の馬車がスルッと入れ替わり、言葉は交わさず、ものの数秒でその場を離れていく。
手慣れたやり口のようだった。
あまりの手際の良さに初動がまごついたが、すぐに気を取り直した領軍リーダーの警笛で皆が動き出す。
伝令の鳥が待機している領軍へ飛び出す。
先発隊が前方と、後発隊が後方から出てきて、ジリジリと全方位を取り囲んだ。
多少の抵抗はあったが1人残らず確保し、領軍本陣が到着してから馬車の検分が行なわれ、犯罪者は領主の元へと送られた。
奴隷商が乗ってきた馬車には金貨が積まれていた。
もうひとつの馬車は、後方から見ると床下があるようには見えないのだが、前方が深い坂になっていて、幼い子どもなら頭を前方に寝かせて隠せるように二重底になっていた。
誘拐されてからずっと飲食なく魔法で寝かされていた子ども達の衰弱が心配なところ。
同行した治癒魔法が使える冒険者たちが惜しみなく魔法をかけていく。
領主からは、押収した金貨で治療費と、協力した冒険者への報酬、そして家族へのお見舞いとして皆に分けるように指示があった。
情報提供したエラに対しても報奨金が出た。
後日、犯罪者たちは領主の元で尋問を受け、奴隷商の本拠地を吐かされた。
その尋問はひどい拷問だった。
20本の指先が薄くスライスされて、情報を吐くまで回復ポーションで一本ずつ治癒されてまたスライスされて、の繰り返し。
吐いた時にはボロ雑巾のようになったままの指は放置されたのだった。
男爵家を潰すまであと少し。
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本拠地ならば取引きの文書があるかもしれない。
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