11 / 36
マジックバッグ大暴露の夜
しおりを挟む
枝豆の山が崩れては積まれ、殿下のグラスが何度も満たされる。
影たちは仕事中なので酒は口にしないが、枝豆を黙々とつまみ続けていた。
「ふふ~ん♪」
私はもう、完全にいい調子だった。
ビールを片手に歌い出し、食堂をぐるぐる回っていた。
「……また始まったか」
アドレが低く呟くが、止める気配はない。
殿下も頬を赤くして、拍手をしている。
「もっとだ! もっと歌え!」
そのときだった。
「あ、そうだ! おにぎり食べたいなぁ~」
私はふらふらと歩き、腰の猫ポーチをガサゴソと探る。
すっかり酔っ払って、これが秘密のアイテムだと忘れていた。
「ほらぁ~……でろでろ~ん♪」
――ポンッ!
次の瞬間、テーブルの上にほかほかのおにぎりが転がり出た。
さらにもう一度手を突っ込むと――。
「どて焼き~♪」
湯気を立てたどて焼きが、ずるりと皿ごと出てきた。
「…………」
一瞬、部屋の空気が凍りつく。
影たちは無言で目を見開き、殿下は箸を中空で止めた。
フリードリヒも笑みを消して、じっとポーチを見つめる。
「……」
無表情のアドレだけが淡々と呟いた。
「……秘密のアイテムを、忘れてるな」
「へへっ♪ できたて~! みんな食べましょ~!」
私だけが上機嫌で、おにぎりをひとつひとつ配っていた。
机の上に積まれた、ほかほかのおにぎりとどて焼き。
湯気の向こうで影たちが硬直し、殿下がぽかんと口を開ける。
フリードリヒが低く唸った。
「……これは……メイベル、もはや隠せんぞ」
だが当の本人は、酔っ払い顔でマイク代わりの箸を握り、
「♪~おにぎり~は~夜のおともぉ~~♪」
と大熱唱中。
従兄の声などまるで耳に入っていない。
代わりにアドレが無表情で口を開いた。
「……一応、手作りらしいですがね」
「……手作り……?」
殿下と影が揃って呟く。
フリードリヒは一瞬沈黙し――そして額に手を当てて笑いをこらえた。
「……なるほど。令嬢の“オカンアート”が、最強の秘密兵器とはな」
その横で、メイベルはますます調子を上げていた。
「♪~枝豆ゆでて~ビール飲もぉぉ~♪」
宴の夜は、奇妙な歌と共にさらに続いていった。
「なぁ……メイベル嬢」
酔いの残る顔で、アルバート殿下がぐいと身を乗り出した。
「俺も欲しい。その……猫のポーチを」
「えっ……あ、そうだ! これ!」
ふらふら立ち上がった私は、猫ポーチを抱えて部屋の隅へ行き、
ごそごそと包んでいたものを取り出した。
「フリードリヒ兄様と、アドレ様の分! 茶トラと黒猫!」
机にぽんっと置かれた、手作り感満載のオカンアート。
フリードリヒとアドレが、同時に沈黙する。
「で、ですねっ……これが使い方です!」
私は顔を赤くしながらも、酔った勢いで得意げに説明を始めた。
「まずですね~、入れたいものの角をちょっと入口に入れると……
スルッと入りますっ!」
皿の端を押し当てると、すぽんっと消える。
「ほらっ! お皿も! 服も! クリーン機能付き!」
親指をぐっと立てて、まるでテレビショッピングの販売員。
「出すときは、こうやって中をつまんで~、イメージしたものを取り出すんです!」
ぴかぴかの皿が、するりと出てきた。
「忘れちゃったときは逆さに振ると、全部出ますから安心! ほらぁ~!」
――どさどさどさっ!
枝豆の殻、鍋、食器が一斉に机へ散らばった。食品はちゃんと正しい位置にセットされる。
「……」
フリードリヒは目を伏せて笑いをこらえ、アドレは無表情のまま片付けを始める。
アルバート殿下は、ぽかーんと口を開けて見つめていた。
「えへへっ……すごいでしょ? ね、すごいんですよ?」
酔っ払いメイベルは、頬を赤らめながら胸を張ってみせた。
――まるで、掃除機売り込みのテレビ販売員のように。
歌って、騒いで、最後におにぎりを配ったあと――。
私はソファの上にごろんと転がり、そのまま夢の世界へ。
「すぅ……すぅ……」
頬を赤くして、すやすや眠る。
部屋には静けさが戻った……かに見えたその時。
「……ヘンテコ猫、俺も欲しいっ!」
アルバート殿下が、子供のように拳を握って叫んだ。
「殿下……」
影が苦々しく眉を寄せるが、殿下は真剣そのもの。
「俺もだ! あの猫ポーチが欲しい!」影も叫ぶが、酔っ払いは、起きない。
その横で。
「……」
フリードリヒが茶トラ猫ポーチを、こそこそと腰に下げる。
「……」
アドレも黒猫ポーチを、何食わぬ顔で帯に結びつけた。
威厳ある公爵家の後継者と、鉄面皮と呼ばれた青年が――
そろって、オカンアート猫ポーチをつけている姿。
「……誰にも見られんようにな」
フリードリヒがぼそりと呟き、アドレが無言で頷いた。
すやすやと眠るメイベルは、それを知らずに笑みを浮かべて寝息を立てていた。
(翌朝の大混乱)
まぶしい朝の光。
私は重い頭を押さえながら、布団の上でごろごろ転がった。
「……うぅ~、のど乾いた……」
枕元に置かれていた封筒を見つける。
差出人は――アルバート殿下。
「……?」
震える手で開くと、そこにはたった一行。
『猫のポーチ、どうしても欲しい』
「……は、はぁぁぁ!?!?」
私は跳ね起きた。
「なんで!? なんで殿下が知ってるの!?
ポーチは秘密の……! あ、あれ? いつ私……渡した!? いや、渡してないでしょ!? あああーー!」
髪をわしゃわしゃとかき乱して絶叫する私の横で、アドレが静かに朝食の準備をしていた。
「……だから言っただろう。
私と二人の時以外は飲むな、と」
「ひぃぃぃ……」
膝を抱えて床に転げ回る私。
さらに目を上げると――。
鉄面皮のアドレの腰には、黒猫ポーチ。
椅子に置かれたフリードリヒの上着には、茶トラ猫ポーチ。
「……っ!? えっ!? い、いつ!? わ、渡したの!?!? あああぁぁぁ~~!!!」
私は再び上掛けに顔を突っ込み、絶望の声を上げた。
その背後で、アドレの無表情がほんの少しだけ緩んでいた。
影たちは仕事中なので酒は口にしないが、枝豆を黙々とつまみ続けていた。
「ふふ~ん♪」
私はもう、完全にいい調子だった。
ビールを片手に歌い出し、食堂をぐるぐる回っていた。
「……また始まったか」
アドレが低く呟くが、止める気配はない。
殿下も頬を赤くして、拍手をしている。
「もっとだ! もっと歌え!」
そのときだった。
「あ、そうだ! おにぎり食べたいなぁ~」
私はふらふらと歩き、腰の猫ポーチをガサゴソと探る。
すっかり酔っ払って、これが秘密のアイテムだと忘れていた。
「ほらぁ~……でろでろ~ん♪」
――ポンッ!
次の瞬間、テーブルの上にほかほかのおにぎりが転がり出た。
さらにもう一度手を突っ込むと――。
「どて焼き~♪」
湯気を立てたどて焼きが、ずるりと皿ごと出てきた。
「…………」
一瞬、部屋の空気が凍りつく。
影たちは無言で目を見開き、殿下は箸を中空で止めた。
フリードリヒも笑みを消して、じっとポーチを見つめる。
「……」
無表情のアドレだけが淡々と呟いた。
「……秘密のアイテムを、忘れてるな」
「へへっ♪ できたて~! みんな食べましょ~!」
私だけが上機嫌で、おにぎりをひとつひとつ配っていた。
机の上に積まれた、ほかほかのおにぎりとどて焼き。
湯気の向こうで影たちが硬直し、殿下がぽかんと口を開ける。
フリードリヒが低く唸った。
「……これは……メイベル、もはや隠せんぞ」
だが当の本人は、酔っ払い顔でマイク代わりの箸を握り、
「♪~おにぎり~は~夜のおともぉ~~♪」
と大熱唱中。
従兄の声などまるで耳に入っていない。
代わりにアドレが無表情で口を開いた。
「……一応、手作りらしいですがね」
「……手作り……?」
殿下と影が揃って呟く。
フリードリヒは一瞬沈黙し――そして額に手を当てて笑いをこらえた。
「……なるほど。令嬢の“オカンアート”が、最強の秘密兵器とはな」
その横で、メイベルはますます調子を上げていた。
「♪~枝豆ゆでて~ビール飲もぉぉ~♪」
宴の夜は、奇妙な歌と共にさらに続いていった。
「なぁ……メイベル嬢」
酔いの残る顔で、アルバート殿下がぐいと身を乗り出した。
「俺も欲しい。その……猫のポーチを」
「えっ……あ、そうだ! これ!」
ふらふら立ち上がった私は、猫ポーチを抱えて部屋の隅へ行き、
ごそごそと包んでいたものを取り出した。
「フリードリヒ兄様と、アドレ様の分! 茶トラと黒猫!」
机にぽんっと置かれた、手作り感満載のオカンアート。
フリードリヒとアドレが、同時に沈黙する。
「で、ですねっ……これが使い方です!」
私は顔を赤くしながらも、酔った勢いで得意げに説明を始めた。
「まずですね~、入れたいものの角をちょっと入口に入れると……
スルッと入りますっ!」
皿の端を押し当てると、すぽんっと消える。
「ほらっ! お皿も! 服も! クリーン機能付き!」
親指をぐっと立てて、まるでテレビショッピングの販売員。
「出すときは、こうやって中をつまんで~、イメージしたものを取り出すんです!」
ぴかぴかの皿が、するりと出てきた。
「忘れちゃったときは逆さに振ると、全部出ますから安心! ほらぁ~!」
――どさどさどさっ!
枝豆の殻、鍋、食器が一斉に机へ散らばった。食品はちゃんと正しい位置にセットされる。
「……」
フリードリヒは目を伏せて笑いをこらえ、アドレは無表情のまま片付けを始める。
アルバート殿下は、ぽかーんと口を開けて見つめていた。
「えへへっ……すごいでしょ? ね、すごいんですよ?」
酔っ払いメイベルは、頬を赤らめながら胸を張ってみせた。
――まるで、掃除機売り込みのテレビ販売員のように。
歌って、騒いで、最後におにぎりを配ったあと――。
私はソファの上にごろんと転がり、そのまま夢の世界へ。
「すぅ……すぅ……」
頬を赤くして、すやすや眠る。
部屋には静けさが戻った……かに見えたその時。
「……ヘンテコ猫、俺も欲しいっ!」
アルバート殿下が、子供のように拳を握って叫んだ。
「殿下……」
影が苦々しく眉を寄せるが、殿下は真剣そのもの。
「俺もだ! あの猫ポーチが欲しい!」影も叫ぶが、酔っ払いは、起きない。
その横で。
「……」
フリードリヒが茶トラ猫ポーチを、こそこそと腰に下げる。
「……」
アドレも黒猫ポーチを、何食わぬ顔で帯に結びつけた。
威厳ある公爵家の後継者と、鉄面皮と呼ばれた青年が――
そろって、オカンアート猫ポーチをつけている姿。
「……誰にも見られんようにな」
フリードリヒがぼそりと呟き、アドレが無言で頷いた。
すやすやと眠るメイベルは、それを知らずに笑みを浮かべて寝息を立てていた。
(翌朝の大混乱)
まぶしい朝の光。
私は重い頭を押さえながら、布団の上でごろごろ転がった。
「……うぅ~、のど乾いた……」
枕元に置かれていた封筒を見つける。
差出人は――アルバート殿下。
「……?」
震える手で開くと、そこにはたった一行。
『猫のポーチ、どうしても欲しい』
「……は、はぁぁぁ!?!?」
私は跳ね起きた。
「なんで!? なんで殿下が知ってるの!?
ポーチは秘密の……! あ、あれ? いつ私……渡した!? いや、渡してないでしょ!? あああーー!」
髪をわしゃわしゃとかき乱して絶叫する私の横で、アドレが静かに朝食の準備をしていた。
「……だから言っただろう。
私と二人の時以外は飲むな、と」
「ひぃぃぃ……」
膝を抱えて床に転げ回る私。
さらに目を上げると――。
鉄面皮のアドレの腰には、黒猫ポーチ。
椅子に置かれたフリードリヒの上着には、茶トラ猫ポーチ。
「……っ!? えっ!? い、いつ!? わ、渡したの!?!? あああぁぁぁ~~!!!」
私は再び上掛けに顔を突っ込み、絶望の声を上げた。
その背後で、アドレの無表情がほんの少しだけ緩んでいた。
54
あなたにおすすめの小説
聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思うので、第二の人生を始めたい! P.S.逆ハーがついてきました。
三月べに
恋愛
聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思う。だって、高校時代まで若返っているのだもの。
帰れないだって? じゃあ、このまま第二の人生スタートしよう!
衣食住を確保してもらっている城で、魔法の勉強をしていたら、あらら?
何故、逆ハーが出来上がったの?
無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています
如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」
何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。
しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。
様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。
この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが……
男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。
【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~
夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」
婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。
「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」
オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。
傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。
オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。
国は困ることになるだろう。
だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。
警告を無視して、オフェリアを国外追放した。
国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。
ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。
一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。
【完結】破滅フラグを回避したいのに婚約者の座は譲れません⁈─王太子殿下の婚約者に転生したみたいだけど転生先の物語がわかりません─
江崎美彩
恋愛
侯爵家の令嬢エレナ・トワインは王太子殿下の婚約者……のはずなのに、正式に発表されないまま月日が過ぎている。
王太子殿下も通う王立学園に入学して数日たったある日、階段から転げ落ちたエレナは、オタク女子高生だった恵玲奈の記憶を思い出す。
『えっ? もしかしてわたし転生してる?』
でも肝心の転生先の作品もヒロインなのか悪役なのかモブなのかもわからない。エレナの記憶も恵玲奈の記憶も曖昧で、エレナの王太子殿下に対する一方的な恋心だけしか手がかりがない。
王太子殿下の発表されていない婚約者って、やっぱり悪役令嬢だから殿下の婚約者として正式に発表されてないの? このまま婚約者の座に固執して、断罪されたりしたらどうしよう!
『婚約者から妹としか思われてないと思い込んで悪役令嬢になる前に身をひこうとしている侯爵令嬢(転生者)』と『婚約者から兄としか思われていないと思い込んで自制している王太子様』の勘違いからすれ違いしたり、謀略に巻き込まれてすれ違いしたりする物語です。
長編ですが、一話一話はさっくり読めるように短めです。
『小説家になろう』『カクヨム』にも投稿しています。
私を虐げた人には絶望を ~貧乏令嬢は悪魔と呼ばれる侯爵様と契約結婚する~
香木陽灯
恋愛
「あなた達の絶望を侯爵様に捧げる契約なの。だから……悪く思わないでね?」
貧乏な子爵家に生まれたカレン・リドリーは、家族から虐げられ、使用人のように働かされていた。
カレンはリドリー家から脱出して平民として生きるため、就職先を探し始めるが、令嬢である彼女の就職活動は難航してしまう。
ある時、不思議な少年ティルからモルザン侯爵家で働くようにスカウトされ、モルザン家に連れていかれるが……
「変わった人間だな。悪魔を前にして驚きもしないとは」
クラウス・モルザンは「悪魔の侯爵」と呼ばれていたが、本当に悪魔だったのだ。
負の感情を糧として生きているクラウスは、社交界での負の感情を摂取するために優秀な侯爵を演じていた。
カレンと契約結婚することになったクラウスは、彼女の家族に目をつける。
そしてクラウスはカレンの家族を絶望させて糧とするため、動き出すのだった。
「お前を虐げていた者たちに絶望を」
※念のためのR-15です
※他サイトでも掲載中
【完結】追放された私、宮廷楽師になったら最強騎士に溺愛されました
er
恋愛
両親を亡くし、叔父に引き取られたクレアは、義妹ペトラに全てを奪われ虐げられていた。
宮廷楽師選考会への出場も拒まれ、老商人との結婚を強要される。
絶望の中、クレアは母から受け継いだ「音花の恵み」——音楽を物質化する力——を使い、家を飛び出す。
近衛騎士団隊長アーロンに助けられ、彼の助けもあり選考会に参加。首席合格を果たし、叔父と義妹を見返す。クレアは王室専属楽師として、アーロンと共に新たな人生を歩み始める。
【完結】幽霊令嬢は追放先で聖地を創り、隣国の皇太子に愛される〜私を捨てた祖国はもう手遅れです〜
遠野エン
恋愛
セレスティア伯爵家の長女フィーナは、生まれつき強大すぎる魔力を制御できず、常に体から生命力ごと魔力が漏れ出すという原因不明の症状に苦しんでいた。そのせいで慢性的な体調不良に陥り『幽霊令嬢』『出来損ない』と蔑まれ、父、母、そして聖女と謳われる妹イリス、さらには専属侍女からも虐げられる日々を送っていた。
晩餐会で婚約者であるエリオット王国・王太子アッシュから「欠陥品」と罵られ、公衆の面前で婚約を破棄される。アッシュは新たな婚約者に妹イリスを選び、フィーナを魔力の枯渇した不毛の大地『グランフェルド』へ追放することを宣言する。しかし、死地へ送られるフィーナは絶望しなかった。むしろ長年の苦しみから解放されたように晴れやかな気持ちで追放を受け入れる。
グランフェルドへ向かう道中、あれほど彼女を苦しめていた体調不良が嘘のように快復していくことに気づく。追放先で出会った青年ロイエルと共に土地を蘇らせようと奮闘する一方で、王国では異変が次々と起き始め………。
【完結】婚約破棄された令嬢リリアナのお菓子革命
猫燕
恋愛
アルテア王国の貴族令嬢リリアナ・フォン・エルザートは、第二王子カルディスとの婚約を舞踏会で一方的に破棄され、「魔力がない無能」と嘲笑される屈辱を味わう。絶望の中、彼女は幼い頃の思い出を頼りにスイーツ作りに逃避し、「癒しのレモンタルト」を完成させる。不思議なことに、そのタルトは食べた者を癒し、心を軽くする力を持っていた。リリアナは小さな領地で「菓子工房リリー」を開き、「勇気のチョコレートケーキ」や「希望のストロベリームース」を通じて領民を笑顔にしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる