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仕事
しおりを挟む「よろしくお願いします。」
翌日、私は娼婦としての仕事に励んだ。
「痛い…」
思った以上に体を売ることは大変だった。
初めてのお客様はとても乱暴に私を抱いた。
シーク様にも抱かれていたし、経験がない処女なわけではないからもっと楽だと思っていた。
しかし終わってみると、すごく痛い思いをした。
一人で生きていくって過酷。
私は一人涙を流しながらそれを痛感するのだった。
───
それでも仕事はやってくる。
私はその仕事一つ一つに食らいついた。
娼婦として夜の営みをこなすうちに、元夫の優しさに気付いてしまった。
お客様には乱暴に抱かれることも多い。
血が出ることもあった。
体のだるさを常に感じるようになった。
こんなこと元夫との夜の営みでは感じたことがなかった。
元夫は、私との営みでとても配慮してくれていたのだ。
私は娼婦になるまでそんなことに気付きもしなかった。
もしかして彼は私との性生活に満足していなかったのかもしれない。
途端に何も知らなかった自分が恥ずかしくなる。
頑張らなくちゃ。
私は新たな決意とともに仕事に励むのだった。
──半年後
娼館で働くようになって半年が過ぎた。
その間に私はここで人気1位にまで上り詰めていた。
そして最初は辛かった仕事も、なんとか慣れるまでに成長していた。
「アリス、新規のお客よろしく。」
「はい。」
オーナーにそう言われ個室へと向かう。
「失礼します、アリスです。」
扉を開けて中に入ると、端正な顔立ちの青年がいた。
「…」
「…」
入った途端、なぜか青年は考え込むようにして沈黙してしまった。
「どうかされましたか?」
「君って…」
心配になりそう聞くと、青年は思い出したように顔を上げて私を見る。
そしてみるみるうちに顔を蒼くした。
「ど、どうしたんですか?
なにか気になることでも…」
その青年の姿に私は再び心配になる。
なにか粗相をしてしまっただろうか。
「ごめん、今日は帰るよ。
お金は置いとくから。」
しかし青年はそう言って、飛ぶような速さで帰っていった。
一体どうしたのかしら…?
───────
「アリス、新規よ。」
新規か…
昨日の謎のお客さんより、変な人ではないといいな。
私はそんなことを思いながら扉を開けた。
「失礼します、アリスです。」
しかし開けてすぐその扉を閉めてしまった。
扉の先にはなぜか見覚えのある人が立っていたのだ。
いや、見間違いかもしれない。
あの人に似てるだけ…
深呼吸をして、速くなる鼓動を落ち着かせながら再び扉を開ける。
「アリス…」
「シーク様…?」
しかし私の願いも虚しく私を呼んだその声は、元夫のものに間違いなかった。
どうしてあなたが…ここにいるの?
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