71 / 88
番外編
6 家族を捨てたリエーヴル
しおりを挟む
リエーヴルが誘った竜人の男は何とあの有名なドラゴディス帝国の皇帝だった。
竜人だというだけでもビックリなのに、予想以上の大物だったのには驚いたが、こんな小国の貴族の男など比べ物にならないくらい最高の相手だ。何せ、彼はリエーヴルにとって運命の番なのだから。
口から出まかせに誘ったが、肌を合わせてみればすぐに相手が本物の番だと気が付いた。彼も同じだろう。
ロイエは最初の抵抗は嘘のようにリエーヴルを受け入れ、最終的には誘ったリエーヴルが音を上げるほど執拗に求めてきたのだから。
ああ、彼はリエーヴルの番だ。地位も名誉もあるリエーヴルの運命の番。彼は最高のドレスと快楽をリエーヴルにもたらしてくれるのだ。
リエーヴルが娼婦になったからこそ、こんな形で彼と出会うことができたのだ。なんて幸せなのだろう!
半獣人のリエーヴル以上に、竜人のロイエは運命の番への愛を感じてくれているようだった。もしかしたら身分の高い者は番への執着が強いのかもしれない。ロイエは反対してくる彼の生意気な側近達を黙らせ、リエーヴルを帝国に連れ帰ることを即決してくれた。
リエーヴルはこんなちっぽけな国に未練などない。これからは小国の貴族どころか、皇帝の番として誰もがうらやむ生活を送ることが出来るのだ。リエーヴルはすぐに荷造りを始めた。
国を離れる前、ロイエに大金を渡された時は首を捻った。
「家族の為とはいえ、愛する君を娼婦のままにするわけにはいかない。だからこれで弟さんの病気を治してくれ」
そう言われて、弟たちを言い訳に泣き落としたのを思い出した。弟たちになんてもうずっと会ってはいなかったし、両親も死んだことになっている。ロイエは嫉妬心も強いようだし、中途半端に家族とのかかわりを残してリエーヴルが自ら進んで娼婦になったことをバラされてはたまらない。
リエーヴルはロイエから貰った大金で服や宝石など好きな物を好きなだけ買って、残りを手切れ金として家族に渡した。母は泣いて嫌がっていたが、番と出会ったから邪魔をしないで欲しいと言えば身を引いてくれた。
貴族だった父親の幸せを願って身を引いた母だ。これでもう二度と会うことはないだろう。
竜人だというだけでもビックリなのに、予想以上の大物だったのには驚いたが、こんな小国の貴族の男など比べ物にならないくらい最高の相手だ。何せ、彼はリエーヴルにとって運命の番なのだから。
口から出まかせに誘ったが、肌を合わせてみればすぐに相手が本物の番だと気が付いた。彼も同じだろう。
ロイエは最初の抵抗は嘘のようにリエーヴルを受け入れ、最終的には誘ったリエーヴルが音を上げるほど執拗に求めてきたのだから。
ああ、彼はリエーヴルの番だ。地位も名誉もあるリエーヴルの運命の番。彼は最高のドレスと快楽をリエーヴルにもたらしてくれるのだ。
リエーヴルが娼婦になったからこそ、こんな形で彼と出会うことができたのだ。なんて幸せなのだろう!
半獣人のリエーヴル以上に、竜人のロイエは運命の番への愛を感じてくれているようだった。もしかしたら身分の高い者は番への執着が強いのかもしれない。ロイエは反対してくる彼の生意気な側近達を黙らせ、リエーヴルを帝国に連れ帰ることを即決してくれた。
リエーヴルはこんなちっぽけな国に未練などない。これからは小国の貴族どころか、皇帝の番として誰もがうらやむ生活を送ることが出来るのだ。リエーヴルはすぐに荷造りを始めた。
国を離れる前、ロイエに大金を渡された時は首を捻った。
「家族の為とはいえ、愛する君を娼婦のままにするわけにはいかない。だからこれで弟さんの病気を治してくれ」
そう言われて、弟たちを言い訳に泣き落としたのを思い出した。弟たちになんてもうずっと会ってはいなかったし、両親も死んだことになっている。ロイエは嫉妬心も強いようだし、中途半端に家族とのかかわりを残してリエーヴルが自ら進んで娼婦になったことをバラされてはたまらない。
リエーヴルはロイエから貰った大金で服や宝石など好きな物を好きなだけ買って、残りを手切れ金として家族に渡した。母は泣いて嫌がっていたが、番と出会ったから邪魔をしないで欲しいと言えば身を引いてくれた。
貴族だった父親の幸せを願って身を引いた母だ。これでもう二度と会うことはないだろう。
89
あなたにおすすめの小説
【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜
雨香
恋愛
美しく優しい狼獣人の彼に自分とは違うもう一人の番が現れる。
彼と同じ獣人である彼女は、自ら身を引くと言う。
自ら身を引くと言ってくれた2番目の番に心を砕く狼の彼。
「辛い選択をさせてしまった彼女の最後の願いを叶えてやりたい。彼女は、私との思い出が欲しいそうだ」
異世界に召喚されて狼獣人の番になった主人公の溺愛逆ハーレム風話です。
異世界激甘溺愛ばなしをお楽しみいただければ。
逃した番は他国に嫁ぐ
基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」
婚約者との茶会。
和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。
獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。
だから、グリシアも頷いた。
「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」
グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。
こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。
幸せな番が微笑みながら願うこと
矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。
まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。
だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。
竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。
※設定はゆるいです。
立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~
矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。
隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。
周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。
※設定はゆるいです。
忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。
旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。
アズやっこ
恋愛
私は旦那様を愛していました。
今日は三年目の結婚記念日。帰らない旦那様をそれでも待ち続けました。
私は旦那様を愛していました。それでも旦那様は私を愛してくれないのですね。
これはお別れではありません。役目が終わったので交代するだけです。役立たずの妻で申し訳ありませんでした。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる