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しおりを挟むシータは、これまで我慢していた。ずっとしたいことを口にすることをしなかったが、この時を逃したらできないだろうと口にした。
両親は、何を言うのだろうかとシータのことを睨みつけそうになるのをジャイニに気づかれては大変だとばかりに顔だけは、何でもない顔をしていた。
でも、目が怖いものになっていた。真逆にシータに呼ばれて、目を合わせたことでジャイニは不機嫌をどこへやら、機嫌よくしていた。
「私、留学したいの」
「あら、いいわね」
それを聞いて、出て行くことはしないなと両親はわかってホッとしたのがわかった。
だが、シータの言いたいことは、それで終わりではなかった。だって、このままでは先ほどのように自分もそうすると言い出すに決まっている。
だから、一言添えることにした。
「1人で、留学したいの」
「……え? 1人で?」
「1人でしたいの」
「っ、」
ジャイニは、それにこれまで見たことないほど、絶望した顔をした。この世の終わりを知った者のような顔をした。
そんな顔を見たことがない両親は、なんてことを言うのかとシータをギロッ!と睨んでいたが、シータは涼やかな顔をしたままだった。
「そんな、シータ。1人でなんて、危険よ」
「実力を試したいんです」
「実力……?」
ジャイニは、シータが頭が物凄く頭がいいことに全く気づいていなかった。ずっと、妹は自分よりも下だと思っていたため、シータが話すことは寝耳に水だった。
それは、両親や使用人たちも同じことだった。
この家で、ジャイニの足を引っ張るしかできない令嬢という認識しかなかったシータ。それが、この国から滅多に留学生を歓迎しない国として有名な国が、シータのことを歓迎していることを知ることになった。
「あの国が……?」
「そんなこと、ここしばらくなかったぞ」
「お疑いなら、学園に問い合わせてみてください」
「「……」」
両親は、顔を見合わせた。
「シータ」
「お姉様。留学したいなら、試験をパスしないと無理なのは、ご存じでしょう?」
「知っているわ。でも、あなた、いつそれを受けたの?」
「授業を免除してもらって、受けました」
「そんな話、聞いてないわ! どうして、言ってくれなかったのよ!?」
ジャイニは、なんだかんだとシータを責め立てていたが、両親はシータの言っているのが本当かを調べて、本当だとわかるとより一層猫なで声を出すようになったが、シータが留学することを止めることはなかった。
止めようとしたのはジャイニだ。色々大変ではあったが、留学を台無しにすることは、ジャイニには無理だった。
シータのようにどんなに頑張っても、留学に必要な試験をパスするだけの頭が、ジャイニにはなかったのだ。
学園から、シータがやっと留学する気になったと思ったことで、両親に力説されたのも大きかったようだ。
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