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シータは、私がいないと駄目な妹だ。
歩くのが下手で、よく転ぶのは昔からだ。そんなシータには、私が常に側にいなくては駄目なのだ。
成長しても、シータはよく転んでいた。そう、あれは私に甘えているのだ。そうでなければ、あんなによく転ぶはずがない。全く困ってしまうが、仕方がない。私には、そんなところも可愛い妹だ。見捨てるなんてできるわけがない。
だから、周りの令嬢に言われてもシータを見捨てるなんてしなかった。できるわけがない。
王太子に婚約をしたいと言われても、同じくシータの側にいなくてはならないと断った。私にはシータさえいればいい。
そんなことをしていたら、両親が修道院に入れとシータに言ったようで、シータが行くなら私も行くと言うとやめていいと両親は必死になった。
全く信じられない。どちらも、娘なのにシータのことをちゃんと見ていない。
そんなことを思っていたら、シータが留学したいと言い出して、仕方がないから姉として、そのわがままに着いて行こうとした。
「1人で、留学したいの」
「……え? 1人で?」
「1人でしたいの」
「っ、」
私は、絶望感に苛まれた。私がいなければ、駄目なのにシータは、何を言い出すのか。
「そんな、シータ。1人でなんて、危険よ」
「実力を試したいんです」
「実力……?」
私は、それからシータが頭が物凄く頭がいいことに全く気づいていなかったことを知ることになった。ずっと、妹は自分よりも下だと思っていたため、シータが話すことは寝耳に水だった。
それは、両親や使用人たちも同じことだったはずだ。間抜けな顔をしていた。
この家で、私の足を引っ張ることしかできない妹という認識しかなかったシータ。それが、この国から滅多に留学生を歓迎しない国として有名な国が、シータのことを歓迎していることを知ることになったのだ。
そんなわけがない。私が、一番シータを理解している。色々と頭の中で考えていると……。
「お姉様。留学したいなら、試験をパスしないと無理なのは、ご存じでしょう?」
「知っているわ。でも、あなた、いつそれを受けたの?」
「授業を免除してもらって、受けました」
「そんな話、聞いてないわ! どうして、言ってくれなかったのよ!?」
私は、思わずシータを責め立てていたが、両親はシータの言っていることが本当かを調べて、本当だとわかるとより一層猫なで声を出すようになったが、シータが留学することを止めることはなかった。
止めようとしたのは私だけだった。色々大変ではあったが、留学を台無しにすることは、私には無理だった。
シータが留学してから、なぜか私がシータのようによく転ぶようになった。
「何で私が転ぶのよ。転ぶのは、シータよ。あちらで困って、さっさと帰ってくればいいのよ。そうすれば、また私が側でサポートしてあげられる」
だが、シータが戻って来ることはなかった。留学先で婚約をした。相手は、あちらの王太子だった。
それにこの国の王太子であるビジェイが激怒したのは、すぐだった。その愚痴を私に一々言いに来るのはやめてほしい。暇人すぎると思ってしまったが、周りはそんなことを誰も思わないようで迷惑でしかなかった。
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