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しおりを挟む彼は、食べられればいいかのようにしていたが、私の食べ物を模擬戦の勝者となった副団長にわけてもらって、驚いた顔をした。
「美味い」
「っ、」
「だろ?」
彼は副団長に言われて頷いた。そして、私を見て食べられれば何でもいいと言ったのを謝罪してくれて、こんな美味いもん初めて食べたとまで言ってくれたのだ。
そんなこと言われたのは初めてだったから、嬉しくて仕方がなかった。
彼の名前は、カルロ・サンマルティーニ。父が期待している新人の騎士であり、今回の模擬戦で副団長と戦って準優勝となったのが、彼だった。
私の手料理なんて大したことないのにちゃんと褒めてくれて、訓練で破けた服を繕うのも、やたらと褒めてくれる人だった。
もちろん。繕いものに関しては父も、褒めてくれているが、身内だ。そもそも、何をしても父も兄も弟妹たちも、家族だから優しくしてくれている。
何の取り柄もない私にカルロは、自分は料理も繕いも全くできないからと言ってくれて、何でも褒めてくれた。
それは、兄もしてくれているが身内だ。
それに比べて、カルロは他の令嬢と婚約したこともないらしく、騎士に向いているが、それ以外は何も向いていないかのように家族に思われているらしく、私と婚約すると伝えた時は頭でもぶつけたのではないかと心配までされたようだ。
もっとも、彼の実家にそう言う前に父と兄を相手にしても、カルロは婚約したいと言うことはなかった。
そこが、既にかっこよかった。父にズタボロにされても、立ち向かっていくのに本当に愛されて必要とされているのだと思うと嬉しくて仕方がなかった。
おかげで、私は手当も上手くなった。カルロの怪我を他の誰か別の女性に見せるなんて嫌だったのだ。
そんな彼と婚約することになって、幸せを日々実感している。
ちなみに姉も、突然戻って来てカルロと話していたが、すぐに大丈夫だと言い出して、戻って行ってしまった。
ちなみに弟妹たちも、私の婚約者だと聞いて、しばらく観察していたようだが、今ではすっかり懐いていた。カルロは、一見子供が苦手そうだが、彼も年の離れた弟や従妹たちがいて、遊び相手によくなっているから、子供の相手がびっくりするほど上手かった。
「君は家族に愛されているな」
「それを言うなら、あなたこそ」
カルロの両親や弟、従妹と仲良くなるのは早かった。私は大したことをしてはいないが、弟妹たちと同じように接していたら、懐かれた。
こうして、私は気づけば素敵な婚約者ができていて、誰が何を言っていようとも気にならないくらい、幸せいっぱいの日々を送ることができた。
その間に兄に婚約者ができそうだと聞いたが、その令嬢は兄と婚約してもいないのに自分しか、見合う婚約者はいないかのように言っていて、天狗になっているようにしか見えなかった。
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